Eighter -Grand Harmonise-
19ther 〜河川に消えし子供 A〜



#0
これは……川で遊んでいた子供が突如として消えたという事件の顛末をつづったもの……そう……これは
神隠しの物語……
そして……

#1
天四斗あまよと神在かむある川
山形夫婦は2人の子供を引き連れ、バーベキューを行っていた……
山形なぎさ「あまり遠くに行ってはダメだぞ」
山形光「は〜〜い」
山形明「あっちに行ってみようぜ」
楽しき家族のひと時……だが、しかし……次の瞬間、それは崩壊することとなる……
キラリッ
光「何だろ?あれ?」
始まりは、光が見つけた、川の底できらりと光る何か……
明「……これ!?」
バシャッ
川に飛び込み、その光る何かを手にした明……すると……突如空間が歪む
光、明「え!?」
ヴオンッ
光、明「うわあああ〜〜〜〜〜」
シュパアアアッ
かくて、2人の子供は跡形もなくその場から消え失せてしまう
山形ほのか「あ……あなた!!」
それを目の当たりにした妻が呆然としつつ、夫に叫ぶ
なぎさ「な……な……なああ!!?」
すぐさま、慌てて探す両親……しかし、どこにも2人の姿は見えない……
ほのか「どどどど、どうしましょう!?あなた……」
なぎさ「おおお、落ち着け、人が簡単に消えるわけが無い。考えろ!考えろ!考えろ!カンがエロ!!……」
パニック状態の2人……
しかし、それでも……必死の捜索を行っても……子供達はどこにも見当たらなかった……
なぎさ「……光、明……」
ほのか「あなた……」
・
・・
・・・
その後も、警察を総動員して、川はもちろん、上流から海まで捜索したのだが、発見されることは無かった
※海はいいとして上流を捜索する必要はあるのか!?……まぁ、一応念のためってなことか……
……ちなみに、子供たちが見つけた『川の底できらりと光るもの』に関しては、両親はそのことに気付いて
いなかったことと、捜索の結果、特に妖しいものが見当たらなかったとのことで、忘れ去られております。

#2
そして……何の音沙汰もないまま、1週間が経った……
天四斗あまよと、Eighter本部
梓與鷹よたか「……つまり……1週間前の?」
かくて、2人はEighterに頼ることにしたのであった……
なぎさ「……ああ、もはや警察など当てにならん」
ほのか「……どうか……どうか、うちの息子と娘を!!」
何とか……してくれ……と藁にもすがる思いで切なる願いを訴える両親
白拍子かれん「神隠し……ですかねぇ?かなり姉さん?」
白拍子かなり「え?……あ〜〜、そうなんじゃない?」
白拍子かんな「……お願いですから、適当に返事しないでくださいね。姉さん」
ほのか「そうよ!これは重要な問題なんだから!!」
かなり「子どもは好奇心旺盛だからどんな危ないことでもやってみたいと想うもの……そして、たまたま
 彼岸へのゲートを開いてしまったのよ……」
なぎさほのか「はい!?」
與鷹よたか「……彼岸って……あの彼岸?」
かなり「どんな彼岸を想像しているのか知らないけど……平たく言えば『あの世』のことね。まぁ、アレよ
 生きて帰ってこれない……かもしれないけど、大丈夫!」
一同「んなッ!?」
與鷹よたか(どこからそんな自信が出るんだろう……)
かなり「ま、ロンよりオープンリーチ一発ツモ!……さ、実際に行ってみれば分かるわ!」
一同「違うし!!!」
・
・・
・・・
ってなわけで、依頼を受けて、神在かむある川まで出陣する一行
かなり「さぁ!彼岸へのゲートを取ってきなさい!ポチ!」
ビシっと指差しながらかれんに叫ぶかなり
かれん「誰がポチですかいッ!」
かなり「ああん?何か!?」
かれん「い、いえ、何でもありま……」
ドゲシッ
かれん「きゃうん!」
ザバッ
そのままかなりに蹴り飛ばされ、河に落とされるかれん
かなり「彼岸へのゲートの証を見つけるまで陸に上がっちゃダメよ!!」
かれん「かなり姉さんの鬼ぃいいい!!!」
かんな、與鷹よたか「……」
※さっすがかなり!ナイスです!
で、数分後……
かれん「うう〜〜〜〜、寒いぃい〜〜〜〜」
ガタガタ震えるかれん
かなり「ん〜〜〜、この一見なんの変哲も無いような小石……でも、実際には彼岸へのゲート……」
かれんの犠牲を払い、見つけ出したのは……別に光ってもいない小石……
與鷹よたか「確かに、普通の小石にしか見えないな……」
かれん「ってか風邪ひきそうな私は無視ですかい!!」
かなり「バカは風邪を引かないっていうから大丈夫よ」
かれん「私はバカじゃないわよ!!!」
かなり「ああん?うるさいわよ!かれん……」
鬼のような形相で睨むかなり
かれん「はい、すみません!!私はバカなので風邪はひきませんが、夏風邪はひきますッ!!」
かなりに怯えるかれんをよそに……
與鷹よたか「……と、とにかくだ……さっさと彼岸へ行って2人を助けるぞ」
かんな「はい、そうしましょう」
かなり「そうと決まれば行くわよ〜〜〜、ただし、私より先に行ったら殺すからね!!」
與鷹よたか(……なんでわざわざ下ネタっぽく言うんだろ……)
ヴオンッ
……彼岸でかんな一行を待っているものは……何なのだろうか!?


続

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