Eighter -Midnight Howling-
15ther 〜とある剣客の剣厄ソードカラミティ C〜



#5
 日本剣術の未来を憂うという名を語った殺し合いゲーム……その背後には場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツの暗躍があった……
 そして、総介は事態を収拾すべく立ち上がった!
雁過斗光影がんかと・こうえい「神罰光臨」
山咲やまざき桜「死体は死体に戻りなさい」
 左右の手から光を収束させ一気に解き放つ光影こうえい……そんな光影こうえいの光を手刀で切り裂くと同時に光影こうえいすらも一刀両
断する桜……
 こうして、ゼウスいかずちけいか……もとい、蠱毒こどくと成り果てた光影こうえいと桜との死合は終わった
人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカー「馬鹿な!」
 それを目の当たりにして驚愕するのは人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカーである。
 まぁ、無理もないが……
人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカー人間パーツ如きがアレを斃せるわけがない……貴様は……はっ、貴様……そういう……」
かみ総介「気付いたか……だが、少し遅かったようだな……影蒼入滅えいそうにゅうめつッ」
 ゴガッ
 影縛りにて人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカーの動きを封じると同時に一刀両断
人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカー「ぐああああッ!!」
総介「消えろ!場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカー「貴様……貴様ら……」
 何かを呟く人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカー……だが、それは聞きとれず……そして、遂に人蠱中の天造器ダンタリアン・メーカーは消滅す……
 と、同時にどこかでパリンと何かが砕ける音が聞こえる
桜「警部……」
 いつもの桜に戻った彼女が総介によりそう
総介「フン、どうやら蠱毒こどくの結界は破られたようだな……行くぞ、山咲やまざき」
桜「はい、警部……」
 かくて、総介、桜はこの馬鹿げた殺し合いゲームを終結させんとその会場へと足を運ぶのであった……

 その頃……
Mr.ゴクドー「……クッ……ようやく剣の道に巡りあえたというのに。口惜しさは残るが、私とて人の子だ……」
 いさむとの数多のつばぜり合いの果て……Mr.ゴクドーも遂に堕つ……
 その刃は砕かれ……その闘志は折られ……それでもなお、心の牙は折れず……
某敢それがし・いさむ「お主も、見事でござった……」
 死合を追え、いさむ明星幻爪みょうじょうげんそうを納刀し呟く
Mr.ゴクドー「フ……だが、負けた……この俺が……」
 そのまま俺た刀を逆手に握り締めるMr.ゴクドー
いさむ「ま、待つでござる!」
Mr.ゴクドー「これは、死ではない!剣の道へ、生きるための……!」
 そのまま自刃……
 ガッ
 だが、次の瞬間、その腕を掴まれるMr.ゴクドー
Mr.ゴクドー「何?」
桜「死で終わろうだなんて……そんなことはさせません」
いさむ「桜殿……?」
 突然の乱入者に、いさむも驚きを隠せない
いさむ「はっ、もしや、かんな殿の言っていた助っ人というのは、そなたたちでござるか?」
総介「……この馬鹿げた事態を収束するという意味では、確かに、助っ人だな……」
 そう言って総介は手際よくMr.ゴクドーに手錠をかける
総介「行くぞ」
桜「はい、警部……」

#6
 同じ頃、けいとロリコン(をい)はというと
佐々木原大哲郎「くそっ……面白くねぇ……なんだよ!そのリアクティブアーマー……反則だろうが!」
 示現流撃鉄拳の拳……その全てをことごとく炎の鎧をリアクティブアーマー代わりに弾き飛ばすけい……
 もはや火傷じゃすまないはずなのだが、しかし、大哲郎の拳は未だ健在だった……
天然蛍あましか・けい「え〜〜、そんなこと言われてもね〜……マグナムのような威力と銃弾の様なスピードの掌底も十分反則だ
と思うよ……」
大哲郎「グワハハハハハ……俺様はいいんだよ……何せ俺様だからな……グワハハハハ!」
 ひとしきり笑ったところで気合を入れ直す大哲郎
大哲郎「だが、これでは埒があかんな……」
けい「うん、そうだね……なんだか飽きてきちゃった……」
突込魁とつこみ・かい「あのね……」
 呆れてものも言えないかい
大哲郎「そこで次で最後だ!我が全身全霊……受けてみやがれ!」
けい「……まぁ、別にいいけど……」
大哲郎「はあっ!示現流撃鉄拳、最終の型……アンタだけは堕とすッ!」
 ズドゴアッ
 今までが次元のマグナムならば、今回はユニコーンのビームマグナム……それほどの威力差があるだろうと思わ
れる拳打を解き放つ大哲郎
けい「残念〜」
大哲郎「かたったなぁ!貴様のリアクティブアーマーなど、我が最終の型の前には無力!」
 叫ぶや否や、炎の鎧のリアクティブアーマーごとけいを討ち貫く
かい「け、けいぃ!」
大哲郎「グワハハハハハハハ!」
 ……だが、しかし、けいは無傷だった……いや、それどころか、何故か大哲郎の背後に立っていた
大哲郎「なん……馬鹿な……我が拳は確かに……」
 確かにけいをブチ殺した……そのはずなのに……しかし、そんなことはなかった……それ故にと怖気すら感じる大
哲郎
けい「夢でも見たんじゃないの?」
大哲郎「あ、ありえねぇ」
 ガシャリッ
 と、次の瞬間、大哲郎の両手に手錠が……
大哲郎「な、なんじゃコリャアアア!?」
総介「そこまでだ!」
 総介、颯爽と登場して大哲郎をお縄に……ナイスなタイミングだった……

 ……その後も、かく眼同盟を執拗に追っていた旅団集団に関しても、桜と手分けして捕縛することに成功……
 また、それだけじゃなく、他の極悪人もまた、同じように総介、桜の手にかかり、再び投獄されることとなった
……

いさむ「……終わった……でござるか……」

#7
 こうして、光と影の雁過斗がんかと……場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに踊らされた哀れな兄弟が行った狂気の殺し合いゲームは幕を
閉じることとなった……

 ……後日……

 東京都、タワーYATO
いさむ「……」
 いさむは第二回の日本剣術の未来を憂う会合に参加させられていた……
いさむ「……今度はまともでござればよいのだが……」
 ……だが、しかし、第二回もやはり、まともな会合ではなかった……
 いや、今回は場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに操られていたわけではないのだが……
 ……日本剣術の未来を憂う前に、まずは、日本剣術組合のメンバーを憂いた方がいいのではないか……そう考え
る参加者たちであった……


END

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