Eighter -Grand Harmonise-
32nder 〜私怨なき怨みの漢 A〜
#0
これは……とある漢の復讐を綴ったファイル……しかし……その男は……いろいろと間違っていた
のだが……中でも一番間違っていたのは……
#1
某所
*「くっそう!……虐、脆太(……お前らの仇は俺が殺ってやる!……だからな……安らかに……
眠れよ!」
涙ながらに語る漢……彼は殺人料理人、未知葉呂(九三郎の弟子にして……虐(、脆太(の兄弟でもある……
スペリオルなお方……
・
・・
・・・
天四斗(、某所
斎藤弐((今日のメニューは……)
蛟(、蟒(の剣の修行のために、メニューを考える弐(……と、そんなとき……そいつはやってきた……
*「……見つけたぞ!!斎藤弐(ゥウウウ!!!」
弐(「……」
安村蛟(「……何?おじさん?」
その、行く手を遮るは真っ赤な装束の料理人
*「フッ、俺の名前は月宮威雄汰(!11番目の漢と呼ばれている!!」
別に聞いてもいないのに名乗りだすι……
弐(「……で?」
そんな威雄汰(に何の興味もない弐(……しかし、一応話だけは聞いてみることに……
月宮威雄汰(「弐(……キサマに私怨は無いが……虐(、脆太(の仇!死んでもらう!!」
ビシイイッ
指を指してセリフを極める……
一同「……」
だが、暫しの沈黙……
安村蟒(「おっさん……そう言うのを『私怨がある』って言うんだよ!」
で、的確に見事に突っ込む蟒(
威雄汰(「黙れ!小僧!!」
蟒(「だれが漢だ!」
売り言葉に買い言葉……事態はなんだかどうにも一足触発な雰囲気に……
蛟(、蟒(「……」
威雄汰(「……」
しゅららんっ
そして、威雄汰(は無言で大きなパン切り包丁のようなものを2本構える
※物凄い荒い鋸のような刃の剣なので、見た目は凶悪です。
威雄汰(「この殺人包丁、反輝魅苦(で、貴様を滅殺(してくれるわ!!覚悟決めろ!!
弐(!!」
蛟(「へぇ……」
蟒(「そう……」
蛟(、蟒(も抜刀しかけると……
弐(「……下がりなさい……蛟(、蟒(」
弐(は2人を下がらせる
蛟(「はぁ〜〜い」
蟒(「……」
と、言うわけで、弐(の後ろまで下がる2人。
……蛟(は素直に応じたが、蟒(は不満そうです。余程死合いたいのか……
弐(「……虐(も脆太(も……生憎知らないんだがね……」
スラッ
ともかく日本刀・アロンダイトを抜刀しながらそう語る弐(
#2
威雄汰(「黙れ!黙れ!虐(と脆太(は閣氏(新撰組の数少ない生き残りに殺られたって話だ!……だから、こうやって
閣氏(新撰組の唯一の生き残りであるお前の前に来たのだ!!」
弐(「……」
なんだか間違ってはいないが、間違ったことを叫ぶ威雄汰(
蛟((閣氏(新撰組の『唯一』の生き残り!?……確か、萌のお姉さんも生き残りだったよね?)
蟒((……ま、アイツ、バカなんじゃないの?……)
と、そんなことをひそひそと話し合う蛟(、蟒(……
※ちなみに、なぜ萌が忘れ去られているのかは……多分、弐(は閣氏(新撰組壊滅後も新撰組としての活動を行って
いるが、萌はそうでは無いので、もはや忘れ去られたのかと思われる……
……しかし、萌は萌でブラックバージョンの段だら羽織を着ていたような気がするが……おそらく、萌は
ただのコスプレ……と思われているのであろう……
パチリッ
いざ死合う……かと思われた矢先、なぜか納刀する弐(……
くるり
……そして背中を見せる
威雄汰(「ああ!?」
貴様、馬鹿にしてるのか!?と威雄汰(……
弐(「やめだ……」
今日は気分が乗らない……とかそんなことではなく、自分が死合うに足らない相手だと判断した弐(……
死合を放棄する……
威雄汰(「なっ……ふざけるなぁ!!」
ドッ
そんな弐(の態度に黙っていられるはずもなく、一足飛びに掛かる威雄汰(!
ガギギンッ
威雄汰(「ぬ!?」
だが、その一撃は蛟(、蟒(の2人に阻まれる
弐(「お前らに任せた……剣の修行にもなる・・日頃の成果を見せてみろ……」
振り返らずにそう言い放つ弐(……もしかしたら、蟒(の死合いたくてうずうずしていたのを察知し、譲った……
のかもしれない……
蛟(「はぁ〜〜い」
蟒(「……ってワケだ……覚悟しなおっさん!」
日本刀・グラム、日本刀・レーヴァティンを構え、蛟(、蟒(が挑む!
威雄汰(「ぬ……ぬぬぬ……標的(が……しかも、ガキの分際(で俺に勝てると思うなぁああああ!!!」
ブンッ
スカアアッ
威雄汰(「な……にぃ!?」
馬鹿にしやがってぇ……と怒りに任せて反輝魅苦(を振るうも……あっさりと回避されてしまう
蛟(「私はここだよ?」
威雄汰(「ぬ……ぬぐぅう……」
チチキッ
背後からの声に、反輝魅苦(を構えなおす威雄汰(
蟒(「おっさん……料理人ならこの諺(を覚えとけ!『山椒は小粒でもピリリと辛い』」
更に、蟒(からも追い打ち……
威雄汰(「ガキがぁ!!微塵切りにしてカレーの隠し味にすっぞ!」
なんだか始終押され気味の威雄汰(……これはやっぱり逆に料理されてしまうのだろうか……
それとも……
続
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