Eighter -Grand Harmonise-
45ther 〜双虎は互いを喰う B〜



#3
與鷹よたかを超えるべく、まずは與鷹よたかの所業(=師匠を超える)を超えるために、双虎拳そうこけんの師匠を超えた漢、ろくを
血祭りにあげにきた烈……かくて死合は始まったのだが……
胴崎烈「うおおおおっ!翠虎弾すいこだん」
ドガガガッ
面宮漉つらみや・ろく「がぐっ!!?」
腹に瞬時に3回拳撃を叩き込みろくを弾き飛ばす烈
ろく(くっ……アレ……は!?)
弾き飛ばされつつも、ろくは烈の右手にある蛍石のような刺青のようなものに目がとまる……
ろく(アレが……邪悪の根源……のように思える……)
ズダダンッ
その慧眼は正しいと言えよう……あの蛍石のような紋様こそ、LODの象徴……
烈「はっはっはっは……どうした!?師匠を超えた漢の実力なんてのはこんなものかぁ!?」
じりじり……
列はそのまま悠々とろくの元に……
ろく「……おおおっ!双鎚ふたつい」
ズドガンッ
烈が自分の間合いに入った瞬間、ろくは両の拳で烈の右手……更に蛍石の紋様を挟み打つ
烈「ハッ……」
そんな拳打で……俺を止められると思うか!?
ドクンッ
烈「ぐ……ぐおああああ!!!?」
だが、次の瞬間……烈のその拳打を受けた右手を中心に全身に衝撃が走る……それは……LODを取り込んだ
時と同じような衝撃
烈「が……があああ!!!?ろく……貴様ぁあああ!!!」
左手で右手を抑えつつ、地面を転げまわる烈……
ろく「悪く思うなッ!!悪鐚わるびた」
ドオンッ
更にを収束させたかかと落としを右手に放つろく
烈「ふ……ざけるなぁ!!」
ゴッ
ババッ
痛みを何とかこらえ飛び掛かる烈……に対し、更に距離を置くろく
ろく「ハッ!微釵かすかんざ」
ゴドガガガガガッ
烈「げふはあ!!?」
襲い来る烈に対し、逆立ちをして回し蹴りを叩き込むろく
ろく(いける……このまま……)
ろく「おおおおっ!王鋸きみのこ」
体内に聖なるを張り巡らせ、そのを右手で練り正拳突きとして烈に叩き込むろく
烈「ぐ……ぐあああああああ!!!」
ガッ
ろく「何!?」
そのろくの渾身の一撃を烈が右手で受け止める
烈「ふぅ……ふぅ……ふぅ……ふぅ……」
シュオオオオオオオッ
ろく「ぐっ……こ……これはあ!?」
受け止められた右手から邪気が迸り、聖なるを練った右手が蝕まれていく
ろく「烈……!?」
烈「おおおおおおっ!空虎剪くうこせん」
ガゴオオオンッ
ろく「が……はあっ!?」
そのまま左の拳でろくの頭を思いっきり殴りつける烈

#4
烈「フフフフ……ろく……礼を言うぜ……」
ろく「何ぃ!?」
貴様の先ほどの技により、苦しみから解放され……更に前よりもパワーアップ出来た気がする……と烈
ろく「……」
ズズズズズッ
確かに、聖なるの拳を放ったあの後から……烈の邪悪さに磨きがかかっている
ろく(……本当に……邪悪の塊というわけか……)
聖なる力に打ち消されるのを拒んだかのように、邪気が膨れ上がった……あの紋様には何か意志でもあるのか
……とろく……
ろく(ならばッ……)
グッ……グググッ
再び拳を構え直し、を練るろく
烈「そろそろ、死ねッ!」
ダッ
ろく「ハッ!誠銓まことはかり」
烈が飛び掛かろうとした矢先、それよりも早くろくが動く……そのまま間合いを詰め、烈の邪気を封印せんと
拳を打ち下ろす
烈「無駄だッ!」
パアンッ
ろく「何!?」
だが……ろくの拳が届く前に、烈の邪悪ながそれを阻む
烈「無彩虎襲むさいこしゅう」
ズドドドドドドドドッ
ドガガガガッ
ドドオンッ
ろく「ぐ……ぐごおおあああ!!?」
ズダダン……ダダンダンッ
ガードする暇もなく、拳打を全身にたたき込まれ、ボロ雑巾のようになるろく
ろく(ぐ……ふ……これでは……とても毒鍍ぶすめっきを放てる状態では……ない……か……)
烈「フ……」
ろく「ならば……あとは我が身を賭して……この死合を……終わらすのみッ!!」
ぐぐぐぐ……
体中が悲鳴を上げている中、それを無視して立ち上がるろく
烈「ハッ……まだやるか……いいぜぇ……拳帝もそうやって最後の悪あがきを行うだろう……そして、
 俺はそれを撃つ!!」
ろく獄獣路猟拳ごくじゅうじりょうけん・最終奥義ッ!!炎銃ほむらづつ」
ドゴアッ
爆発的な加速で一気に烈の間合いを浸食すると同時に、そのスピードをもってして体当たりを行い、突きぬける
烈「ハッ……それが最終奥義とは笑わせる……」
ろく「うおおおおぅ!!」
ゴアッ
だが、先ほどのがすべてではない……突きぬけた瞬間に、反転し、再び烈を目がけて突進……
烈「フンッ!白虎堕天びゃっこだてん」
ズバギャアアアアアッ
ろく「!!!!?」
光を奪うと同時に白虎噛びゃっこごうを放ち、更にそのまま勢いに乗じてろくの心臓を刳りだす
烈「フ……フハハハ……フハ〜〜〜ッハッハッハ!!これで……俺は與鷹よたか……貴様を超えた!!」
かくて、満足げに烈はその場を後にする……
※ちなみに、師匠を超えた男を超えたからといって、それが本当に與鷹よたかを超えたことと同義にはならないので
 要注意
與鷹よたかと烈……雌雄を決する時……勝つのは……どっちか!?


END

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