Eighter -Midnight Howling-
10ther 〜鷹舗たかほ家の謎の依頼 A〜



#0
 梓與鷹よたか……三度の飯よりもオーパーツが好きな男……今回はそんな與鷹よたかの元にとある依頼が舞い込んだことから
始まった……

#1
 それはある日の昼下がりの出来事だった……
 天四斗あまよと、Eighter本部
*「ここが噂のEighter本部ねぇ!」
 一人の女性が颯爽とEighter本部を訪れる……
百鬼あろえ「あの……依頼の方でしょうか?」
*「うん、そ〜だよ」
 あっけらかんと言い放つ女性。そのままズカズカと我が物顔でEighter本部の中を進み、與鷹よたかの元へ
*「ひっさしぶり〜」
梓與鷹よたか「はい?」
 唐突に声をかけられるも、與鷹よたかは彼女のことを全く知らなかった
與鷹よたか「……いや、あの……すみませんが、どちらさまでしょうか?」
*「にゃにゃんと!この私を御存じない?」
與鷹よたか「……御存じありません……」
*「そ、そんにゃ〜〜」
 がが〜〜んとショックを受ける彼女……しかし、傍から見ればそれはショックを受けているようには見えなかっ
た……
*「仕方がないなぁ……いいかい、目ン玉かっぽじってよく見にゃさい!」
 いや、かっぽじるのは耳でしょう……目なら開いてよく見なさいなのでは……と一行の突っ込みもなんのその…
…彼女はえへんと胸を張って叫ぶのであった……
*「私は鷹舗たかほ……鷹舗たかほちえりって言うのさ……」
一同「……」
あろえ(リーダー……知り合いですか?)
與鷹よたか(……いや、全く……)
 しかし、名前を聞いても與鷹よたかは全く身に覚えがなかった……故に、誰たコイツ?という空気が辺りを包み込む
 ……相手は自分のことを知っているが、こちらは相手のことを知らない……それは気まずいというかなんという
か物凄く居心地が悪い……
鷹舗たかほちえり「あれ?……あれあれ?……もしかして本当に……誰も知らないの?」
與鷹よたか「……いや、その……知らないんだが……」
 すみません……と謝りつつ與鷹よたかが重い口を開く
ちえり「むむぅ……知っていると思っていたんだけどなぁ……ちゃんと紹介しておいて欲しかったよ……」
 ブツブツと愚痴をこぼすちえり……かと思いきや次の瞬間には満面の笑みを浮かべてこう告げる
ちえり「ではでは、はじめまして……私は先ほど言った通り、鷹舗たかほちえり……さわらの親友なのさ」
與鷹よたかさわら……え?安村さわら……」
ちえり「そだよ……」
 安村さわら……それは與鷹よたかの兄、すばるの嫁のことである……
與鷹よたか「あ〜、なるほど……」
 確かに、兄のすばるからは嫁のさわら……それ以上にその交友関係とか一切合財聞いたことがなかったので知らないのは
無理もない……
 まぁ、與鷹よたか與鷹よたかでオーパーツのこと以外は眼中になかったため、何も聞いていなかったというのも原因のひと
つにあげられるのだが……
※ちなみに、さわらの方は親友であるちえりにいろいろと話していたため、ちえりはすばる與鷹よたかのことに関しては知って
 いるのである。

#2
與鷹よたか「……え〜〜っと……で、鷹舗たかほさん……依頼っていうのは?」
ちえり「にゃははは……ちえり、またはちぇりりんでいいよん」
一同「……」
 何だ?『ちぇりりん』って……と一行が心の中で突っ込む中、ちえりは今回の依頼内容を話す
ちえり「依頼って言うのは他でもない、ウチの屋敷で起きている謎の怪奇現象を解明してほしいのさ」
與鷹よたか「怪奇現象?」
ちえり「うん、あれは忘れもしない……私がまだ学生時代だった頃……」
 そして、回想しだすちえり……
 私の親友……さわらに突如恋人が……と語りだしたところで與鷹よたかが待ったをかける
與鷹よたか「ってちょっと待て……」
 そんなに昔から怪奇現象が起こっていたのか?という與鷹よたかに対し、いいや、これはさわらすばるの馴れ初めについてな
んだけど……とかあっけらかんに言い放つちえり
あろえ「いやいや、今はそんな話どうでもいいんじゃないですか……」
 本題に入ってくださいよ……とあろえも呆れ顔
ちえり「しょうがないなぁ……」
 こんなサービス滅多にしないんだから……と本題に入るちえり
 ……いや、待て、本題に入ることが『滅多にないサービス』ってお前どんだけ秘密主義なんだよ……
ちえり「数週間前からウチの屋敷の電気製品が狂いだすってな現象が起き始めてね……」
與鷹よたか「電気製品が……?」
ちえり「うん……数週間前、ウチの裏山に落雷してから始まったことなんだよね……にゃはははは……」
與鷹よたか「にゃはははって……」
 いや、そこ、笑う所じゃないでしょうに……と一行
ちえり「依頼の報酬はワ・タ・シ……って言いたいところだったんだけど、残念ながらこのカラダは既に売約済み
なので、お金で……」
與鷹よたか「いやいや、最初からお金でいいですから!」
 なんで体で払いたがるんだ、この恥女は……と、一行ドン引き……
 マジ、ヒくわ〜〜ってな空気が流れるのであった……
※ところで、売約済みって婚約者とかが既にいるって意味なんですかね?

 天四斗あまよと鷹舗たかほの屋敷

 そんなこんなで一行はとりあえず、ちえりの家へと出向くのだが……
與鷹よたか「で、でけぇ……」
 その屋敷のあまりのでかさに気圧される一行
ちえり「にゃはははは……裏山はここから3km離れたところにあるよん」
あろえ「広ッ」
 鷹舗たかほちえり……どうやら彼女は旧家の娘のようだった……
 ……まぁ、気を取り直して、一行が問題の裏山へと足を運ぶと……
與鷹よたか「……裏葉明日山……なんて読むんだ?これ?」
白拍子かんな「リバース山……」
一同「は?リバース?」
ちえり「にゃははは……御先祖様は、ユニーク……な人だったのさ……」
 いやいや、ユニークだからって裏山にリバース山なんて名前をつけるのはどうなんだろうか……
 ……ともかく、與鷹よたから一行は鷹舗たかほ家で起こっている怪奇現象の原因を探るべく、裏山へと挑むのであった……


続

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