Eighter -Grand Harmonise-
26ther 〜復讐の旅路の果て B〜



#3
杜季良やまなし・きよし……五逆十悪いつさか・じゅうおによって家族を失った漢……そんな彼の復讐劇も、遂に終焉を迎える!?……
とりあえず、十悪じゅうおの本拠地、テンオブに単身向かった季良きよしは並みいる社員をブチのめし、十悪じゅうおの元へと進む
……と、そのとき……
杜季良やまなし・きよし「だっ……れだ!!?」
バッ
振り向くと……そこには……2人の女性……
*、*「……」
季良きよし「な……に!!?」
……その2人とは……妻・詠子と、娘・或羽あるは……忘れるわけもない……テンオブに……
殺された愛しき妻と娘だ……
『馬鹿な、ヤツは死んだ!』とザビーネじみたセリフを吐こうとしたとき、詠子らしき女性がが動く。
やまなし詠子「あなた……愛してる……だから……死んで」
ズオアッ
そして、一足飛びにかかる詠子
季良きよし「なっ!!?」
ズドンッ
季良きよし「がはあっ!!?」
相手が最愛の妻の形をしていたことで、反応が遅れ……目にもとまらぬ拳撃が季良きよしを壁に叩きつける
季良きよし「ぐ……ぐうう……」
五逆十悪いつさか・じゅうお「ハハハハハハ!!どうだ!?最高だろう……貴様が愛した女だ……」
そこへ、再び社内放送が……
季良きよし五逆十悪いつさか・じゅうお!!貴様……どこまでも下劣な……」
再びスピーカーを睨みつける季良きよし
十悪じゅうお「ふふん、俺への文句より、自分の生命の心配をしろ!!」
ゴガンッ
季良きよし「うおっ!?」
迫る詠子の拳撃を辛くも回避し、距離を保つ季良きよし
季良きよし(お、落ち着け……あいつは……死んだんだ……殺されたんだ……今、ここにいるあいつは……
 偽物なんだ……)
※ちなみに、この詠子もどきは詠子のクローンに戦術データを組み込んだ殺人兵器。……あれ?どっかで似たような
 ものが登場したような……
詠子もどき「あなた……死んでちょうだい……あの人のために……」
ゴュッ……
迫る拳……
季良きよし「お前は、もう、死んだ……殺されたんだ!!五逆十悪いつさか・じゅうおに!!」
ゴアッ
妻もどきの拳を回避し、一撃を繰り出す季良きよし
ゴドガンッ
季良きよし「ぐがっ!!?」
だが、しかし、背後からの衝撃。
*「お父さん、お母さんに手を出すなんて、最低ッ!!」
……娘もどき或羽あるはが、或羽あるはの声色で父親を非難する

#4
季良きよし「……五逆十悪いつさか・じゅうおぉおおおおお!!!!」
ガアアアアアアアアアッと季良きよし、咆哮……その雄たけびはテンオブを震撼させる……
十悪じゅうお「ハッハッハッハッハッハ!!死ねぇ!!!やまなしッ!!!」
ゴドゴガンッ
詠子もどき或羽あるはもどき「うぐぅ!!?」
と、季良きよし、最期の時!?と思われたそのとき、2人がタイ焼き泥棒みたいな悲鳴をあげて吹き飛び、壁にぶつかる
季良きよし「な……んだ!?」
ザッ
そして、とある漢現る……
土山しんぎ「……随分と梃子摺てこずっているようだな……闘気拳法家……」
季良きよししんぎ!?」
……颯爽と登場したのは……かつての季良きよしの敵、土山しんぎ……何度か季良きよしの前に立ちはだかったしんぎだが……
今度は助っ人として……?
季良きよし「お前……どうして……」
しんぎ「俺だって、ここの社長をブチのめしたいわけよ……まぁ、お喋りの暇はねぇ……」
チラリと壁にぶつかった2人を一瞥するしんぎ
ぐぐぐっ
妻もどき、娘もどきは立ち上がり、戦闘態勢を取る
しんぎ「フンッそれにしても、お前も甘い漢よ……例え、女子供であろうとも、殺意を持っているヤツはたおせ!」
しんぎしんぎで臨戦態勢を取る
季良きよし「……それが、妻と娘の相貌かたちを取っていてもか!?」
しんぎ「……なっ!!?……お前、既婚者!?しかも、子持ちだったのかッ!!?」
※いや、驚くことはそこですかいッ!しんぎ!!
季良きよし「……」
しんぎ「……聞いた以上にフザけた組織のようだな……闘気拳法家……あの2人は俺が相手をする、お前は
 先へ進め!!」
流石に妻と娘を自分の手で殺すなんて忍びないだろう……とのしんぎの提案だが、季良きよしはバッサリと切り捨てる
季良きよし「いや、あの2人は俺が……俺が責任を持って止める!!!お前は……手を出すな……」
しんぎ「……そこまで言うなら……俺は何もしないが……」
季良きよしの気迫に気圧されたしんぎは引き下がるしかなかった……
詠子「あなた……」
或羽あるは「お父さん♪」
季良きよし「……その顔、その姿で俺に接するな!妻と娘が汚れる!!」
憤怒の形相で……2人を睨みつける季良きよし
詠子、或羽あるは「……あの人の為に……死・ん・で!!」
グオアアッ
ニヤリと嘲り笑いながら一気に飛びかかる妻もどき、娘もどき
季良きよし「おおおおああああ!!!」
ドズゴアンッ
しかし、2人の攻撃よりも早く季良きよしの両の拳が妻もどき、娘もどきの腹に直撃……
詠子、或羽あるは「がうっ!!?」
季良きよし「……許せ!!」
目を瞑り、唇を噛み締め季良きよしが慟哭する……
詠子、或羽あるは「許……さない」
カカアァッ
ズドグオオオアアアアアンッ
その直後、2人は一気に爆発する……歯が立たないとわかったら……自爆する……これもまた……十悪じゅうお
の仕込んだプログラムだったのか!?
しんぎ「と、闘気拳法家!!!?」
……妻もどきと娘もどきに抱かれ……季良きよしは生きているのか!?……それとも……
※ってかしんぎ季良きよしの名前を覚えておこうぜ……

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