Eighter -Midnight Howling-
19ther 〜啓蒙する常世の神 A〜



#0
 普天間基地跡地に眠るは、災厄を封印したる首裏城
 そんな災厄を手に、琉球から覇権を握ろうとした組織、ノイエ・レキオは災厄を封じる番人の前に散る
 そして、総介らがこの災厄を断ちきらんと挑むのだが……やはり、番人の前に屈するのであった。と、言うわけ
で満を持してかんなが挑むのだが……

#1
トモナミ「勝敗は決した……立ち去れ……」
白拍子かんな「いえ、勝負はまだ、ここからですよ」
 カッ
ライタ「何?」
 ここでようや茜瑙哭セドナ覚醒するかんな
ライタ「なっ、お前は……」
かんな「はっ」
ライタ「ぐおおっ」
 無造作に神滅超越者ラグナロクエクセルを振り払うことで突撃してきたライタを弾き飛ばすかんな
トモナミ「そんな馬鹿な……妾のライタが……」
かんな「これでお終いにしましょう」
 ズダンッ
 神滅超越者ラグナロクエクセルの刃を五尺まで伸ばすとそのままライタ目掛けて横薙ぎを放つかんな
ライタ「ハッ」
 しかし、軽々と回避……そして、背後の壁に亀裂が走る
ライタ「どんなカラクリを使ったかは知らんが……まさか、俺の最大奥義に耐えるとは……」
トモナミ「だが、お前たちには勝ち目はない」
かみ総介「フッ、どうかな……」
 ニヤリと笑みを浮かべ、総介が立ち上がる
梓與鷹よたか「総?」
ライタ「負け惜しみを……」
総介「そう思うならば、後ろを見てみろ」
ライタ「その手には乗らんぞ……」
 大かた後ろを向いたすきに一斉に襲いかかってくるつもりだろうとライタ
元人交喙いすか(ちっ……流石に)
※なお、ライタが後ろを向いた瞬間に飛びかかろうとしていたのは交喙いすかのみで、他は特に何もしない……いや、何
 もせずともいいと思っていました
かんな「そんな醜い真似をしてまで勝ちたいとは思わん……」
トモナミ「なっ、これは……そんな馬鹿な……」
 そして、ライタの代わりに後ろを向いたトモナミが驚愕の声を上げる
ライタ「……何……え?」
 流石に姉の驚きには反応して後ろを振り向くライタ……
 そして、その後ろには……
 先ほどかんなが放った斬撃で真一文字に傷のついたカオサイトγの壁があった
交喙いすか「お、おいおい、そんなに驚くことか?」
 いや、まぁ確かに女の手によって放たれたあの一撃は凄まじいものがあったが……と交喙いすか
山咲やまざき桜「はぁ……先ほどの床の修復を見て、今の壁の傷を見て何か想うことはありませんか?」
交喙いすか「……ぐっ……なんか、その姿でため息つかれると精神的に辛い……」
 山咲やまざき桜は山嵜昨羅やまざき・さくらとは全くの別人であるとはいえ、容姿は瓜ふたつ……
 そして、そんな彼女を愛していた交喙いすかはまるで彼女に失望されたが如くショックを受けるのであった

#2
トモナミ「まさか、オーバーロードした?……いや、でも……」
 ニライカナイ(レプリカ)の性能限界が来たとでもいうのか?……だが、しかし、それならばもっと派手にこの
空間が砕け散るはず……とトモナミが愕然としていると……
かんな「消滅していない存在情報しか、復元ができないんですよ」
トモナミ「……」
ライタ「馬鹿な……」
 冷や汗が止まらないライタ
トモナミ「有り得ない……消滅させただと?……そんなことは……有り得ない」
かんな「これ以上続けるのなら……貴方達を消滅させて止めるしか手はありません」
 ビっと神滅超越者ラグナロクエクセルを突きつけてかんなが哀しげな表情で告げる
ライタ「……いいだろう……たとえ、我が身が消滅しようとも、お前は俺が」
 ゴチンッ
ライタ「痛いっ……」
 死を覚悟して格好良く啖呵を切ろうとしたら背後からトモナミに殴られるライタ
トモナミ「お前は馬鹿か……当初の目的を忘れるな!」
 それに……となんだか妙に頬をあからめてもじもじしだすトモナミであった
 ……この二人もしかしてデキてるのか?
 まぁ、今はともかく、昔は近親婚とか結構あったし、日本神話でも近親婚が結構出てくるからなぁ……
トモナミ「……いいだろう……お前たちならば、あるいは……この地に封印し続けてきた災厄を撃ち滅ぼせるやも
しれん」
ライタ「なっ、そんな……」
 そのままトモナミは自分が、そして、弟が眠っていた台座をスライドする
 すると、そこにはカオスプレートが一枚はまりそうな窪みが出現する
総介「さてと、随分と遠回りをしたが、ここからが本番だ……」
舜地しゅんち真博、黨野寧熏とうの・ねくす「フハハハハッ!俺達はこの瞬間を待っていたのだ!」
 バッ
與鷹よたか「何?」
 と、その次の瞬間、ライタに意識を刈り取られていたはずの二人が立ち上がると一足飛びに台座の窪みへと距離
を詰める
ライタ「貴様ら……」
真博「なんとでも言うがいい……」
寧熏ねくす「だが、これも全ては作戦の内だったのだ……」
トモナミ「やめなさい!」
真博、寧熏ねくす「遅いわぁ!」
 カカアアッ
 トモナミの制止も聞かず、二人は彼らに代々伝わってきたこの災厄の封印を解除するカオスプレートを台座の窪
みへと嵌めこむ
真博、寧熏ねくす「フッ……フフフ……ついに、遂に我らの大願が叶……」
 バシュッ
 しかし、二人がそれを最後まで言うことは出来なかった……
 突如として黒い光が走り、二人は今度は命を刈り取られることになったのだ……
 ついでに言うならば、先ほどトモナミが制止した相手はこの二人ではない、ライタだ……
 かんならならば、この地に封じてきた災厄を退けられると確信しての言動だったのだ……
與鷹よたか「く……来るぞ……」
 かくて、災厄は黄泉帰る


続

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