Eighter -Grand Harmonise-
17ther 〜雷魔は闇に嘲りて D〜



#7
風魔の里……そこはいさむとその弟・おさむの故郷にも等しい場所……そんな風魔の里にかつてない危機が訪れて
いる……そう、風魔の棟梁3人衆のうち、1人が寝返り、雷魔なる外道忍軍を作りだしたのだ……かくて、
ここに、風魔存続のための戦争がはじまったのだが……なぜかそこへナゾの侍、神崎とおるがかけつて……
あっと言う間に雷魔十勇士を片づけてしまう……
四対主馬留よつい・しゅめる「フッ……いさむよ……お前の剣腕……雷魔のために役立てようとは思わんか!?」
対峙したまま動かぬ2人だが……唐突に主馬留しゅめるが語り出す
某敢それがし・いさむ「何を言い出すでござるか……主馬留しゅめる殿……」
懐柔に走る主馬留しゅめるだが……そんなものに応じるいさむではない……ことは誰しも分かっている……
主馬留しゅめる「先ほど言ったであろう……我ら雷魔は箱根を中心に天下を取る!!そのためにはお前ら兄弟の力が
 必要不可欠なのだ!!」
グっと拳を握り、叫ぶ主馬留しゅめる……
いさむ「……拙者にはそんなものは興味が無いでござる。主馬留しゅめる殿……一体、拙者がおらぬ間に何が起きたの
 でござるか!?」
首を左右に振りつつ、答えるいさむ……
主馬留しゅめる「……悟ったのだよ……風魔を滅ぼせ……とな……」
※いや、それは『悟った』とは言わない……
神崎とおる「フン、話し合いがとおるじるなら、抜刀はせまい……」
と、そんなやりとりの中、とおるがぽつりと呟く
某收それがし・おさむ「貴様……」
風魔小太郎(だが、それも真実)
おさむとおるを睨みつけるも……しかし、それは揺るぎようのない事実……
主馬留しゅめる「我が元に来ぬのならば……死ぬが良いわ!!」
ゴガギンッ
刀を振り下ろす主馬留しゅめる、そしてそれを受けるいさむ
いさむ「ぐ……ぐぐ……」
いさむ(何でござるか!?……この……力は!?)
ギリギリギリギリッ
おさむ「兄者!!」
そのまま組み合う2人だが、明らかにいさむが圧されている
いさむ主馬留しゅめる殿……)
主馬留しゅめる「ハッ!」
チュインッ
いさむ「くっ」
バシュアアアッ
辛うじて圧し返すも・・斬りつけられるいさむ
更に……すっと手をかざす主馬留しゅめる
主馬留しゅめる闇縛あんばく」
ドッ
いさむ「ぬぅ!?」
ドダダダッ
そのまま黒いによって弾き飛ばされる
加藤段蔵たんぞう「な……何だ!?あの術は!?あのような技は……風魔には……」
小太郎「……心まで闇に支配されているのか……」
風魔の一行も謎の闇の力を見て驚愕す
一同(しかし……一体、何が主馬留しゅめるをそこまで……?)
とおる「……闇か……人を狂わせる闇……か……」
とおるとおるで1人意味深なことを言っておりますが・・さらっとスルーされてますね……
チャキッ
いさむ「……某敢それがし・いさむ……参る!」
明星幻爪みょうじょうげんそうを構え直し、気合を入れ直すいさむ……
カッ
そして、神眼じんがん発動、瞬時に間合いを詰める
主馬留しゅめる「ぬ……む!?」
ガガギンッ
ギギギギンッ
そのまま激しい攻防を繰り広げる両雄……
段蔵たんぞういさむ……あれから更に腕を上げたようだな……」
いさむの剣腕を見て、感嘆の声を上げる段蔵たんぞう

#8
いさむ主馬留しゅめる殿……」
主馬留しゅめる「ヒハッ!」
ガギンッ
ギギギンギンッ
そして、激しい鍔迫り合いへと移行する2人
とおる(……この期に及んでまだ話し合おうとするとは……余裕だな……いや、甘い漢よ……)
いさむ主馬留しゅめるとの斬り合いを見て、とおるは1人そんなことを想う……
主馬留しゅめる「しゃはぁ!!闇縛あんばくッ!」
ズゴオアアッ
再び黒いいさむを襲う
いさむ「無駄でござるよ!」
ザシュアッ
一同「ぬ!?」
だが、その黒いを斬りはらういさむ……同じ手は2度はとおるじない……
いさむ主馬留しゅめる殿ッ!」
ガッ
おさむ「極まった!!」
そして、横薙ぎが主馬留しゅめるに極まる……
主馬留しゅめる「ヒハハハ!!」
ドギョアアアアッ
いさむ「ぐっ……おおお!?」
だが、応えた様子はなく、すぐさま主馬留しゅめるの打ち下ろしが飛び、いさむを弾き飛ばす
おさむ「兄者!!?」
ザザザッ
吹き飛ばされつつも体勢を立て直すいさむ
いさむ「クッ……」
とおる「愚かなことを……なぜ、峰打ちにした!?」
一同「なっ!?」
小太郎(この漢……我らには斬撃にしか見えなかったあの一閃を……峰打ちと見抜いた……のか!?)
ポツリと呟くとおる……その眼に一同は驚愕す……
とおる「……あの漢に貴様の声など届かぬ……それが分からないなら、ここから先は俺がる!!」
シュラッ
いさむの前に立ち、腰の忍刀、臠殺刃れんさつじんに手をかけるとおる
主馬留しゅめる「フッ……次は……貴様か!?」
主馬留しゅめるが次の相手をとおるに定めた……と、思われたその時、いさむが叫ぶ
いさむ「待つでござる……主馬留しゅめる殿は……拙者が……止める!!」
……師匠の不出来は弟子が始末するが責任……故に、この死合、譲ることは出来ない……
※ってかおさむじゃ歯が立たない……んですかね?……いや、まぁ、いいですけど……
とおる「……止める!?……だったら、息の根を止めるんだな……」
主馬留しゅめる「ヒッ……ヒハハッ!」
ズゴオオオオオオオッ
再び主馬留しゅめると対峙するいさむ……そして、主馬留しゅめるから邪悪な剣気が立ち上る
一同「くっ……」
いさむ主馬留しゅめる殿……」
……はたして、いさむ主馬留しゅめるを止めることができるのか!?それとも……


続

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