Eighter -Grand Harmonise-
36ther 〜世にも正しい誤り A〜



#0
これは、色々なな意味で世間を騒がせ、そして、驚かせた事件を綴ったファイルである……

#1
東京都、某留置所
現在、ここで妻と子供を殺害した容疑で1人の漢が留置されている……漢の名前は……
バタムッ!!
突如、管理室に、飛び込んでくる警官が1人
警官「た、大変だ!!彼が……風宮三郎が自殺……を!!」
警官「な……何ぃ!!?」
……そう、彼の名前は、風宮三郎……妻と子供を殺した容疑で留置所に送られていた漢である……
警官「馬鹿者!なぜ、気付かなかった!?……なぜ、気付けなかった!!?」
叱咤する警官……しかし、気が付いたら……と警官が付け足す……
警官「クッ……」
警官「……それで……あの……遺書らしきものが……あるのですが……」
警官「何!!?」
貸してみろ……とその遺書を奪い去る警官
一同「……何だ……これは!?」
……だが、それは……奇妙な遺書であった……
警官「これは……どういう……?」
『私は無事です……』
その遺書には……ただ一言だけ、そう書かれていた……
警官「……無実です……の間違いでしょうかねぇ?」
一同「……」
誰も無実を認めてくれないのなら……いっそのこと……そう考えて自殺を図ったのか……
・
・・
・・・
かくて、この誤字遺書留置所自殺事件は世間を騒がせた……留置所で自殺が起きるなどと、前代未聞の事件に
留置所の管理体制はどうなっていたのか!?また、尋問の有無は!?……など連日マスコミが詰めかかる……
……一方そんな中……
東京都、暗黒街、某バー
*「奴は……死んだ!!」
*「ああ、これで、我らを脅かすものは……何もない!!」
風宮三郎の死亡のニュースを聞いて、安堵する連中も存在した……
※待て……風宮三郎……アンタ、一体……何者!?
*「……しかし、ボス……あの情報は……本当だったんでしょうか!?」
だが、そんな中表情が芳しくない漢が1人……
*「あ?何がだ!?」

#2
*「いや、だから……風宮が我ら、Cure Clash Clubの犯罪履歴と組織構成のデータを持っているっていう噂
 ですよ……」
一同「……」
その1人の漢の言葉に、一行が沈黙する……風宮三郎……そいつは……ここにいる犯罪組織の面々にして
みれば、眼の上の瘤のような邪魔な存在……姦計を張り巡らせ、何とか妻子殺しの罪を着せ、留置諸に放り込
み……そして、自殺……ここまでトントン拍子でうまく行ったことに……何かちょっと不安を隠せない一行
でもあった……
*「ハン、死人に口なし……最早どうだっていいこと……」
その、犯罪組織のリーダーらしき人物が告げる……が、突如言葉を区切る
一同「ボス!?」
*「……とも、言ってられないか……何、デマだったということもありえるが……もしかしたら……
 と、いうこともあり得る。……念には念をだ……明日、家探しを行うぞ!」
一同「ハッ……ボス……」
……何やらこの自殺事件……トンでもない事件に繋がっていそうである……風宮三郎……彼は本当に
……自殺したのか……!?
・
・・
・・・
……そして……その翌日……
東京都、風宮家
*「……ボス……」
*「……ああ、どうやら、あの噂はガセだったようだな……」
警察のフリをして家探しに来た組織の一行は……屋敷中をくまなく探したが……それらしきデータは何も
出てこなかった……
*「ボス……まさかとは思いますが……既にサツの手に渡っている……と、そういうことは考えられ
 ませんか?」
と、ここで、不安を煽る下っ端……
*「だとしたら……我ら今頃、白日の下に晒されているわ……」
*「……ですよね……」
たった1人の漢を相手に……何を恐れていたのか……と組織の一行は自嘲する……
*「フ……つまらん噂だったが……あの漢が俺達の縄張りシマでよく見かけたからこうなったんだ
 ……馬鹿な漢の末路というのは……下らないものだな……」
そして、組織一行は安堵感を覚え、闇へと帰っていく……
・
・・
・・・
一方その頃……
東京都、警視庁
警官「……な、何だ!?アンタ!?」
組織が家探しに風宮家を訪れたその日、警視庁にサングラスをかけた口髭のいかにもアヤしい漢がやってくる
*「……私は……誤字遺書留置所自殺事件の真実を知る者……」
警官「はぁ!?」
漢は突如そんなことを語る……
*「かみ総介と連絡を取りたい……」
警官「そんな……ことを言われましても……」
警官(大体、お前みたいなアヤしい奴を警視庁の中に入れられるかってんだ……)
*「いいだろう……入ってもらえ……」
警官「かみ警部!?」
だが、総介はアッサリとそれを許可する
総介「……そろそろ来るころだろうとは思っていた……こちらとしても聞きたいことは多々ある……」
*「……」
そして、漢は警視庁の中へ消ゆ……
……この漢、一体、何を知っているというのか!?……真実とは……一体!?


続

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