Eighter -Midnight Howling-
12ther 〜とある黒遺の強奪レイダー C〜



#5
 東京都で起こった誰も想像しなかった殺人事件……そこには場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツが関わっていた……
 早速総介はEighterへと出向き、かんならの力を借りて事件の元凶をぶっ潰す度に出る……
*「……」
 一行の目の前で無表情に佇む男性……
かみ総介「気をつけろ!奴は既に場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに操られている……」
 もはや、あれは人間では無い……そのことを念頭におけよ!と総介
*「……」
 そんな折、ニヤリと笑みを浮かべる男性
 と、同時に、近くのブロック塀の一部が分裂、可動し、まるで行く手を阻む壁の如く……
梓與鷹よたか「あれ?」
 と、思いきや、90°回転ではなく、180°回転
白拍子かんな「避けてッ」
 ダダンッダァンッ
 こっちを向いたブロック塀……そこには銃口が……かんなが叫ぶと同時に襲い来る銃弾
 まさかブロック塀に銃が仕込まれており、遠隔操作が出来るなどと誰も思わなかった……
*「ッ!」
 しかし、まさか、犯人……いや、目の前の男性はこちらが銃弾を見切って回避出来るなどとは想像できなかった
ようだ……
 なるほど、アンタも十分想像力が足りないじゃないか……と言うと、自爆して逃げそうなので黙っておく
※いやいや、自爆して逃げるって……相手はロボットじゃなく、人間なんですから、自爆したらあの世に逃げるこ
 とになっちゃいますよ……
與鷹よたか「総……奴はどんな場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに操られているんだ?」
かんな「私達の想像を凌駕した行動……」
 ぼそりとかんなが告げる
総介「……なるほど……だから、想像をはるかに超えた殺人劇……想像しなかったトラップが仕掛けられたという
ことか……」
かんな「ええ、そうです……彼が持っている場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツは常に私達の想像を超えた行動を仕掛ける……と言
う特性をもっています」
 やはり、もはや人間ではないと分かっていても、割り切れないかんなは目の前のアレを人間と呼ぶ……
與鷹よたか「クソッ」
 なんて厄介な代物なんだ……と與鷹よたかが毒づくが、今はそんなことを言っている場合ではない……どうにか、奴の
……俺達の想像をはるかに超えた行動を更に上回らないと……
*「……」
一同「……」
 そして、そのまま静かに睨みあったまま……時間だけが過ぎていく……
 いや、相手は既に人間では無く、目の焦点が合っていないので、睨みあっているわけではない……こっちが一方
的に睨みつけているのだが……
*「……」
一同「……」

 ……更に、睨みつけたまま時間が流れていくのだが……

*「……」
一同「……」
 待てども待てども何も起こらない……ずっと硬直したまま、無情にも時だけが過ぎていく……

#6
與鷹よたか「……な、なぁ……総……」
総介「……」
 問いかけてみるも、総介は険しい表情をしたまま立ちつくしてる……
 仕方がないので與鷹よたかは小声で総介に話しかけることにする……
與鷹よたか(全くもって動きがないが……どういうことなんだ?)
 まさか、既に奴は場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに蝕まれすぎて動きが取れないのか?と與鷹よたかは思うのだが……
総介(……)
 しかし、こちらが下手に動いて想像を絶した行動を起こされても対処のしようがない……故に、後手に回ること
しかできないのが現状だ……
かんな「……あれはこちらの想像を超えた行動しか起こせないんです」
 と、そんな折、かんなが口を開く
與鷹よたか「へ?」
総介「……なるほど、そういうことか……」
 そして、かんなの言葉を真っ先に理解するのは総介であった……
山咲やまざき桜「警部……?」
総介「つまり、こちらが出来る限りの想定……もしかしたら空から鑓が降ってくる……とかは極端だが、そういう
ことを大量に想像してみろ……それは相手にとっては既にこっちの想像を超えた行動では無いということだ」
與鷹よたか「え?……あ、ああ〜」
 遅れながら、與鷹よたかも漸く理解する
 大量に……ありえない出来事までをも想像する……その想像を高めれば高めるほどに、相手はこちらの想像を超
えた行動を起こしにくくなる……
 硬直したまま何も動きがないように見えるが……既に静かに攻防は続いていたのだ……
 無論、そこには超運により相手の『相手の想像を超える行動』をピンポイントで想像しているかんながいるから
こそ成し得る攻防である。
 ……想像しろ!奴の想像を絶する攻撃の全てを!

*「まさか、こんな方法でイマクラを封じるなんて……想像してもみなかったかしら……」
 暫くした後、背後から声がする……その声はタブラのものでもメメントのものでもなかった……
與鷹よたか「何?」
 振り向くと、そこには一人の少女……だが、それが纏う氣は人間のものでは無く、人の姿の場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツで
あった……
*「やれやれ……折角『その想像をブチ壊すものイマジネーション・クラッシャー』を借りたのに……これでは駄目かしら」
 ……その想像をブチ壊すものイマジネーション・クラッシャー……略して『イマクラ』……これは明らかにメメントが作成し、名付けたものであ
る
総介「漸くお出ましか……」
*「本当は出ていくつもりはなかったんだけどね……なんてことかしら」
 でも、その想像をブチ壊すものイマジネーション・クラッシャーを封じられるなんて想像もしていなかった……だから、出ていかざるを得なかっ
た……そう呟く少女……
桜「現実は、あなたの想像を凌駕する……と、いうことです」
*「……」

#7
*「まぁ、いいわ……はじめまして……私は歯付はづきサヤ……覚えなくていいわよ……人間パーツ風情はすぐに死ぬ……生き
延びること何てできるかしら」
與鷹よたか「はづき……さや……?」
 首を傾げる與鷹よたか……
 今まで森メメントに、羅叉らさタブラ……いずれもラテン語を冠した名前だったのに、彼女はそうではないことに疑
問を持っているのだ……
かんな「いえ、彼女も歴としたラテン語が由来ですよ……」
與鷹よたか「そうなのか?」
 だったら、一体彼女はどんなラテン語の言葉が由来なのか……も、そうだけど、それよりも、今回の事件を速く
終わらせないと……


END

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