Eighter -Midnight Howling-
18ther 〜琉球裏王家の遺産 B〜



#3
 歴史の表舞台には登場しない第零代琉球王の遺産を狙う者と、それを阻む者……
 ノイエ・レキオは事実上壊滅に近いが、まだ、首魁の二人は残っている
ライタ「去れ!」
舜地しゅんち真博「戯言を……」
黨野寧熏とうの・ねくす「貴様こそ、この世を去るがいいわ!」
 力の差は歴然……だが、しかし、ここで退くわけにもいかない
 故に真博と寧熏ねくすは臨戦態勢をとっていた
真博、寧熏ねくす「貴様には琉球裏王家に伝わる秘技を見せてやるわ!」
 叫ぶと同時に距離を取る真博と寧熏ねくす
真博「喰らえッ!」
寧熏ねくす「琉球裏王家奥義ッ」
 サカカカカカカッ
 そして、高速でライタの周りを走る二人
元人交喙いすか「速いな……」
梓與鷹よたか「ああ……」
 與鷹よたから三人にしてみればノイエ・レキオの連中は世紀末のモヒカンに等しい存在
 だが、そんな中でも真博と寧熏ねくすの二人は交喙いすかを唸らせるるスピードで動いていたのだから驚くのも無理はない
ライタ「……遅い」
 だが、その次の瞬間、真博、寧熏ねくすの意識はライタによって刈り取られた
※二人の琉球裏王家に伝わる奥義ってどんなのだったんでしょうか?私、気になります
かみ総介「ほぉ……」
與鷹よたか交喙いすか「なっ、馬鹿なッ!」
 やはり、世紀末のモヒカンはどこまでいってもモヒカン……なのだが、それ以上にライタの動きが見えなかった
事に驚きを隠せない
 それはともかく、ノイエ・レキオはこれにて壊滅。
 ライタは悠々自適に姉のトモナミの元へ行くと着ていた服を脱いでかぶせてあげるのだが
 それをそんな弟をベチっと叩く姉
與鷹よたか「お、おい、この流れってもしかして……」
交喙いすか「いや、もしかしなくとも……」
 そのまま殺気のこもったライタの視線が與鷹よたからに突き刺さる
山咲やまざき桜「ま、待ってください……話を聞いてください」
ライタ「断……」
 問答無用なライタ……が、しかし、そんなライタの後頭部をコツンと叩くトモナミ
トモナミ「……言うてみよ」
桜「私達は貴方達が封印してきた負の遺産を解き放つためにここに来たわけではありません」
総介「むしろ、悪用されぬように破壊するために来た」
ライタ「……馬鹿馬鹿しい……」
交喙いすか「何だと?」
トモナミ「簡単に破壊できるものならば、妾が未来永劫封印すると思うわけがなかろうに」
 ソレが破壊出来ないからこそ、こうして首裏城なる結界を造って厳重に封印してきたのだ
 それをあっさりと壊してくれたお前たちには相応の報いが必要だ……とライタ
白拍子かんな「では……」
総介「待て……」
 貴方を圧倒すれば認めてくれますか?とかんなが言いかけたところに総介が先に動く

#4
総介「怪我じゃ済まないかもしれんが、謝らんぞ」
 そう言って蒼王の刃ブルーロード藍后の刄ブルーエンプレスを構える総介
與鷹よたか「お、おい、総……」
交喙いすか「いや、どのみちこうなるのは必定だってことだ……」
 交喙いすかも覚悟を決め、金匙玉楊きんしぎょくようを構える
與鷹よたか「あぁ、もう、なんでことを穏便に運べないんだ……」
 そんな與鷹よたかのぼやきが合図で総介と交喙いすかは一気に間合いを詰める
総介「抉蒼紅穿かっそうこうせんッ」
 蒼王の刃ブルーロードをドリルのように回転させライタを穿ちにかかる総介
交喙いすか衝錐紅嘴しょうすいくしッ」
 金匙玉楊きんしぎょくようを両手で構えつつライタに突進し、刳りにかかる交喙いすか
ライタ「温い……」
 ガカッ
 アルティマイトで出来た服の袖で掌を覆い迫る刃と櫂を受けるライタ
與鷹よたか「はっ!神狼九断しんろうくだん」
 ドガガガガガガガガガッ
 出遅れた與鷹よたかは、出遅れたなりにチャンスを窺い、刹那の瞬間に九回の拳打を浴びせる
ライタ「その程度か……」
與鷹よたか「なっ」
交喙いすか「嘘だろ?」
総介「チッ」
 そして、次の瞬間、襲いかかるライタ……だが、しかしそれを読んでいた三人はすぐさま距離をとって攻撃を回
避する
ライタ「少しは出来るか……」
交喙いすか「クッ……少しと来たもんだ」
総介「どうやら三人バラバラで攻撃しても奴には通じないようだな」
與鷹よたか「総、いや、あのな……」
 勝手に突っ込んでいったのはそっちだろうに……と呆れて物も言えない與鷹よたか
ライタ「三人で同時に攻めれば、俺を斃せるとでも?」
交喙いすか「嫌な余裕じゃねぇか……」
 だったら、見せてやるよ、俺達のパワーをな!と交喙いすかがまず気合一発
與鷹よたか「おい、交喙いすか」
総介「フッ、こうなったら、とことんまでいくしかないようだな」
 続いて総介も気合を高める
與鷹よたか「仕方ないか……」
 と、言うわけで與鷹よたかも覚悟を決める
交喙いすか「ぐおぉおおおおおッ」
ライタ「これは……」
與鷹よたか交喙いすか、総介「ハッ!s滅光きょうめっこうッ」
 ガカアアアッ
三人が光に包まれたかと思うと、次の瞬間、ライタに激突する
ライタ「ぐはあっ」
トモナミ「ほう?」
 派手に吹き飛ばされ、奥の壁に激突するライタ
交喙いすか「どうよ!」
 グっと拳を握りしめ、勝利のポーズ
ライタ「お前たちは強い……だが、まだ足りない」
 ドドドッ
交喙いすか「うがっ」
與鷹よたか、総介「なっ?」
 気がつけば、ライタが三人の背後に立っていた
 いや、立っていたわけではない……瞬時にそこまで移動し、三人に当て身を喰らわせたのだ
桜「まさか、これほどとは……」
総介「止せ!山咲やまざきッ!」
桜「で、ですが……」
 一足飛びにかかる山咲やまざきを制止する総介
 そして、かんなが前に出る
 真打ち、登場と言うわけだ


続

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