Eighter -Grand Harmonise-
56ther 〜神々の討議と裁決 A〜



#0
月天げってん・かんなと牡鴉モアとの最終決戦も……終わり……突如として参上した攻太郎とともに一行は現実世界へと
帰還したのだが……しかし、これは、すぐに訪れる人類破滅の序章でしかなった……
※最終決戦って……牡鴉モアは今わの際に『何度でも黄泉帰る』とか言ってませんでしたっけ?とか突っ込まない
 こと

#1
鵺帛主ヤヌス世界、真界・第一階層
*「……何度目になる!?」
鵺帛主ヤヌス世界……その神々が住まう世界……天界よりも上位の世界にて……この世界の創造神たる鵺帛主ヤヌスが
問いかける
*「……はっ……鵺帛主ヤヌス様……何がでございましょうか!?」
鵺帛主ヤヌス「……望均羅モイラよ……陰轟留牡鴉アンゴルモアが復活するのは……これで……何度目になる!?」
望均羅モイラ「それは……」
鵺帛主ヤヌスの問いかけに、暫し考え込む望均羅モイラ
鵺帛主ヤヌス「……言い方が悪かった……ここ100年……いや、1年にもみたない年月の中で……ヤツは何回
 復活した!?」
望均羅モイラ「……3回……でございます」
鵺帛主ヤヌス「……多すぎる……そうは思わぬか?望均羅モイラよ……」
望均羅モイラ「確かに……」
かつて、過住剣八郎かすみ・けんやろうが言っていた言葉……100年のうちに牡鴉モアが数回復活するなどと……なかった……
これは……異常な事態である……と望均羅モイラは考える
鵺帛主ヤヌス「……それほど……下界はけがれておるのだな……」
望均羅モイラ「……鵺帛主ヤヌス様……」
下界がけがれればけがれるほどに魔界の神は活性化し、清らかであれば清らかであるほど天界の神は活性化する
……これは……鵺帛主ヤヌス世界の決まりである……
鵺帛主ヤヌス「良い。お前は人間に近い神……下界が罵倒されることは耐えがたいのだろう……」
望均羅モイラ「……いえ、私は……神……人間とは……」
鵺帛主ヤヌス「人間は……簡単に何でも壊す……人間関係、地球環境……挙句の果てには我が均衡までも……」
どこまでも……人間というものは……と天を仰いで鵺帛主ヤヌスが呟く……
望均羅モイラ「……鵺帛主ヤヌス様……ですが……お言葉ですが……人間がいなければ、鵺帛主ヤヌス様の均衡を築くこと
 は出来ない……はずです」
例え、人間が生きる価値もない存在だとしても……今、貴方様が存在するのはひとえに人間がいてこそ……
と望均羅モイラ……しかし……
鵺帛主ヤヌス望均羅モイラ……お前の言葉は正しい……だがな、1度築かれた均衡を崩すのもまた人間……ならば、
 我が均衡が保たれた今……人間は不要ということになるのでは無いか?」
望均羅モイラ「……鵺帛主ヤヌス様……」
顔色が曇る望均羅モイラ……確かに、それは道理である……

#2
鵺帛主ヤヌス御座四聖獸みざせいせいじゅうをここに!」
バシュンッ
鵺帛主ヤヌスの言葉と共に……眩い光が立ちこめ、4柱の神が降臨する
*「涅苦別斗ネクベト、ここに」
*「闇火守アピス、ここに」
*「破弄廻理首ハロエリス、ここに」
*「威無世帝イムセティ、ここに」
鵺帛主ヤヌス「……時は来たれり……今こそ、人類抹殺計画を発動すべきである」
御座四聖獸みざせいせいじゅう「はっ……仰せの通りに……」
望均羅モイラ鵺帛主ヤヌス様……どうか……どうかお考え直しを!!」
懇願する望均羅モイラ
鵺帛主ヤヌス「出来ぬ。こればかりはな……望均羅モイラ……もうよい、お前は下がれ」
望均羅モイラ「ですが……鵺帛主ヤヌス様……全人類を抹殺するなどと……」
涅苦別斗ネクベト望均羅モイラ……鵺帛主ヤヌス様の勅命に逆らうのか!?人間が滅びたならばまた別の生命を作ればいいこと
 だ……」
望均羅モイラ「しかし……」
闇火守アピス「くどいぞ!望均羅モイラ……お前の出る幕では無い」
望均羅モイラ「……分かりました……」
きびすを返し、去っていこうとする望均羅モイラ
鵺帛主ヤヌス「……望均羅モイラよ……最後に2、3……答えてくれ……」
望均羅モイラ「……はい、何でしょう?」
鵺帛主ヤヌス「……これから始まる戦争の果て……勝者は……神か人間か……」
望均羅モイラ「……それは……」
鵺帛主ヤヌス「よい、答えよ……」
望均羅モイラ「……私の見た運命では……勝者は人間かと……」
破弄廻理首ハロエリス「何だと!?我ら神が負けるだと!?」
望均羅モイラの言葉に驚愕する御座四聖獸みざせいせいじゅう……
鵺帛主ヤヌス「……では、望均羅モイラよ……神を滅ぼした人間は新たな神として世界に君臨するか?」
望均羅モイラ「……いえ……そのようなことはありません。私の見た運命では……」
鵺帛主ヤヌス「……分かった……もう良い。下がれ……」
望均羅モイラ「……はい」
ヴオムッ
そして……望均羅モイラは真界から消えた……
威無世帝イムセティ鵺帛主ヤヌス様……我ら……神が負けるなどと……」
鵺帛主ヤヌス望均羅モイラの運命は……絶対だ……」
涅苦別斗ネクベト「……まぁ、人間にどこまでやれるか見せてもらおうか……」
鵺帛主ヤヌス「……行くぞ……御座四聖獸みざせいせいじゅう……まずは……お前らの力を継ぐ子らを殺せ!」
御座四聖獸みざせいせいじゅう「はっ……全ては鵺帛主ヤヌス様のお心のままに……」
ヴオムッ
消える御座四聖獸みざせいせいじゅう
鵺帛主ヤヌス「……風が……吹く……新しい風が……人と神の間に……我にも……この時が来たのだな
 ……望均羅モイラ……」
陰轟留牡鴉アンゴルモアの脅威は去った……だが……新たなる脅威が……世界に襲い掛かる……それは、神による
人類抹殺計画……果たして……


続

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