Eighter -Midnight Howling-
23rder 〜とある封廟の禁蒼フォビドゥンブルー B〜



#3
 激突!銀鯱(ぎんしゃち)四天王。與鷹(よたか)VS漆黒の空鮫は、與鷹(よたか)が苦戦している……?
漆黒の空鮫「魔狼幻惑……双狼拳の技の一つで分身による一斉攻撃……情報通りだな」
梓與鷹(よたか)「なっ情報通りだと?」
 どこからその情報を仕入れたのか?
 ともかくとして、奴が双狼拳を知っているのは事前に情報を得ているからだと悟る與鷹(よたか)
與鷹(よたか)「どこから双狼拳の情報を?」
 双狼拳を知る人間は少ない……それはつまり、情報を知る者も少ないというわけだ。だからこそ、こいつがどこ
から双狼拳の知識を手に入れたのか……それが気がかりだった。
漆黒の空鮫「貴様が知る必要はない!なぜなら貴様はここで死ぬからだ!はあっ!龍脈スプラッシュ!」
 ドドドドドドッ
與鷹(よたか)「クッ」
 エネルギー波で手あたり次第攻撃しだす漆黒の空鮫
漆黒の空鮫「どうした?双狼拳の奥義を尽くせ!」
 すべて返り討ちにしてやるがな……と漆黒の空鮫。
 これは明らかに誘いではあるが……
漆黒の空鮫「まず一つ……見せてもらおうか!龍脈ミラージュ!」
與鷹(よたか)「これは……」
 叫ぶと同時に漆黒の空鮫が分身する。
 そのまま前後左右八方向プラス上空から一気に與鷹(よたか)を襲う
與鷹(よたか)聖狼躱虚(しょうろうたうろ)!」
 もはや回避する事能わず……されど双狼拳奥義が一つならば、回避は可能。
 流れる水の如く、優雅なステップで八方向プラス上空から迫る漆黒の空鮫を回避すると同時にすれ違いざまに強
烈なカウンターをくらわす。
 双狼拳奥義・聖狼躱虚(しょうろうたうろ)はいわば後の先の究極型。迫る全ての攻撃を回避し、反撃を繰り出すことが可能なのだ。
漆黒の空鮫「ハッ!龍脈スプラッシュ」
 ドドドドッ
與鷹(よたか)「なっ?」
 反撃の反撃、これには與鷹(よたか)も驚愕す。
 カウンターに対するカウンター……しかし、双狼拳がその点を考慮できていないわけがない。
漆黒の空鮫「貴様のその奥義、無限に発動できるわけではあるまい!それがその奥義の欠点よ!」
與鷹(よたか)「そんな無茶苦茶な」
 確かに、無限に攻撃を繰り出されれば、聖狼躱虚(しょうろうたうろ)でも対応できない。しかし、現実問題として無限に攻撃し続け
られるヤツなどいない。そんなものを考慮する必要がない。
 そもそも、相手の攻撃を全て回避しきってカウンターを叩き込み、更に少しの間反撃を封じ込める。聖狼躱虚(しょうろうたうろ)は
元来そんな二段構えの攻撃である。
 それを漆黒の空鮫は破った。反撃に軋む体を無理やり動かし、與鷹(よたか)の盲点を突いたのだ。
 そんなこと、普通の人間が行える動作ではない。

#4
與鷹(よたか)(厄介な……というか、異常だな……)
 龍脈エネルギーってのは麻薬かなんかみたいなものなのか?だとしたら尚更早いところ止めないと……と與鷹(よたか)は
考える
與鷹(よたか)「攻撃は最大の防御……か」
漆黒の空鮫「フッ、来るか……」
 ニヤリと余裕の笑みを浮かべる漆黒の空鮫の間合いを一気に侵食し至近距離から拳を放つ
與鷹(よたか)「うおおっ!神狼九断(しんろうくだん)!」
 ドドドドドドドドドッ
 相手に反撃の隙を与える暇もなく繰り出される九回の拳撃。
與鷹(よたか)「なっ……んだと?」
神狼九断(しんろうくだん)「フッ、その奥義、破れたり!」
 與鷹(よたか)の拳と漆黒の空鮫の拳とが激突する。
 信じられない事だが、刹那の瞬間に繰り出される九回の拳撃に合わせて漆黒の空鮫も九回の拳撃を打ち出して相
殺してみせたのだ。
漆黒の空鮫「トロイ、トロイぞ……双狼拳など、龍脈エネルギーの前では塵芥よ!」
 そもそも狼如きでドラゴンに歯向かうのは無謀の極み!などと一笑する漆黒の空鮫。
※いや、龍脈とドラゴンは違うでしょ
漆黒の空鮫「砕け散れ!龍脈シックストータル」
 ズドゴッ
 ズシンっとその場で重く踏み込むと同時に肘鉄を繰り出す漆黒の空鮫
與鷹(よたか)「ぐはあっ」
 ガードする暇もなく直撃を喰らった與鷹(よたか)は派手に吹き飛び壁に激突する。
漆黒の空鮫「フッ、これぞ、東奔・西走・天上からなる内三合と、南船・北馬・地下からなる外三合を組み合わせ
たわが龍脈拳必殺の奥義!」
 いや、六合ってのはそうじゃねぇだろ……とくらくらしながらも心の中で突っ込む與鷹(よたか)。
 なお、東西南北に上下を加えたものを六合と言い、『心と意・意と気・気と力』からなる内三合と『手と足・肘
と膝・肩と股』からなる外三合を合わせたものも六合という。
 漆黒の空鮫はこの二つをごちゃまぜにして誤用しているというわけだ。
與鷹(よたか)「くそっ……いい一撃食らいすぎた……」
 クリティカルな一撃を喰らったせいか足がガクガクする。
與鷹(よたか)(……くっ、どの道、長期戦は無理そうだ……ならば、この一撃に全身全霊をかけて貫くのみ!)
 覚悟を決めた與鷹(よたか)は拳を握りしめ、漆黒の空鮫を睨み付ける。
漆黒の空鮫「来い!それが双狼拳最期の瞬間よ!」
與鷹(よたか)穹狼極樹(きゅうろうきょくじゅ)」
 ドンッ
 一足飛びに漆黒の空鮫の懐に忍び込むとまずはアッパーで漆黒の空鮫を上空へ吹き飛ばす。
 更に跳躍して漆黒の空鮫を追い越すと今度は重力を味方につけた肘鉄をくらわす
漆黒の空鮫「アガアアアッ」
 そして地面に激突する漆黒の空鮫。ここに勝負はついた
漆黒の空鮫「こ、こんな奥義……聞いちゃいねぇ……」
 ガクリ
與鷹(よたか)「……」
 本当に誰から双狼拳の情報を入手したのか、それだけが疑問だ……


続

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