Eighter -Grand Harmonise-
61ster 〜神の時代の幕引き B〜



#3
人類抹殺計画……発動!御座四聖獸みざしせいじゅう望均羅モイラを失った鵺帛主ヤヌスは、まず歳殺月天さいさつげってんことかんなを滅ぼすべくかんな
を真界・第一階層へと呼び出す……そして両者の存亡をかけた戦いが始まった……
鵺帛主ヤヌス「どうだ、歳殺月天さいさつげってん……陰轟留牡鴉アンゴルモアとは比べ物にならぬだろう……もちろん、彼を作ったのもこの
 我だ……親より強い子供など無いのだからな……」
ズズズズズズズズズッ
正しく、神としての威厳を保ちながら宣言する鵺帛主ヤヌス
白拍子かんな「……」
その威圧感に気圧されているかんな……
鵺帛主ヤヌス「どうした……?今が絶好のチャンス……ではないのか!?」
かんな「……そうすればあなたはカウンターを仕掛けます……」
今の我は隙だらけだぞ……と鵺帛主ヤヌス……しかし、それも計算の内、技を仕掛ければたちどころに返り討ちに
逢う……と看破するかんな
鵺帛主ヤヌス「いやはや……流石……その運だけは一流……」
しかし、それだけしかない……お前には、歳殺月天さいさつげってんの力と……世界を変えるだけの運しか持っていない……
と鵺帛主ヤヌスは続ける……
鵺帛主ヤヌス「この世界を……神を……人を創った我に……その2つだけで挑むのであれば……我に敵う道理
 は無いぞ……」
かんな「……それは……どうでしょうか!?……」
チキッ
真の碧聖刃シアンセイクレドと真の紅闇刃ルビーシェイドを構え直すかんな
鵺帛主ヤヌス「ほう……?」
……かつて。望均羅モイラが予言した言葉……神と人……その最初で最後の死合には……人間が勝利するかも
しれない……その言葉を思い出す鵺帛主ヤヌス
鵺帛主ヤヌス(……望均羅モイラ……確かに、お前はその予言を我に残した……だが、それは予言にすぎない……)
鵺帛主ヤヌス、静かなる決意を胸に……
かんな(聖明舞刃せいみょうぶじんで力をそぎたいところだけど……鵺帛主ヤヌスは光でも闇でも無い……無意味だ……)
一方のかんなも、刃を構えたまま、動くに動けない状態である……
・
・・
・・・
そのまま暫く時間が過ぎ……
鵺帛主ヤヌス「……刃を収めよ……歳殺月天さいさつげってん……そして死を受け入れるのだ……さすれば我もこのようなこと
 はせん」
ポツリと漏らす鵺帛主ヤヌス
かんな「それは出来ません……私は……全人類の未来を背負っているのだから……ここで負けるわけには
 いきません」
逃げ出すわけにはいかない!とかんなは強く宣言する

#4
鵺帛主ヤヌス「……全人類の未来を背負う……か……しかし……それに何の意味があるというのか……
 世の中にはお前のことを疎ましく思うものも少なからず存在する……」
お前は、そんな者の為にも力を振るうというのか?と鵺帛主ヤヌスの問いかけ
かんな「……人が人をどう思おうともそれは全て人間に変わりは無い……そして、そんな人間を意味もなく
 殺すあなたを私は許さない!!」
それでも、私は人を守る!と鉋は叫ぶ……
鵺帛主ヤヌス「フン……意味もなく殺すのではない……これ以上我の世界を破壊されぬよう、殺すのだ……
 お前たち、人間ヒトの言葉を借りるならば……『涙をのんで馬謖ばしょくを斬る』……そういうことだ……」
世界を救うためだ……と鵺帛主ヤヌスは断固として主張する
かんな「……鵺帛主ヤヌス……私たちの戦いは言葉では収まらない……そう言ったのはあなたです……」
鵺帛主ヤヌス「……確かに……な……」
かんな「……だから、私は最後まで抗う!!鵺帛主ヤヌス!あなたに!!」
ゴアッ
話し合いの時間は終わった……いや、話し合いに最初から意味はなかった……かくて、かんなは再び
鵺帛主ヤヌスに飛び掛かる
鵺帛主ヤヌス「やってみるがいい!歳殺月天さいさつげってん!!!」
ドガギイイイッ
飛び込んできたかんなの刃を受け止める鵺帛主ヤヌス
鵺帛主ヤヌス、かんな「はあああああ!!!!」
ドオオンッ
かんな、鵺帛主ヤヌス「くっ……」
ザザザザザッ
斬撃のぶつかりあった反動で両者が弾き飛ばされる
鵺帛主ヤヌス人間ヒトの信念……見せてもらうぞ……歳殺月天さいさつげってん……)
かんな「……龍鳳麟龜りゅうほうりんき!」
ドゴアアアアアアアッ
刹那の瞬間に応龍おうりゅう、鳳凰、麒麟、霊龜れいきを解き放つかんな
鵺帛主ヤヌス「ハッ!龍鳳麟龜りゅうほうりんき!!」
ゴバアアアアアッ
鵺帛主ヤヌスもまた、同じく……しかし、違うのは、鵺帛主ヤヌスの繰り出したものの方がはるかに巨大で強大
かんな「……くううう……」
ドギャアアアアアアアッ
鵺帛主ヤヌス「無駄だ……神の能力キャパシティー人間ヒトのそれが追いつくはずが無い……おとなしく死を迎えろ!」
コアアアアアアッ
鵺帛主ヤヌス「な……にぃ!?」
バアッシュ
かんなをのみ込んだと思われた鵺帛主ヤヌス応龍おうりゅう、鳳凰、麒麟、霊龜れいきは……しかし、かんなに弾き飛ばされ、
掻き消される
かんな「……まだです……まだ……終わっていません!!!」
ドドドドドドドドドドッ
真の碧聖刃シアンセイクレド、真の紅闇刃ルビーシェイドがいつにもまして輝いている……紅き光と蒼き光が辺りを照らす……
かんな「……人間は……闇だけでも光だけでも成り立たない……」
鵺帛主ヤヌス「だから、闇の力も光の力も両方使えると言うか……・歳殺月天さいさつげってん……ふふ……面白い!!ならば
 ……その2つの力をもって……奇蹟でも起こしてみるが良い!!!」
……かんなの想いは……奇蹟を呼び起こすのか!?


続

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