Eighter -Midnight Howling-
22nder 〜とある封廟の禁断フォビドゥン B〜



#3
 龍脈エネルギーの悪用を阻止するために海軍戦略研究所に乗り込んだEighter一行。しかし、この地の龍脈エネ
ルギーが50%を切ったところで突如として地震が巻き起こり一行は地下へと分断され落下するのであった。
 與鷹(よたか)、あろえが死合っていること、交喙(いすか)はというと……
元人交喙(いすか)「あいてて……くっそ、何だってんだ……」
 與鷹(よたか)と同じように暫く気を失っていた交喙(いすか)だったが、目を覚ますと同時に軽くジャンプして立ち上がり、腕をぐ
るぐるとぶん回して四肢に異常がないことを確認する。
交喙(いすか)「さてと、どうすっか……」
*「悩んでいるようですね……では死ぬことをお勧めしますよ?」
交喙(いすか)「何だと?」
 そのとき、背後から声が、振り向くと一人の漢がこちらに向かってやってきていた。
交喙(いすか)「誰だよ、貴様」
*「フッ、俺は銀鯱(ぎんしゃち)四天王が一人、猛火の黄鮫」
交喙(いすか)「四天王だと?」
猛火の黄鮫「ああ、貴様に死を告げる者だ!」
 そういって猛火の黄鮫は海賊がよく使う剣でおなじみカトラスをスラっと抜き放つ
交喙(いすか)「ケッ、モウカのキザメだからレモンフィッシュだか知らねぇがぶっ斃す!」
※レモンフィッシュってのはモウカザメっていう鮫の英名です。ちなみに、食べられます。
交喙(いすか)「ハッ」
 まずは小手調べとばかりに金匙玉楊(きんしぎょくよう)を打ち下ろす交喙(いすか)
猛火の黄鮫「龍脈剣!」
 ガッ
 上段から振り下ろされた金匙玉楊(きんしぎょくよう)をカウンター気味にカトラスで受け止めて見せる猛火の黄鮫。
猛火の黄鮫「貴様の力はこの程度か?」
交喙(いすか)(……)
 言うだけのことはありそうだ。重力を味方につけた打ち下ろしを切り上げ気味の斬撃で受けて止めるなどと……
しかし、一方で交喙(いすか)はこうも考えていた
交喙(いすか)(今のは龍脈エネルギーとやらを使った一撃だってのか……それとも、ヤツ自身の力なのか……)
 もし、今のが龍脈エネルギーを使った結果だというのならば、たいしたことはない。
 なぜならば、交喙(いすか)はまだ技の一つも使っていない。こんなものは棒術の基本の一動作だ。そんなものに対して龍
脈エネルギーを使って漸く互角に渡り合えるのであれば、この四天王はザコでしかない。
 だが、もしも、まだ龍脈エネルギーを使っていないのならばこの勝負、どう動くか予測できない。
交喙(いすか)「チッ、ウダウダと考えるのは俺の性にあわねぇからな……聞きたいことは金匙玉楊(コレ)で聞く!」
猛火の黄鮫「ハッ、俺がそう簡単に答えるわきゃねぇだろうが!」
 ガギンッ
 打ち合いながらそう啖呵を切る猛火の黄鮫。
 いや、何も会話であれこれ聞きだすってわけじゃなくて、拳(いや、櫂と剣だけど……)を合わせて察知するっ
てことなんで……

#4
 一方、総介、桜はというと……
山咲(やまざき)桜「警部、警部、大丈夫ですか?」
(かみ)総介「……ん、うむ……」
 しばらく気絶していた総介を桜が心配そうにのぞき込む。闇の中で赤く輝く桜の目は怪しい輝きを持っていた。
総介「どれくらい俺は気を失っていた」
桜「1分にも満たないかと……」
総介「……そうか」
 とりあえず起き上がる総介。そのままCPMGで現状を把握
総介「どうやらまた龍脈エネルギーの減少は緩やかになったようだが……」
桜「のんびりしている場合ではありませんね」
総介「……ああ、そうだな」
 そう呟くと首だけを動かし、通路の奥を睨み付ける
*「フッ、よくぞ俺がいることを見抜いた!」
総介「……」
 CPMGで現状把握した際に近くに敵がいることも分かったんで……とは言わない総介。
 もっともCPMGに頼るまでもなく人の気配は察知できていたのだが……
*「俺は銀鯱(ぎんしゃち)四天王が一人、白銀の黒鮫」
 白なのか黒なのかイマイチよくわからない通り名だった。
総介「俺達は貴様らの相手をしている程暇ではないんだがな……」
白銀の黒鮫「龍脈エネルギーの軍事利用……その実験のためには無理な相談だな」
総介「やれやれ……」
 仕方ないといった仕草で総介は蒼王の刃(ブルーロード)を抜く
白銀の黒鮫「貴様のその巫山戯(ふざけ)た態度、後悔させてやるわ!」
 ダッと一足飛びにかかり、腰に下げていた斧を手に取り一気に襲い掛かる白銀の黒鮫
白銀の黒鮫「シャアアアアッ」
総介「……」
 ドカアアッ
 まともにぶつかってはひとたまりもない。しかし、総介は優雅にも迫る斧をサラリと(かわ)してすれ違う
白銀の黒鮫「うっ」
 それだけではない。すれ違いざまにカウンターとして斬撃を叩き込んでいた
 ガキインッ
白銀の黒鮫「ふぅ、危ねぇ……」
 だが、白銀の黒鮫は左手でもう一本斧を手に取り、迫る総介の刃を受け止める。
白銀の黒鮫「やるなぁ……貴様は龍脈刃を使うに足る相手の様だ」
 ニヤリと笑みをこぼす白銀の黒鮫
総介「出来れば使わせる前にケリをつけたかったんだがな……」
 これ以上龍脈エネルギーを使わせる前に……
 と、それだったら最初の一撃に全力を込めて一蹴すればよかったのではないか?って疑問が出てきますがそこは
考えちゃダメです。
 と、ともかく、交喙(いすか)、総介らも銀鯱(ぎんしゃち)四天王と死合うことに、果たして勝負の行方は……


続

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