Eighter -Grand Harmonise-
28ther 〜拳王と拳帝の因縁 A〜
#0
これは……とある漢の復習劇を描いたファイルである……
そして……その復讐心が……世界を歪ませる礎になろうとは……この時誰も思いもしなかった……
#1
天四斗、羅門(道場
梓與鷹(「天地のじいさん……生きてっか〜〜〜」
ここは、與鷹(の学んだ拳法の道場……最も、既に與鷹(は双狼(拳の伝承者であり、この道場も実質的には與鷹(
が受け継いだものであり、與鷹(の遺産と言っても過言ではないのだが……
*「……フッ……勝手に殺すな……與鷹(」
コツコツ……
道場の奥より出てくる白髪の老人……彼は羅門(天地……與鷹(の師匠であり、拳翁(と呼ばれる拳法界の重鎮
が1人である……
與鷹(「元気そうで何よりだね、じいさん」
天地「フッ……」
久しぶりに與鷹(が訪れたことにより、心なしか嬉しそうな天地
天地「……お前が尋ねてくるとは……どういう風の吹き回しだ?」
與鷹(「いや……なんとなく足が向いただけ……かな?」
天地「……そうか……」
どかりっ
そのまま外に設置してあるベンチに座る2人……
與鷹(「……天宮……は俺が引導を渡してやった……」
ぽつりと呟く與鷹(……今日は、その報告も兼ねているのか……
天地「……すまんな……」
その與鷹(の呟きに……天地も呟く……
與鷹(「……ん?……別に、アレはじいさんの指導が悪かったわけじゃないだろ……」
ただ、あいつが力に魅せられ……魔道に落ちた……じいさんに落ち度はない……と與鷹(は続ける
天地「いや……引導を渡すのは……きゃつの師匠たるこの儂の役目じゃった……だが……儂にはそれが
できなんだ……」
慙愧の念……
與鷹(「……じいさん……」
だが……双狼(拳、裏奥義を手に入れた裕を相手にするには……自分でなければ危うかったのでは……など
と考える與鷹(……しかし、それを口にするのは……憚(れる……
與鷹(「……」
天地「……」
そのまま会話が途切れ……沈黙してしまう両者……
・
・・
・・・
天地「フッ……」
と、ここで、突如笑みがこぼれる天地
天地「……どうじゃ……折角来たんじゃ……昔話でも1つ……?」
このまま終始無言でいるのも気が引けるのか……話題を振る天地
與鷹(「……昔話ねぇ……」
そのまま與鷹(は過去を回想……
天地「……覚えて居るかね……與鷹(……お前が拳帝として道場を轟かせた……あの出来事を……」
與鷹(「……あの事件ね……」
與鷹(もその出来事を思い出す……
……それは……今から数年前の話……
#2
元々俺に拳の素質があったのか……俺は習得が非常に困難とされる究極の拳法、双狼(拳を簡単に習得し、周り
からは拳帝……と呼ばれるようになったころだった……
……そんないつもの練習の時……そいつは現れた……
*「おうりゃは!!」
ドゴシャアアアッ
*「ごへああああ!!!?」
突如1人の漢が殴り込み、門下生を吹き飛ばす……
天地「……道場が騒がしいのう……」
奥座敷から道場へとやってくる拳翁(……
*「はっ……師匠……ど、道場破り……です」
天地「……分かっておるわい……」
*「ニィ……キサマがこの道場の主か!」
天地「……左様、儂がこの羅門(道場の……羅門(天地じゃ……お主の目的は何じゃ?言うてみぃ」
*「フッ……強き相手を殺すこと!ジジィ……相手しな……」
天地「強き相手?……フフフ……お主が行っていることは弱いものいじめじゃよ……」
ピクッ
*「弱いものいじめ!?……キサマ!!この……双虎(拳の拳王たる胴崎烈様に対して何たる暴言!!楽に
死ねると思うなよ!!」
*「双虎(拳の……」
*「拳王……!?」
*「なっ……あの暴虐非道の拳王か!?」
天地「お主が……」
天地(暴虐非道なじゃじゃ馬……自称拳王……やれやれ……厳しいかもしれんが……ここは1つ老骨に
鞭を……)
ポンッ
肩を叩く漢……
天地「む!?」
與鷹(「じいさん、無理することはない、俺が相手をする」
天地「……フッ……よかろう……」
胴崎烈「ああ?何だ?テメェ!?ザコに用は無いんだよ……」
與鷹(「ザコかどうか……やってみるか?」
ゴアッ
烈「ぬ……!?」
氣(が走り、地面が炸裂する
烈(コ……コイツ……)
與鷹(「……今のは……わざと外した……」
烈「フッ……何が外しただ!?……ああ!!?俺の氣(によって外れただけだろうがぁ!!」
グオアッ
一気に間合いを詰め、
烈「あまりフザけたことをヌかすんじゃねぇ!黄虎蹄(!」
ドギャオアアアアアアッ
與鷹(のハラに強烈な一撃……そのまま弾き飛ぶ與鷹(
ドダダンダダンダダン……
烈「ハッ!この俺の一撃を喰らって生きているヤツぁいねえんだよ!!」
與鷹(「だったら、俺が最初の1人ってワケだ……」
烈「な……何ぃ!?」
バッ……ババッ
当りを見渡す烈……だが……その声の主は現れない……
與鷹(「うん?俺……おれはここだぜ……」
果たして……與鷹(は……どこに!?
続
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