Eighter -Grand Harmonise-
36ther 〜世にも正しい誤り B〜



#3
『私は無事です……』無実の誤字であると思しき遺書を残して留置所で死亡した男性……だが、その事件の
背後にはなにやら大きな組織が関わっているような模様……そして、今、事件の真実を知るというアヤしい
風貌の男が警視庁へやってくる……
警官「かみ警部……こいつは……誰なんです?!」
警官「警部の知り合いですか!?」
こんなアヤしげな漢を警察署に招き入れるなんて……何を考えているんですか!?と疑問が浮かび上がる警官
かみ総介「……」
そんな中、歩みを止め、漢に振り向く総介……
総介「……この漢は……風宮三郎だ……」
*「……さすがはかみ警部さん……最後まで欺けるとは思っていませんでしたが……」
一同「な……にぃ!!?」
変装を解く男性……と、それは先日留置所で自殺した風宮三郎であった……突然の出来事に、一同は騒然
警官「かっ……かかか……かみ警部!!?こ、これは……一体!!?」
総介「つまり、あの遺書は別に誤字などでは無かった……真実が記されていた……だが、人は勝手に誤字
 だと決めつけていたと言うわけだ……いや、遺書ではないか……書置きか……」
『私は無事です』
……あの遺書は……正しかったのだ……
警官「かみ警部……じゃ……じゃあ……留置所は……グルだったと!?」
山咲やまざき桜「いえ、ちゃんと死亡診断書も出ていますし……現在彼の屍人形は遺体安置所に保管されてますよ」
警官「だったら……なぜ!?」
それじゃあ、辻褄が合わない……双子の弟とか!?……などと警官が騒ぎ立てる中、総介は続ける
総介「……使ったオーパーツは……何だ?」
風宮三郎「……偽葬工作器デッド・フェイカー……その名前の通り死を偽装する人形を作り上げる代物だ……」
総介「フン……まぁ、そんなことだろうな……」
大体予想はしていた総介ではあった……だが、警官一行は……何のことやらさっぱりの様子……
※ちなみに、総介はそれに関して説明は一切しません。……あまり知られても困るものでね……
警官「……あなたは既に死亡扱い……じゃあ……一体……自らの死を偽ってまで……何を……
 どんな真実を伝えようというのですか!?」
最もな疑問をぶつける警官が1人
三郎「……全てはこのマイクロSDカードにあります……」
すっとマイクロSDカードを差し出す三郎
総介「……それが……犯罪組織、Cure Clash Clubの悪事と構成のリストか……」
一同「え……ええぇえええ!!?」
突然の出来事に更に騒然とする警官一行……

#4
三郎「……かみ警部……」
総介「……ああ、分かった……」
しっかりとそのデータを受け取る総介……
警官(あの、謎の犯罪組織、Cure Clash Clubの詳細なデータを持っているだなんて、こいつ……何者!?)
三郎を見る目つきが変わる警官一行……
警官「……じゃ、じゃあ……もしかして……あなたの妻子を殺したのは……」
三郎「……そうだ……Cure Clash Clubだ……!」
警官「な……何と!!」
三郎「……俺は、組織の手により自分で妻子を殺した……かのように見せかけられた……」
警官「……なぜに!?」
総介「だから、組織のデータを持っているからだろうが……」
警官「あ、そうか……」
少し考えれば分かることなのに……だからこそ、無能警官なのではあるが……
三郎「そして、俺は留置所送り……その時点で、俺は、組織のデータを家に残したままだった……」
桜「なるほど……留置所にいる限り、組織のデータを持ち出せない……そして、その間に組織はそのデータ
 を持ち出し、隠滅するかもしれない……」
三郎「ああ、だから、俺は偽葬工作器デッド・フェイカーを使い、屍人形を作って、その場を脱走した」
警官「ちょ、ちょっと待ってくださいよ……」
総介「オーパーツとはそんなものだ……それに原理など問うな……ブラックボックスだと思え……」
警官「いや、そうではなく、屍人形を作ったのはいいとします。でも、どうやってその後脱走したのですか」
三郎「……偽葬工作器デッド・フェイカーの機能の1つだ」
総介「……ほう?偽葬工作器デッド・フェイカーは屍人形を作るだけのオーパーツでは無いのか?」
三郎「ああ、屍人形を作り、そして、人の目をそこに集中させる」
総介「なるほど……自分自身は人の目には映らない……と、いうことか……」
流石はオーパーツ……などと感心する総介……
・
・・
・・・
かくて、彼の持ち込んだ情報により、犯罪組織・Cure Clash Clubは壊滅の憂き目を見ることとなった……
また、自殺者が出て騒動となった留置所では、自殺したと思われたのが、実際は屍人形でした……とまでは
放送されたが、じゃあ、どこからそんなものを出したんだ!?とか、鏡花水月でも持っていたのか……などと
突っ込みの連続で頭を抱えているそうだ……
※ちなみに、偽葬工作器デッド・フェイカーはEighter、ひいてはルシャーティーの管理の下、保管されることとなりました


END

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