Eighter -Midnight Howling-
20ther 〜盗まれしは腕時計 D〜



#7
 盗まれたものは龍脈から無制限にエネルギーを吸い取るシステム、ドラゴンクロニクル
 それを悪用するのは自衛隊海軍の過激派として恐れられる銀鯱(ぎんしゃち)だった。早速一行は彼らの拠点の一つ、海軍戦略
研究所へと足を運ぶ。
*「貴様らが査察官などというのは真っ赤なウソだな?」
 グシャリと書類を握りつぶす漢。
梓與鷹(よたか)「なっ」
 なぜそれを?と言いかける與鷹(よたか)を総介が手で口を押えて止める。
山咲(やまざき)桜「どうしてそう思われますか?」
*「なんせ、タレコミがあったからなぁ……今日、ここに国の査察官を語る愚かな連中が俺達の野望を邪魔しに来
るってな」
白拍子かんな「タレコミ……ですか?」
與鷹(よたか)(ってか、自衛隊にタレコミするような奴がいるのかよ)
 関心と驚愕。二つの感情が與鷹(よたか)の中で渦巻く。
*「帰ってもらおうか……(むし)ろ無になぁ!」
 ドカッ
 だが、しかし、襲い来る漢は総介の一撃でその場に沈むのであった。
(かみ)総介「チッ、どうやら少しばかり厄介なことになりそうだな……」
 それ、本当に少しばかりなのか?って思う一行。総介の言う少しばかりはあてにならない……
※あくまで個人的な意見です。
百鬼あろえ「ってかさ、これ、明らかのあの依頼人二人にハメられたんじゃないの?」
 後ろから……とぼそりと続けるあろえだが、今はそんなアホなセリフに突っ込んでいる場合でもない。
かんな「いえ、その点は大丈夫ですよ」
 しかし、かんながそう言い切るのならば、あの二人が自衛隊海軍と繋がっていないのは明白。
 で、あれば一体誰がこのことを彼らに知らせたのか?
 国防省……それもあり得ない。彼らは銀鯱(ぎんしゃち)に頭を抱えている存在……だからこそ、潰してほしいとは思っていて
もこちらの計画を邪魔しようなどと思わないはずだ……
総介「あれこれ考えるのは後だ……いつまでもここにいてはいらん騒動になる」
與鷹(よたか)「あ、ああ……それもそうだな……」
 既に一人ぶっ斃しているわけだからグズグズしていたら応援がやってきてしまう。
 とりあえず一行は研究所の中へと駆け込むのであった。

與鷹(よたか)「さて、これからだが、どうする?」
総介「フッ、そんな事、わかっているんだろ?」
 奥まで突き進んで計画と銀鯱(ぎんしゃち)をぶっ潰す。
一同「……」
 いやいやそんな大雑把な計画じゃなくて……と心の仲で突っ込む一行。
桜「まぁ、情報収集は……最悪かんなに任せればいいわけですし」
 それに、奴らは既に龍脈からエネルギーを取り出すドラゴンクロニクルを稼働させているわけだから、早くそれ
を止めないと大変なことになってしまうのでは?という桜の意見は最もである。

#8
総介「まぁ、既に囲まれてしまっているわけだが……」
*「ほぉう、気づいていたか……」
 そして、ゾロゾロと銀鯱(ぎんしゃち)のメンバーがやってくる。
與鷹(よたか)「まぁ、そんな殺気タレ流しじゃ、気づかないのはどんな鈍感だよってなるけどな……」
*「ならば死んでもらおうか!」
総介「そこをどけ、貴様らにかまっている暇はないんだよッ、こっちは!」
*「退けだと!?俺達の辞書にそんな言葉は無いわッ!」
 そう叫ぶと同時に一斉に襲い掛かる銀鯱(ぎんしゃち)メンバー
 それにしても、さっきのは一体どういうことなのか……まぁ、アレか……戦場で逃げるのは士道不覚悟という新
選組の言葉があるのだが、それと似たようなものなのだろう。
総介「全く、つくづくメンドウな連中だ……」
與鷹(よたか)「まったくだぜ……」
 襲い掛かる連中をアッサリとぶっ斃す二人。やられる瞬間すら省略されるということは、つまり、今襲い掛かっ
てきた連中はザコにすぎないってことだ。
與鷹(よたか)「お、あんなところにエレベーターがある」
あろえ「行先の階はどこにしますか?」
一同「……」
 突如そんなことを言い出すあろえに、一行は固まる。
あろえ「……」
 なんかものすごく恥ずかしくあったあろえは黙るしかないのであった。
かんな「ちなみに、それはエレベーターガール」
あろえ「いや、待って、解説しなくていいから!余計に恥ずかしくなるから!」
 先ほどの與鷹(よたか)の『エレベーターがある』ってのに対しての一発ギャグだったというわけだ
桜「まぁ、場は和みましたね」
 いや、絶対和んでないから!とあろえ
総介「馬鹿なことをやっている場合ではないぞ」
 総介の一喝にはい、すいません……とあろえ。
 ま、それはおいといてだ、エレベーターがあるのにも関わらず一行はそれを使わず階段で地下へと進む。
 なぜエレベーターを使わないのか……それは……
桜「エレベーターにワナが仕込まれていると考えるのは、まぁ、定番ですよね?」
 他にも銀鯱(ぎんしゃち)のメンバーしか使えないような仕組みが施されているかもしれない。
 そんなものにかかわっている場合ではないので、一行は階段を使って先へ進むことにしたのだった
※ってか、かんなの運があればそんなもの一発でクリアできるのではないかって?いや、それはそうかもしれない
 けども……
総介「チッ、また団体さんのお出ましか……」

#9
 ウンザリするのは何も総介だけではない。與鷹(よたか)だって同じだ。
 と、そんなとき、チンッとまるで電子レンジで温めたものが終わったかのような音が鳴るとエレベーターのドア
が開き、先ほど上の階で斃してきたはずの銀鯱(ぎんしゃち)のメンバーもやってくる
※ってかそこは普通にエレベーターでいいんじゃないのか?なぜ態々電子レンジで例えなおしたのか……それは謎
 に包まれております。
與鷹(よたか)「嘘だろ?」
あろえ「手加減しすぎたんじゃないの?」
與鷹(よたか)「そんなことは……ないが……」
 言葉尻が弱くなるのはちょっとは手抜きして軽くあしらったからではある。
総介「おしゃべりはあとだ、今はここを突破して下へ……」
與鷹(よたか)「あ、ああ……」
 俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!
 って、ちょっと、これじゃ今まで応援ありがとうございました。次回作に期待してくださいっていう打ち切りエ
ンドに見えるよ……


END

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