Eighter -Midnight Howling-
25ther 〜とある封廟の禁渦フォビドゥンヴォーテクス A〜



#0
 龍脈エネルギーの悪用……その裏では場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が暗躍していた。
 Eighter一行は場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の野望を阻止するべく、龍脈エネルギーと《ネガティヴ》に踊らされていた銀鯱(ぎんしゃち)
を撃滅。
 背後にいる場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を引きずり出したのだった。

#1
憂粋(うぃすい)タブレ「《キツネザルの使徒》……龍脈エネルギーを使いたければ好きなだけ使えばいいのだ!でもね……」
白拍子かんな「いいえ、もうあんなものは使いません」
 覚えておけ!使えば使うほど貴様はこの地を災厄に導くということを……と続けるよりも先にふるふると首を横
に振りかんなはそう告げた。
タブレ「何ぃ?」
かんな「貴方には、そんなものを使わなくとも、斃して見せます」
 ビカっとかんなの額の茜瑙哭(セドナ)の紋章が眩く光り輝く。貴方を倒すのに必要なものは、茜瑙哭(セドナ)の力で十分だと言い
放っているようだった。
タブレ「お前はつくづく僕を苛立たせるのだ……」
 だったら、叩き潰してあげるよ!とタブレは両手を天に掲げる
タブレ「おいでませなのだ、祝福無き強いる義務(ノーブレス・オブリージュ)」
 叫ぶと同時に空間が歪んで槍が出現する。
タブレ「自由に逝き、誇り高く死ねなのだ!」
 そのままかんなに突きかかるタブレ。だが、しかし、かんなは神滅超越者(ラグナロクエクセル)でそれを受け止める。
タブレ(チッ、言うだけのことはあるのだ……)
 だが!とタブレは槍を引くと同時に後退。
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)」
 キィンッ
 そんなタブレめがけて剣閃を放つかんな。剣閃は応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍となりてタブレに襲い掛かる。
タブレ「転静曦禍(てんじょうぎか)」
 祝福無き強いる義務(ノーブレス・オブリージュ)で薙ぎ払いを行うタブレ。
梓與鷹(よたか)「……え?」
 だが、明らかに間合いをミスったとしか思えない。横薙ぎが応龍(おうりゅう)に届かなかった。
 そして、応龍(おうりゅう)の直撃を受けるタブレ。
 勝負はあっさりと決した……わけではなかった。応龍(おうりゅう)はタブレに傷一つつけることなく、消え失せたのだった
タブレ「(おご)るなよ、人間(パーツ)風情が!」
 ニヤリと笑みを浮かべて高らかに宣言するタブレ
與鷹(よたか)「そんな馬鹿な!」
 與鷹(よたか)を筆頭に一行は驚きを隠せない。茜瑙哭(セドナ)覚醒したかんなの一撃が、あんな簡単にあしらわれるはずがない
(かみ)総介「慢心は身を亡ぼす……か……」
 一早くこの状況を見抜いたのは総介だった。
※というか毎回総介が見抜いている気がするが、け、警察は観察眼が大切ですから……
與鷹(よたか)「どういうことだ、総?」

#2
山咲(やまざき)桜「慢心をもって繰り出した攻撃は相手に通用するはずもない……」
與鷹(よたか)「え?」
 かんなが慢心しているとでも?と桜の声に疑いのまなざしを向ける與鷹(よたか)。
 いや、そうではない……つまり、転静曦禍(てんじょうぎか)とは相手の繰りだす技を(おご)らせて無力化する技……と言うことだと総
介が続ける。
元人交喙(いすか)「そ、そんな無茶苦茶な……」
 唖然とする交喙(いすか)。あんな無茶苦茶な技を使ってくる相手にどう戦えばいいんだと言わんばかりである。
 最も交喙(いすか)は人の姿を持つ場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)との死合を見るのはこれが初めてなのでその反応は当然と言えた。
タブレ「来なよ、傲慢は罪だってことを、教えてあげるのだ」
 左手でちょいちょいと招く仕草をするタブレ。大胆不敵とはまさにこのことだ。その油断は慢心を呼ぶ……いや
これは油断ではなく、余裕だ。
※しかし、他の人の姿を持つ場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)達も、そんな余裕ぶっこいてかんなに痛い目にあっていたんだから
 やっぱり、これ慢心からなる油断じゃないのだろうか……
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
タブレ「転静曦禍(てんじょうぎか)!」
 再び応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍を解き放つかんな。しかし、応龍(おうりゅう)はタブレに触れると同時に何事もなかったかの如く
霧散する。
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
タブレ「転静曦禍(てんじょうぎか)!」
 ……タイミングを合わせればあるいは……などというものではない。
 何度やっても結果は同じだ。
タブレ「無駄無駄……思いあがった人間(パーツ)如きの攻撃が僕に通用するはずがないのだ」
かんな「それは、思い上がりですね。鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)!」
 ドンッ
 宣言と同時に横薙ぎを繰り出すかんな。
 放たれた剣閃は平安を(もたら)す鳳凰となりてタブレに迫る
タブレ「舐めるな!転静曦禍(てんじょうぎか)!」
 思いあがっているのはお目の方だ!と、迫る鳳凰を(おご)らせて無力化してみせる。
かんな「……」
 鳳凰が無効化されると同時に一足飛びにかかるかんな
タブレ「直接攻撃ならば分があるとでも思ったのかなのだ?」
 神滅超越者(ラグナロクエクセル)祝福無き強いる義務(ノーブレス・オブリージュ)で軽く受け止めつつニヤニヤするタブレ
タブレ「それもまた、(おご)りなのだ、人間(パーツ)!」
かんな「その言葉、そっくり返します。あなたこそ、(おご)っています」
 ズズンッ
タブレ「な、にぃ!?」
 力で競り負けるタブレ。かんなのことを人間(パーツ)風情と高を括っていたツケである。
 さらに力を込めて神滅超越者(ラグナロクエクセル)を振りぬくかんな。
タブレ「おおおっ?!」
 吹き飛ばされるタブレに更に迫り、追撃を繰り出すかんな
タブレ「お前……」
 かんなの斬撃を受け、派手に吹っ飛ばされるタブレ。
 だが、死合はまだここからだ……


続

前の話へ 戻る 次の話へ