Eighter -Midnight Howling-
14ther 〜とある剣客の災厄カラミティ B〜



#3
 日本剣術組合が日本の剣術の未来について表社会の剣豪を集めて会合を行ったのだが……
 果たして、日本剣術の未来はどっちだ?
*「……しかし、一気に人を集めるには金かエロ目的かしかないと思うのだが……」
 と、発言するのは雁過斗光木がんかと・こうぼくの双子の弟、雁過斗影木がんかと・えいぼくである
女性一同「いや、だからってあなたねぇ……」
雁過斗光木がんかと・こうぼく「じゃ、顔も隠せば……」
女性一同「そういう問題じゃない!」
雁過斗影木がんかと・えいぼく「お前たちは日本剣術が断絶してもいいというのか?」
 いやいや、下心だけでにわか人口が増えてもどうしようもないでしょう……と一行
光木こうぼく「……しばし、待たれい!」
影木えいぼく「ちょっと作戦会議を行ってくる」
天然蛍あましか・けい「行き当たりばったりだね……」
突込魁とつこみ・かい「アンタが言わないでよ!」
 ともかく、新総統……もとい、光木こうぼく影木えいぼくは作戦会議と称して一旦部屋を後にするのであった……
某敢それがし・いさむ「……こんなことで日本剣術の未来が明るくなるとは思えんのでござるが……」
けい「あの様子じゃエロ目的以外に何も考えていなかったみたいだね……」
伊達宗美むねみ「くっ、なんて女の敵だ!」
島友近ゆこん「あら?あらあら?……あなた、女でしたの……すみませんでしたわ。私てっきり……」
宗美むねみ「何だと!友近ゆこんッ!……この大きな胸が目に入らないのか!」
 ゆさっと両手で胸を持ち上げて宗美むねみが叫ぶ
柳生兵子ひょうこ「……世の中にはいくら胸がでかくても、漢と勘違いされるキャラがいる……」
 天のお告げです……と兵子ひょうこ
一同「……」
けい「ふあぁ〜〜〜、そんなことよりも眠いね……」
かい「アンタね……あ、あれ?」
 呆れて物も言えない……そんな矢先、ぐらりと視界が歪むかい
いさむ「むっ……こ、これは……」
 しゅ〜〜〜と部屋の四隅からガスが散布されている……
宗美むねみ「催眠ガス……?」
 バタリ……ドタリ……
 そして、一同はそのまま昏倒してしまうのであった……

いさむ「はっ!?ここは……」
 次に、いさむが目を覚ますと……そこは見知らぬ土地……
けい「目ぇ覚めた?」
いさむ「むっ」
 背後からの声に咄嗟に身構えると……木にぶら下がったけいの姿が……
いさむ「お主は……」
けい「はい、これ、プロモーションビデオの概要だって……」
 すたっと木から下りると今回のプロモーションビデオの概要をまとめた冊子を手渡すけい
いさむ「かたじけのうござる……」
けい「なんでも、この孤島には、世界中から極悪人が集められているんだって」
いさむ「何?それはまことでござるか?」
 しかし、何故に?と首を傾げるいさむけいは冊子のあるページを開いて見せる
けい「剣術を習えば突如襲ってきた強盗を返り討ちに出来ますよ……ってな内容にするみたいだね……」
いさむ「……むぅ……」
けい「それから、最後のページ、見て……」
いさむ「最後?」
 言われるがまま、最後のページを見ると……
いさむ「なっ!?これはっ……」

#4
 冊子の最後のページには極悪人を全てブチ殺せ!と書いてあった……
いさむ「これではただの殺人ではござらんか……」
けい「そうだよね……こんなの世に出回ったらますます剣術やる人いなくなっちゃうよね……」
いさむ「……あの御仁ら……何を考えているでござるか?」
けい「はぁ……まぁ、仕方ないよね……殺せと言われたら殺すのが流儀だよね」
いさむ「いやいやいやそんなわけにはいかぬでござろう」
けい「え〜〜、でも、俺、殺し屋だし」
いさむ「……」
 この御仁あっけらかんと……といさむ
 だが、しかし、けいからは例えば萌のような殺人鬼のような気配は一切しなかった……
いさむ(こやつ、本当に殺し屋なのでござるか?)
 と、そんなことを考えている暇はなくなった……そこへいかにも世紀末な感じのモヒカンが火炎放射器を持って
登場
*「ヒャッハ〜〜!汚物は消毒だぁ!」
 その台詞はとても危険なのでやめてほしい……
*「クククク……貴様をブチ殺せば無罪放免……これほど楽な仕事はねぇぜ!」
 ゴアアアッ
 そのままけい目掛けて炎を浴びせるモヒカン
いさむ「いかん……」
 手助けに行こうとするいさむをすっと止めるけい。と、同時に炎に包まれるけい
*「ヒャッハ〜〜〜!こんがり焼けたかなぁ〜〜」
 ……だが、しかし、炎が止むと、そこには無傷のけいが立っていた
*「馬鹿な……」
けい「俺、炎属性で回復する体質なんだ……」
*「ンな体質あるかボケ!」
 カっとなって襲いかかるモヒカン……を軽くあしらうけい
けい「ばいば〜〜い」
 ガツン
*「げはっ!?」
 そのまま真・炎双刃の峰がモヒカンの後頭部を直撃する
けい「安心して……峰打ち……あ、ゴメン、焼きゴテみたいなモンだった……」
 炎を発する真・炎双刃を見ながらそんなことを呟くけい
いさむ「なるほど……なかなか……」
*「フッ……死合の最中に余所身とは余裕だな……」
いさむ「……」
 そして、いさむにも刺客現る……
*「俺は衛家鞍噛えいか・くらはむ……君の存在に心奪われた男だ!」
 人は俺のことをMr.ゴクドーと呼ぶなどと宣言すると共に深紅の刃の刀を抜刀する
Mr.ゴクドー「はじめましてだなぁ!剣聖!」
 そして、一足飛びに飛び掛かるMr.ゴクドー
Mr.ゴクドー「受けて見よ!我が秘剣!……人呼んで、鞍噛くらはむスペシャル!!」
いさむ「……」
 だが、しかし、所詮は極道の付け焼刃……そのような剣術……いや、剣術と呼ぶのもおこがましいそれはいさむには
一切通用しなかった……
いさむ「峰打ちでござる……」
 そして、すれ違いざまにいさむの峰打ちが炸裂
Mr.ゴクドー「かはぁっ……」
 かくて、Mr.ゴクドー、いさむの前に散る……


続

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