Eighter -Midnight Howling-
17ther 〜琉球王家の裏遺産 B〜



#3
 普天間基地跡地……そこは歴史の表には出てこない古代琉球王朝の遺跡を隠すためのものだった
 そして、通天閣へ米軍基地が移植されたことでそれが露見する
梓與鷹よたか「で、そのノイエ・レキオってのがあの遺跡へ入ろうとする者を排除してるってわけか?」
かみ総介「いや、違う」
 かぶりを振る総介
総介「連中自身、あの遺跡の中に入れない」
元人交喙いすか「遺跡に入れない?」
山咲やまざき桜「首裏状の閉ざされた扉……あれを開けることができないということです」
総介「だから、奴らはあの遺跡へ近づくものを監視し、排除していると共に、あの扉を開ける者を待っているとい
うわけだ」
交喙いすか「なるほどな……」
 遺跡の扉はカオサイトで出来た代物……そして、カオサイトはダイヤの十倍の硬度を誇る異世界の物質である
 故に、現実世界の技術では破壊は出来ない
 いや、厳密には破壊は出来る……だが、その方法を通常は知らないのだ
交喙いすか「だが、どっちみちあの扉を開かないことには何も始まらないってんだろ?」
與鷹よたか「おい、交喙いすか、お前まさか……」
交喙いすか「俺達が扉を開ける……それでいいじゃないか」
 閉ざされた門があるのならば破壊すればいい……なんとも豪快と言うかなんというか、遺跡破り感があるトンで
もない方法である
総介「貴様らが来なければ俺がそうしていた」
與鷹よたか「総まで……」
 ここまできたらあとは付き合うしかない……與鷹よたかも諦めて扉を破壊する道を選ぶのであった

 と、言うわけで一行は首裏城へ
與鷹よたか「ギラギラと監視してるって気配が濃厚だな……」
交喙いすか「ハッ!紅抉刺こうかっしッ」
 ズドゴガッ
 紅いオーラをまとってカオサイトの扉を抉り貫く
 そう、ダイヤの十倍を誇るカオサイトを破壊する簡単な方法……それは信念を込めて立ち向かう事である。
 だからこそ、カオサイトは簡単に加工ができるのだ
交喙いすか「ざっとこんな……」
與鷹よたか「いや、待て……」
 交喙いすかの攻撃により、扉は開かれた……だが、しかし、その扉は自動的に修復され、再び扉は閉ざされる
交喙いすか「何だ、これ……どういうことだ?」
與鷹よたか「形状記憶カオサイト?」
総介「そんなものは存在しない」
 交喙いすか與鷹よたからが驚きを隠せないでいると、突如空間スクリーンが開き、ルシャが登場する
ルシャーティー・エィユゥミス「これは、みなさん、5日4時間28分10秒ぶりですね」
與鷹よたか「ルシャ……どうして」
総介「……九大オーパーツCPの御技ってことか」
ルシャーティー「はい」
交喙いすか「どういう?」
かんな「消滅していないあらゆる存在情報の復元……」
與鷹よたか「ニライカナイか!」
 正しく、沖縄県に相応しいオーパーツだった

#4
ルシャーティー「正確にはそのレプリカですが……」
與鷹よたか「ニライカナイのレプリカ……」
ルシャーティー「早速通行手形を造りますね。5分3秒お待ちください」
 3秒って何だ?
 まぁ、ともかく、5分と3秒キッカリ後に再びルシャが登場する
ルシャーティー「通行手形です」
 そう言ってカオスプレートが転送される
與鷹よたか「なぁ、これって、俺達だけ通行できるってことでいいんだよな?」
ルシャーティー「いえ、ここに使われているのはあくまでニライカナイのレプリカですので、封鎖か解錠かその二
択しかありません」
総介「フン、グズグズしていたら奴らが俺達を殺してでも通行手形を奪いに来るだろう……」
桜「ここは大人しく扉を開けておいた方がいいと言うことですね」
 かくて、閉ざされていた扉は開かれる
 ウゥウウウウウウウウ〜〜〜〜ッ
與鷹よたか「なっ……何だ……」
 首裏城へ繋がる通路へと足を運んだ途端、まるで唸り声のような風音が響き渡る
交喙いすか「まさか、本当にこの先があの世グソーに続いているってことはないよな?」
総介「怖気づいたか」
交喙いすか「馬鹿言うな!」
桜「冥界も異世界のひとつという考えもあるようですし……」
総介「フッ、本当にあの世に繋がっているかもしれんということか……」
與鷹よたか「おいおい、それはシャレになってないぞ……」
桜「冥界から帰る際は後ろを振り向いてはいけないってよく言われますね」
一同「……」
 まぁ、確かに、そんな神話が世界各地にあったような気がするけど……
 なぜ唐突にそんな話を?場を和ませようとでもした結果なのだろうか?
 ちっとも和まないんだが……

 と、そんなことをやっている間に一行は……通路の最奥へと辿りつく
與鷹よたか「おいおい、行き止まりじゃないか」
 そう、そこは行き止まり……壁が立ちふさがるただの袋小路だった
交喙いすか「でも変だぞ、ここまで一本道だったじゃないか……」
與鷹よたか「まぁ、確かにな……」
 ここに来るまでの途中、どこかに隠し通路でもあったのだろうか……
総介「いや、壁では無く、扉だろうよ」
 コンコンとその壁を叩きながら総介が呟く
交喙いすか「確かに、向こうが空洞になっているような音がするな」
與鷹よたか「ってことは、この壁もやはり……」
桜「ニライカナイのレプリカによる封印……でしょうね」
 山咲やまざきがそう言うや否や、かんながカオスプレートを壁に近付ける
かんな「どうやらこの通行手形ではこの扉を開けることができないようですね」
 そして、次の瞬間、空間スクリーンが出現し、ルシャが再び登場
ルシャーティー「12分32秒ぶりですね……早速ですが、この扉を開けるための通行手形を作ってありますので」
 嫌に用意が良いルシャであった。
 と、言うわけで、早速通行手形が転送される。
 果たして、この先には何が眠っているのか?


続

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