Eighter -Grand Harmonise-
40ther 〜遥かな究極の雀牌 A〜



#0
……これは究極の雀牌にまつわる事件のファイルである……『究極の雀牌』とは一体何か……何故『究極』
なのか……それは……
そして、事件とは一体何なのか……全ては……ある科学者の発明から始まった……

#1
東京都、言八区いうぱっく研究所
言八区丗郎いうぱっく・さんじゅうろう「出来たぞ!!!これこそ……究極の雀牌と呼ぶにふさわしい!!フフフ……フハハハハ……
 私は……天才だあああ!!!!」
完成した雀牌を前に叫ぶ漢……
※しかし、この人、一体何の為にそんなものを開発したのでしょうか……謎ですな……
そして……事件はその夜に起こった……
*(なるほど、これが究極の雀牌か……って、どこが究極なんだ?ただまっ黒なだけじゃないのか!?)
ベルトコンベアの上に置いてあるケースを開いて中を見る漢
*「まぁ、いい……有難く貰っていくぜぇ……フフフ……」
ゴロゴロゴロゴロゴロ……
そして、漢は究極の雀牌をベルトコンベアにのっけて移動、盗んでいくのであった……
・
・・
・・・
翌日……
丗郎さんじゅうろう「な……なあああ!!!?私の……究極の雀牌がああ!!!?」
昨日まであった究極の雀牌が今朝、忽然と消えていることを発見し、嘆き、叫ぶ漢
*「博士……」
その叫び声に助手も急いで駆け付ける
丗郎さんじゅうろう「だ、誰が……誰が盗んだんだ!?私に技術の結晶……究極の雀牌!!」
ぐああああ!!!っと頭を掻きむしって錯乱状態に陥る漢
*「博士、落ち着いてください博士ぇ!!」
*「たかが雀牌に……何をそこまで……」
博士も博士で……一体何を……と思っていたのだが、トンでもないことを言い出す博士
丗郎さんじゅうろう「何を言うか!?あの究極の雀牌には私が作り上げた新元素が使われているんだぞ!!」
一同「んなっ!?アレですかぁ?!」
※そんなものを雀牌に使用するな……と言いたい。
丗郎さんじゅうろう「くっ……こうしちゃおられん……どこかに産業スパイが紛れ込んでいたのか!……・まさか、お前ら
 が産業スパイではあるまいな……むぅう……」
ギロリと助手一行を睨みつけ、1人疑心暗鬼に陥る博士
*「は、博士、落ち着いてください」
*「そうですよ、こういう時こそ冷静にならないと……」
丗郎さんじゅうろう「……ああ、そうだな、こういう場合だからこそ冷徹に全員を解雇せねば……」
一同「だから、博士ぇ!!!」
『冷徹』じゃなく、『冷静』ですと、一同は叫びつつ、そのあともひと騒動あったのだが、どうにかこうにか、
助手が総動員で博士を落ち着かせることに成功する。
・
・・
・・・
*「博士……こうなったら、あそこに依頼しましょう!!」
丗郎さんじゅうろう「あそこ……とな!?」
……かくて、丗郎さんじゅうろうはその場所へと向かう……
※無論、その場所ってのはEighter本部ですが……

#2
天四斗あまよと、Eighter本部
ゴンゴン
雨水おぼろ「はいは〜〜い。依頼の方ですか!?」
丗郎さんじゅうろう「……ああ、そうだ……頼む、儂の依頼を聞いてくれ」
ガバッ
ドアを開けるなりいきなり土下座する丗郎さんじゅうろう
おぼろ「ちょ……ちょ……」
いきなり土下座されてどうすればいいのかよくわからないおぼろ……と、そこへ與鷹よたかが参上
梓與鷹よたか「と、ともかく、ソファーに座って……詳しくお話願います」
余程のことなのであろうと、事態を重く見た一行は話を聞くことに……丗郎さんじゅうろうをソファーに座らせると……
丗郎さんじゅうろう「……うむ、実はですな……」
満を持して語り出す丗郎さんじゅうろう……
※無論、博士の依頼は言うまでもなく『究極の雀牌』の奪還である
一同「はぁ!?『究極の雀牌』!!!?」
何事かと思いきや雀牌!?と一行は呆れる……のだが、おぼろだけが共感することに……
丗郎さんじゅうろう「はい。私は……新たな元素を作ることに没頭しておりまして……ついに!」
與鷹よたか「いや、ちょっとまって……」
突然、話がおかしな方向に進んだので、すかさず突っ込む與鷹よたかおぼろ「リーダー……話は最後まで聞くものです」
與鷹よたか「む、そうか……ってあのな……」
冷静になるも、よくよく考えると、こっちが正しいということに気が付き反論する與鷹よたか……
與鷹よたか(何だって元素を作る人が雀牌なんぞ作るんだ!?)
おぼろ(まぁ、リーダー、落ち着いて話を聞きましょう)
『雀牌』……と聞いてやる気満々なおぼろ……流石『東のおぼろ』だ!
……ともかく、與鷹よたかも一応話を最後まで聞いてみることに……
丗郎さんじゅうろう「そして……苦労の末、密度5.977×104g/cm3を誇る新元素、元素No.121 Cioカオスイリオスミウム
 なるものを作り出したのです」
おぼろ「……科学とか物理って苦手で一体どんなものなのかサッッッッッパリ分からないわ……」
雀牌からいきなり科学の話に飛躍したのでついていけないおぼろ……
丗郎さんじゅうろう「ま、簡単に言いますとCioカオスイリオスミウムで19.5×26.0×16.5mmの物質を作ると重さが約500kgになると言うことですな
 ……」
しれっと解説する丗郎さんじゅうろう
與鷹よたか「……いや、あの……」
Cioカオスイリオスミウムと究極の雀牌にはどんな関連性が!?そして、何故博士は『19.5×26.0×16.5mm』なんてよくわからない
数値を出したのか……


続

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