Eighter -Grand Harmonise-
18ther 〜風魔は影に残りて B〜



#3
風魔 VS 雷魔……この激しい死合は雷魔の壊滅にて幕を閉じた……だが……残された黒い禍々しい結晶
……アレは一体何なのか!?
雷魔壊滅から3日後……
箱根、風魔の里
加藤段蔵たんぞう「……しかし、惜しい漢を亡くしましたな……」
風魔小太郎「……ああ、だが……心を闇に囚われては……」
風魔の里に戻った一行は、しみじみと語る……
某收それがし・おさむ「しかし……あの結晶は一体……」
※ちなみに、おさむ二曲輪猪助にのくるわ・いすけを襲名し、そのことを知らしめる……ってなことは後日行われたのですが、今回
 は割愛させていただきます……
……あの漆黒の禍々しい結晶は何なのか……しかし、いさむは、それが、カオサイトの結晶ではないかと睨み、
與鷹よたからEighterの一行を呼び寄せ、調査を行わせている……
某敢それがし・いさむ「今、拙者の所属する組織が調査を行っているでござるよ……」
もうすぐ、結果が分かるはず……と、その時……
ダダダダッ
シパ〜〜ンッ
突如、駆け足と共に、勢いよく障子戸を開ける者が……
神崎とおる「騒々しいな……」
梓與鷹よたか「あ、すまん……」
いさむ「して、何か分かったでござるか!?」
與鷹よたか「……ああ、やはり、あれは純粋なるカオサイトβの結晶だ……」
一同「かおさいと……べーた!?」
白拍子かんな「はい。カオサイトは大きく分けて3つ存在します。まぁ、そのうちの1つは無いに等しい存在
 なので今回は割愛しますが……」
かんなも登場し、解説を始める。
……つまり、カオサイトとはその98%がカオサイトαといい、人の正しき心に反応する物質である。……
全カオサイト中98%がカオサイトαであることから普段カオサイトと言えばそれはカオサイトαのことを指す
おさむ「……では……そのベータとやらは……」
かんな「カオサイトβは全カオサイト中の約2%を占め……お察しのとおり、人の邪悪な心に反応する物質
 です」
小太郎「……では、主馬留しゅめるはそのカオサイトβに取り込まれた……と、いうことか……」
かんな「……はい……ですが……」
一同「ですが!?」
何か問題でもあるのか?と思っていると、かんなは続ける……
かんな「これほど高純度なカオサイトβなんて……自然発生するものではありませんよ……」
いさむ「なっ!!?」
おさむ「ではどうやって!?」
とおる「誰かが手引きした……とでも!?」
一同「まさか!!?」
カオサイトは異世界の物質……誰かが手引きしてなんとかなるものではない……ならば……一体!?
かんな「……いえ、確かにカオサイトβは人の邪悪な心に反応しますが……ごく稀に人の邪念に対して
 形を成すことがあります」
小太郎「……主馬留しゅめるの邪念が……カオサイトβを生み出し……」
段蔵たんぞう「そして、そのカオサイトβに取り込まれたと……」
いさむ「……そういうことなので……ござるか!?」
與鷹よたか「……まぁ、推測しかできないが……」

#4
そして、カオサイトβの解析と確保も終わったので、Eighterの一行は帰路につくことに……
おさむ「兄者……」
いさむ「うむ、精進するでござるよ……当代『二曲輪猪助にのくるわ・いすけ』……」
おさむ「承知……」
・
・・
・・・
いさむ「……して、かんな殿……拙者達は、どこへむかっているのでござるか!?」
天四斗あまよとへ帰るべく、風魔の里を後にしたにもかかわらず、山を出る気配がないかんなにいさむが尋ねる
かんな「事件の発端となった場所です……」
いさむ「事件の……発端!?」
與鷹よたか「……まぁ、主馬留しゅめるが、カオサイトβに取り込まれた場所……とでもいいますか……」
かんな「見えてきましたよ……」
いさむ「む……う……」
カオサイトの氣が充満する洞窟がそこにはあった……
いさむ「……この邪悪な気配は……」
かんな「……現実世界でこんなに大量のカオサイトβが自然発生することなんて……普通はないことなん
 ですけどね……」
だが……何らかの要因で……異世界の物質が現実世界に到達することはありうる……そして、偶然にも
それがこの場所であった……
いさむ「かんな殿……」
チキッ
明星幻爪みょうじょうげんそうに手をかけるいさむ
かんな「……分かっています……第二、第三の主馬留しゅめるを出さないためにも……」
歴史の墓場とのつながりのあるこの場所を破壊しなければならないのは不本意だが……これ以上不幸を招くわけ
にもいかない……與鷹よたかも泣く泣く、この場所を諦める決心……
いさむ「ちぇいやああああ〜〜〜!恒娥震臠舞こうがしんれんぶ」
ズゴガシャアアアアアッ
ガラガラガラガラッ
切り裂く、滅ぼす、断つ……その三段攻撃が全ての元凶たる洞窟を跡形もなく叩き潰す
いさむ「……」
與鷹よたか「……さて……帰るか……」
いさむ「ああ、そうでござるな……」
そして、一行は本当に帰路に着く……
……こうして、本当に、雷魔騒動は終わったのであった……
※ちなみに、神崎とおるは……風魔の里が気に入ったのか、そこに住み着くことになったという……かんな曰く
 風魔の里が唯一心安らぐ場所なのでしょう……とのことだが……その真相は……!?


END

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