Eighter -Grand Harmonise-
45ther 〜双虎は互いを喰う A〜



#0
自称拳王……通称拳帝たる與鷹よたかに敗れ、そして、LODに手を染めた漢……こんかいは、そんな彼の復讐の旅の
一旦を綴ったファイル

#1
京都府、某所
胴崎烈「探したぜ……面宮つらみや……面宮漉つらみや・ろく面宮漉つらみや・ろく「……誰かと思えば……貴方ですか……烈」
一体、何の用で京都府まで来たのですか!?とろく
烈「フッ……貴様は俺の師匠……小手川綸より強かったと聞く……」
ろく「……それで……?」
烈「……貴様は、双虎拳そうこけんを抜けだし、獄獣路猟拳ごくじゅうじりょうけんを編み出した……」
麒麟児ろく……貴様は師匠より強い漢……故に殺す!とフザけたことを言い出す烈
ろく「何を言い出すかと思えば……」
烈「拳帝……奴を超えるには……まず、奴の所業を越えなければならん……すなわち、奴が師匠を超え、
 今の地位にあるのなら、俺は師匠を超えた漢を超えてこそ奴を超える!」
ろく「……」
どんな理屈だ!?それは……と内心思いつつ、ろくろく双狼拳そうろうけん與鷹よたかに関しては気になってはいた……
若干二十代で、拳法界の頂点に君臨する双狼拳そうろうけんを極め……更に、双狼拳そうろうけんが封印してきた荒ぶる絶技、裏奥義
を会得した裕すら打ち砕いたと言う……
烈「さぁ!貴様の獄獣路猟拳ごくじゅうじりょうけんを見せてみろ!」
ぐおあっ
一足飛びにかかる烈
ろく「……貴様ごときに見せる拳ではない……立ち去れ……」
すすっ……
ドゴアアアッ
烈「なっ!?」
烈の猛攻を半身退いただけでアッサリと回避するろく
烈「……んてなぁ……蒼虎薙そうこていッ!」
ガオンッ
そのまま薙ぎ払うかの如く拳をろくに見舞う
ろく(クッ!?これは……)
ひゅばうっ……
その禍々しくもキレのある技に思わず距離を置いて回避するろく……その頬には冷や汗がひと筋……
つうっ……
ろく「……何を手に仕入れたかは知らんが……降りかかる火の粉は払わなければならんな……」
ぐぐぐっと拳を構えるろく
ろく「いいだろう……貴様が手にした力……見せてみろ!……面宮漉つらみや・ろく……行くさッ!」
烈「おおおっ!黄虎蹄おうこてい!」
ゴガウッ
ろくの腹目掛けて抜きてが飛ぶ
ろく「フン……絶鉋たちがんな」
キュゴガアッ
烈「ガッ!?」
腹を目がけてきた一撃を回避すると同時にカウンターを繰り出すろく
ろく「相手が悪かったな……かつて双虎拳そうこけんを学んだ私を相手に双虎拳そうこけんで挑むとは……愚かなり……烈……」
あの頃……同じ師匠の元修行していたころと同じように、地を這うがいいッ!
烈「紅虎爪こうこそう!」
ズドゴンッ
ろく「ガハッ!?」
しかし、ろくのカウンターをものともせず、烈はろくの首目掛けて殴りかかる……
ズドゴアアッ

#2
ろく「げっ……げはっ……」
烈「あの頃の俺は死んだ……俺は……もはや、拳王に非ず……拳神ッ!!」
あの頃のことを言う貴様は……生かしてはおけん!と若干怒り気味……
ろくろくで流石に挑発しすぎたか……と若干後悔……
ろく「……け、拳……神……!?」
喉への一撃のダメージからまだ回復しきっていないろくがよろよろと呟く
烈「そうよッ!……面宮漉つらみや・ろく……貴様は拳神、烈の最初の贄となれッ!……おおおおっ!黒虎咬こっこきょう」
ギュゴアッ
一気に間合いを詰め、そのままろくの心臓目掛けて抜きてを放つ
ろく斬鈍きりにび」
ガカアアッ
眼にも映らぬ超光速の拳打を放ち、烈の一撃を受ける
烈「ハッ!それが貴様の全力かぁ!?……大したことねぇなぁ……」
ビキッ
ズズウウンッ
ろく「ぐっ……がああっ!?」
スピードは威力に比例する……超絶なるスピードと威力を誇る一撃を……烈のただの重い一撃が凌駕する
ろく(ぐっ!?馬鹿な……奴は……奴は……一体……何を会得したという言うのだ!?)
先ほどの一撃で腕の骨に罅が入ったろくは……ひとまず後退して体勢を立て直そうと
烈「ハッ!遅いッ!そして、恐るるに足らず!」
ゴッ
だが、そんな隙を逃す烈では無かった……瞬時に間合いを詰められ……
烈「白虎噛びゃっこごうろく「くっ」
ズドゴアアアアアッ
左肩を狙うと同時に食いちぎるが如くもぎ取る烈の技を何とか回避……背後の大木がなぎ倒される
ろく「……金殺かねとり」
ズゴガガガガガガガガガガガガッ
攻撃を繰り出した直後は無防備になるものだ……とろくはそのまま烈に対し何度も何度も拳打を浴びせる
ろく「おおおおッ!薄針うすばりッ!賊鎧そこなよろいッ」
更に間髪いれずに左手から繰り出す一本拳で烈の肩を刳り、右手で繰り出す体重をかけた重い一撃で烈の腹を
殴りかかる
ドドンッ
烈「……」
ろく「……」
そのまま微動だにせず2人は睨みあう
烈「フ……フハハハハ……フハ〜〜〜〜ッハッハッハッハ!!」
ろく「何がそんなに可笑しい……」
烈「貴様の力……師匠を超えたとかいう獄獣路猟拳ごくじゅうじりょうけんも……この程度か!?」
グキッ
ろく「ッ!!!?」
左手の一本拳……人差し指がへし折られる
烈「死ねぇあああ!!!」
ゴアッ
そして、烈の裂帛の気合が辺りを駆け抜ける……
果たして……この死合……どうなる……のか!?


続

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