Eighter -Midnight Howling-
24ther 〜とある封廟の禁深ディープフォビドゥン C〜



#5
 龍脈エネルギーを悪用しようとするもの、銀鯱(ぎんしゃち)……そんな銀鯱(ぎんしゃち)四天王を全て撃破し、交喙(いすか)、総介は與鷹(よたか)やかんな
のいるであろう場所を目指す。
梓與鷹(よたか)「お、交喙(いすか)、無事だったか」
元人交喙(いすか)「当然だろうが、俺がこの程度でくたばるわけないだろ!」
 與鷹(よたか)、あろえの元にまずは交喙(いすか)が合流する。
交喙(いすか)「他の奴らは?」
百鬼あろえ「わかんないけど……」
 かんなならきっと無事だと思う……なんせ運の女神だものとあろえ。
與鷹(よたか)「後は総か……」
交喙(いすか)「まさかとは思うがくたばっていたりとかしないだろうな」
(かみ)総介「誰がくたばっているって?」
 噂をすればなんとやら、総介、桜に肩を借りて歩んでくる
與鷹(よたか)「総……」
総介「フッ、待たせたな!」
 ああ、街に待ったぜ、遅いぞこの野郎!と交喙(いすか)が暴言を吐くのだが、いや、アンタだってついさっき来たばっか
じゃん……とあろえがジト眼で抗議。
 しかし、交喙(いすか)にはどこ吹く風。
山咲(やまざき)桜「これで残りはかんなだけですが……」
総介「あいつならば、更に先だろう……」
與鷹(よたか)「まぁ、そうとは思うが……」
総介「気を引き締めていけよ……お前も、薄々感じていたかもしれんが……」
與鷹(よたか)「……この騒動、裏にいるのはもしや、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)か?」
総介「ああ……」
 ハっとしていつになく真剣な表情で與鷹(よたか)が総介を見ると、総介もコクリと頷いて見せる。
あろえ「……ひょっとしてあいつらがあんな無茶ができたのはそのためってこと?」
 あろえも思い当たる節があったので口をはさんでみる。
桜「はい。正確には本人は無茶をしているつもりはなかったようですが……」
交喙(いすか)「どういうことだよ、無自覚ってか?」
桜「ある意味ではそれは正しいかと……」
 折角だから交喙(いすか)にも伝えておこう……と與鷹(よたか)場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)についてを語る。
交喙(いすか)「人を道具のように使いつぶすだって?」
與鷹(よたか)「ああ、だから、奴らは使いつぶされたってわけだ……」
 故に致命傷に思えるような傷を受けてもなんともない感じで襲い掛かってきた。
 死を恐れない兵程恐ろしいものはない。
交喙(いすか)「自衛隊海軍もなんてモンに手を出しているんだよ……」
桜「もう一つ言っておきますが、ドラゴンクロニクルは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)ではありませんよ?」
交喙(いすか)「えぇっ?」
 びっくり仰天の交喙(いすか)であった。
與鷹(よたか)場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)がドラゴンクロニクルを悪用しているってことだな」
交喙(いすか)「ちょ、ちょっと待ってくれよ……場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)ってのも要はオーパーツの一種なんだろ?」
 交喙(いすか)はまだ、人の姿をした場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を知らない……

#6
與鷹(よたか)「そうか、これも言っておかないといけなかったか……」
 與鷹(よたか)はもうひとつ告げる。場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)には人の姿を持ち、人間を道具(パーツ)として使いつぶす上位存在がいると
いうことを……
交喙(いすか)「……」
 開いた口が塞がらない交喙(いすか)は唖然とするばかりであった。
※なお、四人は立ち止まって話をしているわけではなく、移動しながら話をしています。立ち止まっている時間が
 惜しいからね……

桜「……警部、誰か来ます……」
交喙(いすか)「チッ、また敵か!」
 咄嗟に金匙玉楊(きんしぎょくよう)を構え臨戦態勢を取る交喙(いすか)
総介「マテマテ、お前はそそっかしすぎる」
交喙(いすか)「ああぁ?なんだと?」
 テンメェ、なんなら今ここで決着つけるか?と総介にメンチを斬る交喙(いすか)
與鷹(よたか)「おい、お前らいい加減にしろよ……」
 落ち着け、落ち着け、と與鷹(よたか)が間に割って入る。
 ともかくとして、一行の前に現れたのは自衛隊海軍特務、シーゼロであった。
シーゼロ「貴方たちは……」
與鷹(よたか)「俺達は……」
 與鷹(よたか)が名乗りを上げようとしたとき、総介が手をかざしてそれを制止する。
総介「俺はSRAP、こっちは秘書の山咲(やまざき)……であちらの面々はEighter一行とそのオマケだ」
交喙(いすか)「はぁ?!」
 お前、ケンカ売ってんのか、いいぜ買ってやる!とビキっとこめかみにブチギレマークを浮かべる交喙(いすか)與鷹(よたか)(いや、だから落ち着けって……)
 そして、そんな交喙(いすか)をなだめるのは與鷹(よたか)の役目である。
與鷹(よたか)(総もあまり煽んないでくれよ……)
 しかし、與鷹(よたか)の忠告を軽く無視する総介。與鷹(よたか)與鷹(よたか)で半ば諦めモードだ。
シーゼロ「Eighterと言うことは……」
桜「はい、私たちは依頼を受けて銀鯱(ぎんしゃち)からある物を奪還するためにここにきています」
シーゼロ「……」
 奪還……?壊滅の間違いじゃ?とシーゼロが思うのも無理はない。ここに来る道中、建物は滅茶苦茶になってい
るわ、銀鯱(ぎんしゃち)のメンバーはボロボロで簀巻きにされているわ……とてもじゃないが一行の言葉が信じられるものでは
なかった。
與鷹(よたか)「そういうアンタは……?」
シーゼロ「はっ、私は自衛隊海軍特務、コードネーム、シーゼロ!」
 ビシっと敬礼しつつ叫ぶシーゼロ。自衛隊海軍総司令、北郷総帥の密命を受けてあなた方の後詰に来ましたと続
ける。
交喙(いすか)「後詰って……」
 勿論、私一人ではありませんが……
総介「目的は銀鯱(ぎんしゃち)メンバーの拘束、そして壊滅か……」
シーゼロ「ええ、その通りです」
 ならば、この先、銀鯱(ぎんしゃち)のことはシーゼロに任せ、一行は場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に専念できるということだ。


続

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