Eighter -Midnight Howling-
18ther 〜琉球裏王家の遺産 A〜



#0
 普天間基地跡地……そこは歴史の表舞台には登場しない第零代琉球王の遺産が眠る場所、首裏城
 そして、そんな遺産を悪用せんとするのがノイレ・レキオ
 果たして、一行はノイエ・レキオの野望を砕くことができるのか?

#1
*「とっ……黨野とうの代表……」
 與鷹あんな奴らはおいといて、遺産の正体を知りたがるノイエ・レキオの隊員
舜地しゅんち真博「そうせかさずとも……教えてやる」
黨野寧熏とうの・ねくす「ああ、貴様らにも冥土の土産に教えてやろう」
かみ総介「フッ、結構だ……」
梓與鷹よたか「おい、総……」
 まぁ、確かにこちらには運の女神こと、かんながいるわけで、別にノイエ・レキオに教えてもらわなくても遺産
が何なのか知ることは出来るんですけど
 折角敵が教えてくれるんですから、聞いておきましょうよ
*「琉球の派遣を握るため……愚かな……」
*「なっ、何だ?」
 突如として聞こえてくる声に思わずノイエ・レキオの連中は辺りを見渡す
寧熏ねくす「目覚めたか……トモナミ」
 声の主は、眠っていた第零代琉球王、トモナミであった
トモナミ「妾は……未来永劫アレを封印するためにここに居たというのに……」
 そのためにニライカナイ(レプリカ)までもを使ったというのに……
寧熏ねくす「さぁ、かつての琉球の王よ、今こそ我らにその遺産を引き渡せ!」
トモナミ「お前たちか……この愚か者どもをここへ導いたのは……」
 寧熏ねくすのことなど軽く無視して、トモナミは與鷹よたからに告げる
與鷹よたか「導いた……って……」
元人交喙「まぁ、結果的にそうなってしまったわけだが……」
総介「俺達はその遺産を破壊するために来た……」
真博「何だと?貴様ら……我らノイエ・レキオの覇道を邪魔するか!」
トモナミ「破壊……それができぬから妾はこうして封印し続けてきたと言うのに……」
総介「どうかな……」
トモナミ「お前たちにアレをどうにかできるとは思わないことだな……」
山咲やまざき桜「そうでしょうか?物は試し……と言いますし」
*「貴様ら!黨野とうの代表を無視して勝手に話を進めるんじゃねぇよ!」
 ガララララララッ
 天井目掛けてマシンガンをぶっ放しつつノイエ・レキオの隊員が叫ぶ
*「死にたいのか!」
総介「死にたいのはそっちだろう」
*「何ぃ?」
寧熏ねくす「よさないか、馬鹿ども」
一同「と、黨野とうの代表……」
 一触即発の最中、寧熏ねくすが命じると銃口を下げる隊員。
 どうやらそれなりに統率のとれている組織の様だ

寧熏ねくす「さて、とっとと遺産をこちらに渡して貰おうか?」
トモナミ「嫌だと言ったら?」
真博「我ら全員で貴様を犯す!」
 うわぁ……殺す……じゃないんですね……

#2
真博「まぁ、ですが……どの道貴方に拒否権はないのですよ」
 そう言って真博は懐から漆黒の板を取り出す
トモナミ「それはッ」
 それを見て、トモナミの顔色が険しくなる
寧熏ねくす「これこそ、我ら琉球裏王家に代々伝わる遺産解放の緊急コード……」
トモナミ「それはそんなことの為に作ったものではない……」
真博「さぁ!今こそ起動せよ!」
トモナミ「奴らを止めろ!ライタ」
 トモナミがそう言って台座から下りると、突如台座が開き、中より一人の男性が飛び出してくる
*「な、何だ……」
桜「あれは第零代琉球王……トモナミの弟ですね」
 そして、このような事態に陥った際に、墓荒らしを排除するための番人でもある
ライタ「……」
 すぐさま、ライタはカオスプレートを持つ真博に襲いかかる
*「させるかッ」
 ガガガガガガガガッ
 それを阻止せんと、隊員がライタ目掛けてマシンガンを斉射……だが、しかし、微動だにせず背中にて銃弾の雨
霰を受けるライタ
*「なん……」
 しかし、傷一つ負う事のないライタに愕然とする隊員
*「巫山戯ふざけやがって!」
 怒りに身を任せてマシンガンで殴りにかかるノイエ・レキオのメンバー
 ぐしゃっ
*「馬鹿なっ」
 だが、しかし、マシンガンはまるでバルサ板で出来ていたかのようにアッサリとライタの衣装の前に砕け散る
交喙「何だよ、あの服、カオサイトででも出来ているのか?」
桜「いえ、アルティマイトですね……」
交喙「んなぁっ?」
 交喙が驚くのも無理はない……アルティマイトこそ、異世界……歴史の墓場における最高の硬度を持つ天然物質
で、その硬度はカオサイトの実に百倍である
ライタ「今すぐ去れ……さすれば見逃してやる」
一同「ふ、巫山戯ふざけるなッ!」
 どんな装甲を着こんでいても、相手はたった一人……取り囲んで殺せばすむはずだ……と、ノイエ・レキオの連
中は浅はかにものを考えていた
*「お前たちも来い!」
*「……ああ、俺達もそう思っていたところだ!」
 そして、與鷹よたからにマシンガンを突きつけて威嚇していたメンバーも攻撃に加わる
ライタ「愚かな……」
真博「殺せ!」
寧熏ねくす「そして、奪え!」
 ドッ
一同「ッ!?」
 だが、次の瞬間には全てが終わっていた
真博、寧熏ねくす「なっ、何ぃ?」
與鷹よたか「強ッ」
 それは、一瞬……ほんの一瞬の出来事だった
 超絶スピードにてライタはノイエ・レキオのメンバー全員を昏倒させたのだった
ライタ「もう一度言う、去れ……」
真博、寧熏ねくす「……」
 圧倒的な強さを前に、この二人はどうするのか?


続

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