Eighter -Midnight Howling-
24ther 〜とある封廟の禁深ディープフォビドゥン B〜



#3
 総介VS白銀の黒鮫……その死合は続く……
※というか、この死合、手に汗握る展開とかないな……
白銀の黒鮫「龍脈エネルギーの前に砕け散るがいいわ!」
 一足飛びにかかる白銀の黒鮫。そのまま右手の斧剣で斬り降ろしを行う……も、蒼王の刃(ブルーロード)で受け止めて見せる総
介
白銀の黒鮫「だが、甘いわ!」
 更に左手の双身斧でも斬りかかる白銀の黒鮫。
(かみ)総介「チッ」
 すかさず総介は懐から藍后の刄(ブルーエンプレス)を取り出すとこれで受け止める。
白銀の黒鮫「漸くそれを使ったな!」
山咲(やまざき)桜(警部に藍后の刄(ブルーエンプレス)を使わせるためにこんな攻撃を……?)
 思わずアホですかと突っ込みたくなる桜であった。総介が蒼王の刃(ブルーロード)藍后の刄(ブルーエンプレス)の二刀を使う時は全力の証。
 いつも蒼王の刃(ブルーロード)一本で余力を残しつつ勝負を行う総介に藍后の刄(ブルーエンプレス)を使わせるという行為は一見追い詰めている様
に見えて実際は逆である。
 知恵者であればこうなる前に勝負を決めようとするはずだ。
 白銀の黒鮫は勝負を楽しんでいるのか、それとも総介を超える力を持っていると思っているのか
白銀の黒鮫「ハッ、龍脈スカルクラッシュ!」
総介「臠蒼極連(れんそうごくりん)!」
 ドガガガガガガガガガッ
 一見すると分からないが骨だけを砕く乱れ打ちを叩き込む白銀の黒鮫に対して、総介は刹那の瞬間に九回の斬撃
を放って応戦。総介の骨は守られた
※ってか與鷹も交喙も総介も、みんな『刹那の瞬間に九回』ってフレーズ好きだね……
白銀の黒鮫「面白いッ」
 そう叫んで距離を取る白銀の黒鮫。こっちは全然面白くないんだがな……と総介はひとりごち。
白銀の黒鮫「ならば、これはどうだ!龍脈ハリケーン」
 右手の斧剣を突き出しながら突撃を繰り出す白銀の黒鮫
総介「抉蒼紅穿(かっそうこうせん)」
 ズドオオンッ
 対して総介は蒼王の刃(ブルーロード)をドリルのように回転させて白銀の黒鮫を穿つ。
白銀の黒鮫「なっ、何ぃ?!」
 蒼王の刃(ブルーロード)が斧剣と激突、そのまま斧剣を砕きつつ総介は止まらない。
白銀の黒鮫「なめるな!」
 白銀の黒鮫は右手の斧剣を捨てると右脚を一歩後ろへ……同時に力強くその場で踏みしめると同時に左脚を一歩
前に踏み込み、左手の双身斧を蒼王の刃(ブルーロード)に叩き付ける。
白銀の黒鮫「なっ?!」
 しかし、総介の勢いは止められなかった。双身斧も砕くとそのまま白銀の黒鮫とすれ違う。
 そして、少し疾走したのち右脚を思いっきり踏み込み静止をかけ、振り向く総介。
総介(勢いがつくとどうにも止められないな……)

#4
白銀の黒鮫「くっ、おのれ……」
 忌々しげに総介を睨むとまたもや壁に格納してある斧を二本取り出す。
 今度は最初からダブルトマホークだった。
 再び柄尻同士をくっつけるとどうだろう、二度あることは三度あるという。片方のダブルトマホークの刃がぎゅ
るぎゅると繭のように丸まり、一本の長柄戦斧が出来上がった。
 それはまるでゲッター□ボアークのトマホーク(合体版)のようだった。
白銀の黒鮫「さぁ!殺し合いを続けようじゃないか!」
総介「ハァ……」
 狂気の笑みを浮かべながら叫ぶ白銀の黒鮫に総介はそろそろ飽きてきた。
総介「いいだろう、そろそろ終わりにしてやろう……」
桜「警部、まさか……」
総介「山咲(やまざき)、心配いらん」
 桜の危惧。それは総介が神の特刀(デウス・エクス・ブルー)を使う事。
 もともと蒼王の刃(ブルーロード)藍后の刄(ブルーエンプレス)は一本の双身刀だった。それが神の特刀(デウス・エクス・ブルー)。しかし、その刀は人が使うには過ぎた
る力を持つ代物。だから、二本に分割された。
 そして、総介は今、このバカげた死合を終わらせるために二本の刀を一本にくっつける。
総介(クッ、やはり神の特刀(デウス・エクス・ブルー)を使いこなすことは出来ない……か)
 それは鍛錬すればどうのという話ではない。過ぎたる力は身を滅ぼす。故にここからは時間との闘いだ
総介「抉蒼紅穿(かっそうこうせん)」
 ズギャオンンッ
白銀の黒鮫「なん……!?」
 蒼い疾風が駆け抜けたかと思った次の瞬間、壁に格納されていた予備の斧が全て砕かれる
総介「これで、貴様に次はない!」
白銀の黒鮫「ほざけ!次がないのは貴様の方だ!」
 ドドドドドッドガガガガッ
白銀の黒鮫「げはあっ!?」
 しかし、そんな白銀の黒鮫を嘲笑うかのように高速移動とヒット・アンド・アウェイを繰り広げる総介。
 たちまち白銀の黒鮫は全身傷だらけになってしまう
白銀の黒鮫「お、おのれ……いい気になってんじゃねぇぞ!」
 怒りの叫びと共に長柄戦斧を振り回す。その軌跡、総介を両断したかに思えたが違う……それは総介の残像
白銀の黒鮫「馬鹿なっ?!」
総介「そろそろ幕引きと行くぞ」
白銀の黒鮫「それはこちらも同じだ!死ねぃ!龍脈サンダークラッシュ!」
 長柄戦斧がバチバチと帯電しだす。そして、そんな帯電した長柄戦斧を上段から一気に総介に叩き込む
総介「影蒼入滅(えいそうにゅうめつ)」
白銀の黒鮫「な……!?」
 必殺の一撃……を繰り出そうとした次の瞬間、白銀の黒鮫の動きがピタリと止まる。いや、止められる。
白銀の黒鮫「貴様、何……」
 その言葉を最後まで続ける前に、白銀の黒鮫は脳天から斬撃を浴びせられる。
 影蒼入滅(えいそうにゅうめつ)……それは相手を影縛りしたうえで一刀両断するという必殺の剣だ!

総介「ハァ……ハァ……」
桜「警部!」
 勝負が決まった……次の瞬間、ぐらりと倒れかける総介に駆け寄る桜
総介「し、心配はいらん!」
 それよりも、今は先を……


続

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