Eighter -Midnight Howling-
4ther 〜心中を前提に交際 A〜



#0
 結婚を前提に交際を申し込むというのはよくある話だが……これは世にも奇妙な○○を前提に交際を申し込むと
いうストーリーである
※ってかタイトルで○○の部分バれてんじゃねぇか!

#1
 東京都、警視庁
警官「……あれ?馬追警部はどこに行ったんですか?」
警官「ああ、あいつなら、営業で外回りだそうだ……」
警官「あ、そうなんですか……」
警官「何か急用なのか?」
警官「あ、はい……ちょっと気になることがありまして……」
警官「……まぁ、奴が帰ってきてからだな……」
警官「……そうですねぇ……」
 と、しみじみと語る一行の最中、突如魔王の叫び声……もとい、総介の一言が……
かみ総介「ほぉう……警察に営業で外回りなんて職務があったとは初耳だなぁ……」
警官一行「かっかかかかかっかかかっかかかっかっか……」
山咲やまざき桜「……もう、そのリアクションには厭きました……」
 とはいえ、ここにきてようやくおかしいことに気がつく一行……本当にお前ら大丈夫か?
警官「……で、ですが、かみ警部……あいつは負刻生命の勧誘員からの叩き上げだからなぁ……」
警官「え?そうなんですか?」
 そして、しみじみ語りだす警官
 奴は最初は保険の勧誘員であり、毎日のように警視庁を訪れて保険の勧誘を行っていた……
 そして、ある時、とある警部に『捜査の邪魔だ!警察関係者でもない奴がうろちょろするな!』と怒鳴りたて、
奴を追い払おうとした……すると、馬追警部(当時は警官ではなく、保険の勧誘員)は『わかりました、じゃあ、
警察になります』と言い出し……
警官一行「って待ってください……」
警官「ん?どうした?」
警官「どうしたもこうしたも……それで馬追警部は警官になったんですか?」
警官「……違うな、正しくは警官『にも』なった……だ」
警官「いや、どういうことですか?」
警官「馬追警部は警官であると同時に保険の勧誘員でもある」
総介「そんな奴は即刻クビだ!」
警官一行「ですよね〜」
 総介の鶴の一声に、一行は頷くしかなかった……
 と、そんな折、電話が鳴り響く
警官「はい、こちら、警視庁24時」
 そこの警官……アンタも巫山戯ふざけているんじゃない……
※総介がギラリと眼を光らせているので、恐縮する警官であった……だったら初めからそんなことするなよ!……
 と、言いたくなってくるのだが……
警官「何?銃声……分かった……」
 そして、警官は電話を切り、総介に告げる
警官「かみ警部……」
総介「言わんでもわかるわ……」
 そんな近くで電話を受けていれば通話の内容は分かるからいちいち報告しなくていい!と叫ぶ総介
総介「……行くぞ」
警官一行「イェッサ〜〜ッ!」
 と、言うわけで、一行は通報のあった西日暮里へと向かうのであった……

#2
 東京都、西日暮里、改月荘

警官「……かっかみ警部……」
総介「……」
 駆けつけた警官一行はまず、驚くことになる……
 ……銃声……つまり、それは殺された人がいるかもしれない……ということであるが、ミステリーやら推理モノ
では銃声で死なないのは希である……
 そして、その不名誉な法則はこの世界でも当てはまる……
警官「……ホトケは牝馬朱ひんばすみろか(29)……こめかみを一発……」
警官「……そして……凶器は……コルトガバメント……」
 ……それは警察の……と、いうよりは銭形警部が使う銃として有名な拳銃である……
警官「……そして……もう一人……」
 そのまま一行は彼女の部屋の中で息絶える男性に目を向ける……
警官「……馬追誠吾……死因は同じく拳銃にてこめかみを一発……」
 ……そう、これは、警官が一般女性を射殺し、そして、自殺したと思われるのだ……
警官「外回りの営業って……このことだったんですかね……」
総介「馬鹿野郎!そんなわけあるか!」
桜「警部……これを……」
総介「ん?」
 桜は馬追警部のコートの中にあった鍵を総介に渡す……
総介「こいつは……」
桜「……この部屋の合鍵……だと思われます……」
警官「な……ってことは、まさか、馬追警部は前々から彼女の家に入り浸っていたと?」
警官「まさか……営業の外回りとかこつけて彼女の家に押し入っていたと?」
 桜の言葉に途端に盛り上がる警官一行……なんだ?この無能警官どもは……

 東京都、警視庁

 現場から戻った一行は早速、事件の動機や馬追警部と牝馬朱ひんばす氏との間にどのような出来事があったのか……調査
を行っていたのだが……
警官「かみ警部……怪訝おかしいですよ……」
総介「どうした?」
警官「……それがですね……馬追警部の拳銃なのですが、使用された弾丸は一発だけだったんです」
総介「何ぃ?」
警官「……そして、通報の際も、銃声は一発だけだった……とありましたし……」
警官「馬鹿な……銃声は一発……使用された銃弾も一発……だが、死んだのは二人……」
 一体、どういうことなのか?とざわつきだす警官一行……
警官「かみ警部……聞き込みの結果、事件後現場から逃げ去って行く少年の姿を見た……との証言がありました」
総介「……」
 その言葉を受けてか受けずか、ガタンっと席を立つ総介
総介「行くぞ、山咲やまざき」
桜「はい、警部……」
警官「……かみ警部……どちらへ?」
 しかし、総介はそんな無能警官の言葉を軽く無視して警視庁を後にする……
※まぁ、向かう先はEighter本部なのですが……
 ……果たして、この事件、一体何が隠されていると言うのか……


続

前の話へ 戻る 次の話へ