Eighter -Grand Harmonise-
32nder 〜私怨なき怨みの漢 B〜



#3
ある日、そうのもとへやってきたのはそうが自分の兄弟、しいた脆汰ぜいたを殺した仇だと思い込んだ頭のちょっと弱い
殺人料理人、月宮威雄汰つきのみや・いおた……かくて、そうは死合に応じるかと思いきや……みずちおろちにまかせて見学する……
ああ、彼の真の仇、萌は今いずこ……?
月宮威雄汰つきのみや・いおた「ぬうううう!!」
ババッ
チャキッ
反輝魅苦パンデミックを構えなおす威雄汰いおた
威雄汰いおた「……ならば、貴様に見せてやろう……未知葉呂みちばろ斬人流ッ!!短冊斬り」
ドドドドドドドッ
そのまま何度も何度も縦に斬り下ろす
安村おろち「あまいよオッサン」
おろち、それを難なく回避……
威雄汰いおた「ふん……だが、甘いわッ!!やっこ斬り」
ザザンッ
回避されたことに構うことなく、みずちに十文字斬りを放つ
安村みずち「ハズレ〜〜」
……だが……それも、軽く回避される
威雄汰いおた「はぁ……はぁ……はぁ……おのれぇ……ガキ風情がぁ……」
反輝魅苦パンデミックを握りしめ、いきり立つ威雄汰いおた
※ってか、二兎を追うものは一兎も得ず……まずはどちらか片方を始末する……ってな考えで行きましょう
 よ……(をい、作者……お前、なんてことを……)
おろち「そういうオッサンこそたかがガキに大人気ないぜ?」
威雄汰いおた「……よかろう!ならば未知葉呂みちばろ斬人流、奥義創作料理を見せてくれるわぁ!!」
チチキッ
本当に大人げない威雄汰いおた反輝魅苦パンデミックを構え直す。
※ってか、おろちと会話がかみ合ってません……
威雄太「ハアアアアア!!!!未知葉呂みちばろ斬人流ッ!!墓琉死血ボルシチ!!!」
ドッ
刺突の構えでまずはみずちに突進する
威雄汰いおた「死ねぇあああああ!!!!」
みずち走牙勢そうがせい!」
ゴガッ
対して、みずちも突進して刺突を放つ
威雄汰いおた「バカが!重量の差を考えろぉお!!」
と、叫びつつも、殺った!と内心ほくそ笑む威雄汰いおた……確かに、大人と子供とでは……力にどうしても違い
がある……
みずち「そういうあんたこそ、まさか敵が1人だけだなんて思っていないでしょうね?」
威雄汰いおた「ぬ……!?」
まずは、片方から……その発想は確かによかった……だが、よかったのは発想だけだ……
ヒュゴアッ
そして、背後よりおろちが迫りくる

#4
威雄汰いおた「同志討ちでもしやがれ!」
サッ
すぐさま横に飛び退る威雄汰いおた……
おろち「チッ」
ザガガガガガッ
緊急回避……クローンであることも相まってか……正面衝突することなく、回避に成功……
威雄汰いおた「ハァ〜〜〜〜ッハッハッハッハ!!遊びはここまでだ!」
グオンッ
いつの間にか背後を取る威雄汰いおた……そして、反輝魅苦パンデミックが2人に迫る
おろちおろち「ハッ!回伏勢かいしせい!」
斬り下ろしと斬り上げをセットで行うみずちおろち
威雄汰いおた「愚かなッ!我が反輝魅苦パンデミックは相手のエモノを破壊する」
そのまま砕け散るがいいわ!!と咆える威雄汰いおた
ガッ
ビキッ
威雄汰いおた「ん……なぁ!?」
しかし、反輝魅苦パンデミックの方にヒビが入る
威雄汰いおた「バッ……馬鹿なッ!?」
ビキビキビキッ
更に広がる亀裂……そして、一度振り下ろしたものは、そう簡単に退くこと叶わず……更に、みずちおろちの技は
斬り降ろしと斬り上げのセット……
バキャアアアッ
者の見事に反輝魅苦パンデミックを叩き折られる威雄汰いおたであった……
威雄汰いおた「ぬおっ!?……我が反輝魅苦パンデミックがぁ!!?」
武器破壊を行うつもりが逆に武器を破壊され……そのまま呆然自失な威雄汰いおた
殺人包丁とはいえ、日本刀・グラム、日本刀・レーヴァティンの前に成す術もなかった……と見える
みずち「ゲームオーバーだよ。おじさん」
ひゅっ
そこへみずちが駆けだす
威雄汰いおた「はっ!?」
ザザザザザッ
我に返り、一気に後退する威雄汰いおた
威雄汰いおた「まだだ!まだ終わらんよ!!……殺人者料理人魂……しかと見ろ……」
すぐさま次のエモノに手をかける威雄汰いおた……だが、それよりも早く懐に飛び込むみずちおろち
威雄汰いおた「ぬ……」
みずちおろち白閃勢はくせんせい!」
ドドドドドドドドドッ
2人で4つの剣閃を放って威雄汰いおたを斬り刻む……それが、決め手となった……
威雄汰いおた「お……ごえあああああ!!!!?」
ドダダンッ
ここに勝負は決した……そのまま大地にひれ伏す威雄汰いおた
・
・・
・・・
ザリッ
斎藤そう「……死なないだけよかったな……」
威雄汰いおた「な……にを!?」
そして、傍観していたそうが駆け寄り、語る……
そう「多分お前の……真の仇が相手なら今頃、お前は死んでいた……自身の無知さに感謝するんだな」
威雄汰いおた「俺の……お前が……仇では……無い……だと!!?」
では……一体……誰が!?などと考えている間に、そうみずちおろちと一緒にその場を去っていく
そう「行くぞ、みずちおろちみずち「はぁ〜い」
おろち「ふん……」
スタスタスタスタスタッ
そして一行が去って行ったあとで……威雄汰いおたは叫ぶ
威雄汰いおた「俺の……俺の……いや……しいたと脆太の仇は……一体……誰なんだあああああ!!!!」
そんな叫び声が虚しくこだまする……
※ちなみに、彼は最後の最後まで、自分の仇が萌であることに気が付きませんでした。
……まぁ、萌に挑んだら間違いなく料理されるのはアンタの方なので……これはこれでよかった……
のだろうか!?(いや、本人の気分的にはよくないでしょうに……)


END

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