Eighter -Midnight Howling-
4ther 〜心中を前提に交際 B〜



#3
 東京都、西日暮里で起こった殺人・自殺事件……そして、射殺、自殺したのは……馬追警部であったのだが……
 しかし、銃声と使用された銃弾は一発だが、死亡していたのは二人だった……
 果たして、この事件……どんな裏があるというのか?

 天四斗あまよと、Eighter本部
梓與鷹よたか「総……?」
 例によって例の如く、ふらりと現れた総介に與鷹よたかは……まぁ、とりあえず話を聞いてみる……
かみ総介「……西日暮里でバカな警官が女性を一人射殺し、自分も後を追うように自殺した……」
與鷹よたか「……はぁ……」
 警察の不祥事……それはそれは……と思う一方、何かオーパーツでも関与している事件なのか……と考える……
※まぁ、総介がEighter本部ここへ来るのはオーパーツか、異世界の存在かが関与している場合くらいなものだからねぇ
 ……
山咲やまざき桜「……使用されたのはコルトガバメント……これは問題ありません……」
 そして、桜が総介の言わんとしていることを続ける
桜「通報によると銃声は一発……そして、使用された銃弾も一発でした……」
與鷹よたか「……ちょ、ちょっと待て……」
総介「ああ、そうだ……銃声、銃弾は一発だが、死亡したのは二人……と、いうことだ……」
梔曹くちなし・つかさ「……兆弾ってことか?……いや、しかし、そんな都合よく兆弾で相手を殺し、自分も殺すことなんて出来る
のか……」
 銃を扱えば右に出る者はいない……と思われるつかさがしゃしゃり出て呟きだす。
総介「……それもあるが、問題はもう一つ……」
與鷹よたか「まだあるってのか?」
桜「……ええ、事件現場から逃げ去る少年を見かけた……との証言がありました……」
與鷹よたか「……その少年が……事件の鍵を握っている……と?」
総介「……」
 しかし、そこで黙りこむ総介
與鷹よたか「……総……?」
桜「警部……?」
 その沈黙を不気味に思う一行……
 と、そのとき、声を出すのは……会話に入ってくるのはかんなである
白拍子かんな「人の姿をした場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……」
一同「……ッ!」
 先日、人の姿をした場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ、森メメントや、深沈せし聖女シンク・サロメに出合った……
 それは少女の姿をし、人を道具パーツとして扱っていた……
 ……そして、少女の姿をした場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツがいるのならば、少年の姿をした場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツが居ても不思
議ではないだろう……
※ちなみに、総介は人の姿をした場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツを直接見てはいませんが、真理の断片が教えてくれるので知っ
 てはいるのです。
総介「……そいつが新たなる場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツで……場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツにより事件を引き起こした可能性がある」
與鷹よたか「それを調べてほしいということだな?」
総介「……ああ……」
桜「……はい……丁度FAXが届きました……」
 と、その時、ナイスなタイミングでEighter本部にFAXが届く……
かんな「じゃ、早速検索してみますね……」
 かくて、レムリアによる検索が行われることになった……

#4
かんな「……」
與鷹よたか「どうし……なんだこれ?」
 暫く経っても、なかなか検索結果を教えてくれないかんなを心配して、與鷹よたかがレムリアを覗き込んでみると……
 そこには約三万八千ほどヒットしたという検索結果が出力されていた……
 ……通常の検索サイトでワード検索を行えば……単語にもよるが、『一言』で検索をかければ大抵数百から数万
のヒット結果が出る……そして、それらの大抵の情報はどうでもいいものばかりでそこから絞り込み検索をかけて
本当に欲しい情報を探し出さなくてはならない……だから、この結果は正常なのではないか……
 いや、違う、それは現代のネットワークを駆使した検索方法で検索した場合であり、歴史の墓場……現代の技術
を遥かに超越した超隔壁技術オーバーテクノロジーによる検索はこうはいかない……
 ましてレムリアはその粋を集めた逸品である。検索結果が万を超えることなど通常はありえない……
※ただ、こちらも検索の条件によりけりですが……
総介「……レムリアの仕様……か……」
 そんな中、総介がぽつりと呟く……
與鷹よたか「何だ……レムリアの仕様って……」
総介「……簡単に言うと場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツを使って場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツの詳細な情報を入手することは難しい……っ
てことだ……」
與鷹よたか「……そりゃ、まぁ……随分と手短で分かりやすい説明だな……」
 ……しかし、検索結果がこんなに大量にあるなか、どうやって目的の情報を探し出せばよいのか……
 だが、そんな心配は無用である……レムリアを使っているのはかんな……運の女神と呼ばれている超運の持ち主
である……天文学的確率であたりを引くことができるかんなにとって約三万八千の情報なんて取るに足らない……
かんな「これですね」
 場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ羅叉らさタブラ
與鷹よたか「……」
 なんだか、変な名前だな……などと思っている與鷹よたか……一方、総介はというと……
総介「森メメントといい、ラテン語に凝っているのか……」
與鷹よたか「え?ラテン語?」
桜「森メメントがメメント・モリ……ラテン語で『死を忘れるな』という意味であるように、羅叉らさタブラは、タブ
ラ・ラーサ……これはラテン語で『白紙』を意味します」
與鷹よたか「白紙……ねぇ……」
総介「フン、まぁ、いい……で、奴の居場所なんかは分からないのか?」
かんな「そこまでは……」
総介「……そうか……」
 場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツでなければ詳しくは分からない……
 ……ならば、あとは地道に探すしかない……そう考え、総介はEighter本部を後にしようとした……
 ……と、その時……
総介「……クッ……」
 総介に真理の断片がひとつの残酷な未来を告げる
桜「警部?」
総介「急がねば……」

 一方、その頃、東京都では……

警官「何?……そうか、分かった……」
 突如かかってきた電話に出た警官はそのまま報告を聞くと立ち上がる。
警官「どうしたんですか?」
警官「例の事件現場から逃げ去る少年だが……見つかったそうだ」
警官「本当ですか?」
警官「ああ……」
 そいつは事件について何か知っているかもしれない……いそいで確保して事情聴取を行うんだ!と警官一行は慌
ただしくその少年を追いかけに出向く……


続

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