Eighter -Midnight Howling-
14ther 〜とある剣客の災厄カラミティ C〜



#5
 日本の剣術の未来を憂いて……だが、しかし、なぜか一行は極悪人を相手に返り討ちにしてぶち殺せなどという
指令が下ってしまう……
 果たして、いさむは不殺を貫けるのか?
Mr.ゴクドー「クッ……まだだ!まだ終わらんよ!」
 ぐぐぐっと刀を杖の代わりにして立ち上がるMr.ゴクドー
某敢それがし・いさむ「まだ、やるというのでござるか?」
Mr.ゴクドー「フッ、愚問……極道に戦いの意味を問うとは、ナンセンスだな!!」
いさむ「……あい、分かった……某敢それがし・いさむ、参るッ!」
Mr.ゴクドー「よく言った、剣聖ッ!!」
 ガカアッ
 そして、一足飛びにかかる両雄……技量の低さは気合でカバーするMr.ゴクドーにおとこを見たいさむは全身
全霊をもって、それに応じるのであった……

 その頃、かく眼同盟は……
*「くっくくく……我ら、鳴く子も黙る旅団、ビークスパイダー……欲しいものは奪って取る!」
 ぞろぞろとまるで棟梁が頭で他の団員が足……蜘蛛のような陣形の集団が立ちはだかる
伊達宗美むねみ「はぁ〜……」
島友近ゆこん「たまにいるんですのよね……このように自分の力量もわきまえず挑んでくる方が……」
直江万夏まなつ「まぁ、いいんじゃないの……返り討ちにしちゃえば……」
前田松子しょうこ「……ところで、最後のページの殺せってのは……」
柳生兵子ひょうこ「流石に殺人は良くない……天のお告げです」
宗美むねみ「まあ、なんでもいいさ……それよりも、誰が一番多く斃せるか、勝負だ!」
友近ゆこん「その勝負、乗りましたわ!」
万夏まなつ「ふふふ、私が一番よ!」
兵子ひょうこ「……勝負は受けるが流儀……天のお告げです」
松子しょうこ「じゃ、張りきって行きましょう!」
 ダダンッ
 誰が一番多く斃せるかをまるでゲーム感覚で実施するかく眼同盟であった……
 まぁ、彼女たちらしいとしえば彼女たちらしいけど……

 一方……その頃、とある場所では……
*「はぁ……はぁ……」
 一人の侍……名を常盤岱盤涯ときわだい・ばんがいと言う……は苦戦を強いられていた……
 多勢に無勢であるから苦戦を強いられているのではない……相手の強さ故に苦戦していたのだ……
*「グワハハハハハハ……俺様を相手にここまで死合えるたぁてめぇ……中々の使い手じゃねぇか!」
常盤岱盤涯ときわだい・ばんがい(クッ……この漢……強い……)
 いや、ただ強いだけでは無い……異常なまでの頑丈さなのだ……
 と、いうのも、先ほどから盤涯ばんがいは何度も何度も峰打ちを喰らわせ続けてきた……だが、漢は蛙の面に水の如くケ
ロリとしているのだ……
*「貴様も既に分かっているはずだぜ……示現流撃鉄拳を身につけた俺様、佐々木原大哲郎を斃すには峰打ちなん
かでは温いと……」
 確かに、これほどの偉丈夫ならば刃を肉体に通すことすら困難であろう……

#6
盤涯ばんがい「アンタ……それほどの武道を身につけていながら、なぜ道を踏み外したんだ?」
 ふと、素朴な疑問を口にしてみる盤涯ばんがい
佐々木原大哲郎「グハハハハハハ……いいぜ、冥土の土産に教えてやるぁ……」
 どっかりと地面にこしかけると、豪放磊落に笑いながら大哲郎は語りだす
大哲郎「俺様には女師匠がいるんだが……こいつが強いのなんの……」
 そもそも、俺様がその師匠の弟子になったのも、師匠を押し倒してムフフなことをしようという下心からだ!と
豪語する
盤涯ばんがい(うわぁ……駄目な人だ……)
大哲郎「グワハハハハハ……しかし、師匠は見た目は男を誘う娼婦のような色気ムンムンな感じなのに悪鬼のよう
に強くてな……胸をもみしだこうとすれば腕をひねりあげられ……腰を撫でまわそうとすれば回し蹴りで一蹴され
……」
 犯すつもりで襲いかかっても遂には一度もその肌に触れることは出来なかった……と大哲郎
 ……その下心がいけなかったんじゃないだろうか……と、心の中で突っ込む盤涯ばんがい
大哲郎「来る日も来る日も頭の中では師匠を押し倒して犯してることをイメージしながら俺様は師匠に立ち向かっ
たわけよ!グワハハハハ!」
盤涯ばんがい「……」
大哲郎「……そして……」
盤涯ばんがい「そ、そして!?」
 思わずゴクリと固唾を飲んで次の言葉を待つ盤涯ばんがい……すると……
大哲郎「どうあがいても勝てないと悟った俺様は近所の小学生を襲ってムフフなことをしようと思ったわけよ!グ
ワハハハハ」
盤涯ばんがい「最低だ!」
大哲郎「小学生はサイコーだぜ!と叫びながらルパンダイブしたまではいいのだが……」
 気付けば監獄のベッドの上だったというわけだ……と大哲郎
 ……どうも、件の師匠にフルボッコにされて破門されたらしい……
盤涯ばんがい「……」
 呆れてものも言えないとはこのことである
大哲郎「さぁ、もう分かったであろう……俺様はここを脱出して小学生に手を出しつつ師匠にリベンジをするのが
夢なのよ……グワハハハハハ……小学生はサイコーだぜ!」
盤涯ばんがい「……よく分かった……貴様のようなロリコンを世に解き放つのは危険極まりないってことがな……貴様は我
が秘剣で討つ!」
大哲郎「グワハハハハ……来い!貴様には我が示現流撃鉄拳の真髄を叩き込んでやるぜ!」
 そして、空気が張り詰める……
盤涯ばんがい「おおおっ!天燃理神てんねんりしん流、最終奥義ッ!」
大哲郎「示現流撃鉄拳、一の型ッ」
 ズドゴアアッ
盤涯ばんがい「げふっ!?」
 盤涯ばんがいが抜刀しかけた次の瞬間、大哲郎の拳が盤涯ばんがいを穿ち貫く
大哲郎「グワハハハハハ……示現流撃鉄拳ってのはな……あたかも次元がマグナムの撃鉄トリガーを起こして
銃撃するかの如く、0.3秒の早撃ちで敵を撃ち貫く豪拳よぉ!」
 グワハハハハハ……とこれまた豪放磊落に笑いつつ、ロリコンな大哲郎は新たなロリっ娘を求めて……いや、ロ
リっ娘を襲うために次の得物を探すのであった……
 いやはや、傍迷惑な漢である……


続

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