Eighter -Midnight Howling-
23rder 〜とある封廟の禁蒼 C〜
#5
銀鯱(四天王との激突
あろえや與鷹(が死合っている最中、話は交喙(VS猛火の黄鮫へ……
猛火の黄鮫「どうした?かかってこないのか?」
元人交喙(「あ?」
明らかに挑発。だが、ここはあえて乗ろう!
交喙(「紅薙破(」
金匙玉楊(を横に薙ぎ払い赤い旋風の刃を飛ばす交喙(
猛火の黄鮫「龍脈スラッシュ」
ズダンッ
猛火の黄鮫も斬り降ろしと同時に剣閃を放ち、迫る赤い刃を迎え撃つ。
交喙(「……」
これくらいの芸当はやってのけるか……と言った感じの交喙(
猛火の黄鮫「フッ、貴様の技もたいしたことはないな……」
なんだ、こいつ、なんでこんなに優越感に浸ってられるんだ?
自分の力量や相手の力量も図れない馬鹿なのか……と思った交喙(はこの死合、早々にケリがつくと考え始めてい
た。
猛火の黄鮫「だが、獅子は兎一匹殺すのに全力を使うという。オーバーキルになるが、許せよ」
獅子欺かざるの力というやつだ。しかしまぁ、よく考えてみると兎のために全力解放して、その後新たなる敵が
やってきたらどうするのか……兎には兎を確実に殺せるだけの全力で向かうというのが正しい獅子欺かざるの力と
いうのではなかろうか……?
※あれ?それってどっかで聞いたことがある言い回し……
猛火の黄鮫「ハッ龍脈ハーケンクロイツ!」
ドドンッ
十文字ならぬ、卍文字にカトラスを振るうと同時に卍文字の剣閃を放つ猛火の黄鮫
なんというか無駄の多い斬撃というか、ハーケンクロイツならば逆さ卍じゃないのか?とか突っ込みどころ満載
である。
交喙(「紅岐断(」
ドンッ
しかし、喰らえばひとたまりもないのは事実。交喙(は金匙玉楊(を上段から一気に地面に叩き付けると同時に大地
を裂き、衝撃波で相殺。
猛火の黄鮫「龍脈アーマーピアシング」
間髪入れずに突撃を繰り出しそのままカトラスを突き出す猛火の黄鮫
交喙(「おおっ!紅抉刺(ッ!」
交喙(も金匙玉楊(で刺突刳り。
激突するカトラスと金匙玉楊(
交喙(「こ、これは!?」
交喙(、競り負ける。それは油断した結果。と、いうわけで交喙(は過小評価したことをすぐさま撤回する。
交喙((巫山戯(ているようだが、強い……これが龍脈の力ってことか?)
ここは一旦退いて体制を立て直す。跳び退いて距離を置く交喙(。だが、しかし、猛火の黄鮫は体制を立て直す暇
を与えてはくれない
猛火の黄鮫「龍脈アーマーピアシング」
ズガンッ
さらに飛び込んで、交喙(に刺突を繰り出す猛火の黄鮫
#6
交喙(「ちいいっ……」
どうにか金匙玉楊(を盾替わりにカトラスの一撃を受け止める交喙(。
猛火の黄鮫「まだまだ行くぞ!はあああっ龍脈ホローポイント」
ガガガガガガガガッ
更に刺突の乱れ打ち。突いて、突いて、突きまくる猛火の黄鮫
交喙((やべぇ……一撃一撃が重い……)
猛火の黄鮫「ハッハァ〜」
最後の一突きと共に吹き飛ばされる交喙(。
持ちこたえることができたのは偏(に武器の性能差である。ただのカトラスで神器を砕くことはまず不可能……。
同じランクの武器同士ならば結果は違っていた。
猛火の黄鮫「どうだ?」
カトラスを突きつけ、ドヤ顔の猛火の黄鮫。
猛火の黄鮫「貴様、最初俺のことを格下だと考えただろう?」
いや、格下というか、読めなかったんだが……と交喙(が思っていると猛火の黄鮫はさらに続ける
猛火の黄鮫「そう、それこそが貴様が我が術中にはまっている証拠よ!俺はあえて相手に自分が格下であるように
見せかけ、油断している内にぶっ殺す!」
いや、それベラベラ喋っていい事じゃないし。まだ勝負はついてないし。
猛火の黄鮫「だが、勘違いするなよ……俺は確かにそれを繰り返し四天王にまで上り詰めたが、それだけが俺の取
柄じゃねぇ……実際問題俺は強いからこそ四天王の一人なんだよ!」
どうでもいい情報だった。
猛火の黄鮫「さて、貴様の底も知れたところで、死んでもらおうか」
交喙(「俺の底が知れただって?」
猛火の黄鮫「ああ、貴様は弱い……」
その力、運の女神に劣ると言い放つ猛火の黄鮫
交喙(「……」
いや、そりゃそうでしょうよ。だってかんなには異世界の破壊神、茜瑙哭(が力を貸しているのだから。
神の力を振るえる人間とそうでない人間を比べるのは根本的に間違っている。
しかし、ここまでは正しかったのだが、猛火の黄鮫は次に続ける言葉を間違えた……
猛火の黄鮫「更に貴様はSRAPにも劣る」
交喙(「何だとッ!」
確かに、総介も異世界の神、鬥址偶襾(の力を振るえる人間である。だから、神の力を振るえない交喙(が劣るのは
事実である。
だが、しかし、交喙(に対して総介に劣るなどという文句は絶対に言ってはならない禁句だった。
交喙(は総介を憎んでいた。そして、二人の間の蟠(りは解けたことは解けたが、それでも完全に無くなったわけで
はない。
交喙(「誰が、誰に劣っているか……貴様にわからせてやる!」
交喙(の逆鱗に触れた猛火の黄鮫に、未来は……たぶん無い、きっと無い……
続
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