Eighter -Grand Harmonise-
17ther 〜雷魔は闇に嘲りて A〜



#0
……これは、今もなお続いている隠密集団……風魔の一大危機を綴ったファイル
そして……この事件には……あるモノが関わっていた……

#1
箱根山中、某所
*「お呼びでござるか?風魔小太郎殿、加藤段蔵たんぞう殿」
風魔のアジト……その奥深くにて、風魔の棟梁、小太郎に呼び出される漢……
風魔小太郎「面を上げよ」
*「はっ……」
そう言われ、平伏していた漢は顔を上げる……この漢……どことなくいさむに似た風貌をしていた……いや、
いさむが髷を結っていたらこんな姿になるのではないだろうか……という格好をしていた……
加藤段蔵たんぞう「今回、お主を呼んだのは他でも無い……」
小太郎「風魔三大師範……覚えておるな?」
かくて、2人の漢は語る……
※ちなみに、いさむ似の漢の前にいる2人がその風魔三大師範の2人です。
*「三大師範の名を忘れる事など、言語道断でござるよ」
段蔵たんぞう「うむ」
*「して、それが……何か?」
小太郎「実は、その1人……四対主馬留よつい・しゅめるが謀反を起こした」
*「なっ!?二曲輪猪助にのくるわ・いすけ殿が……!?それは真でござるか!?」
三大師範の1人が裏切るなどと……といさむ似の漢は驚きを隠せない……
しかし……実はいさむ似の漢が驚いた理由はそれだけではなかったのだが、それは後ほど……
段蔵たんぞう「ああ、……あの漢は風魔に対抗し、雷魔なるものを設立、我等風魔を討ち滅ぼし、自らが箱根の長に
 なろうと画策しておる」
*「なっ!?信じられぬでござる……」
小太郎「信じられぬか?……だが、既に何人もの風魔衆が犠牲になっている……」
これは由々しき事態である……と段蔵たんぞうが続ける……
*「そこで、拙者に……主馬留しゅめる殿を討て……と!?」
小太郎「……いや、貴殿の兄上を呼んでもらいたい……」
*「拙者の……兄者を……でござるか!?」
ここで兄が出てくるとは……と思いつつも、やはり、そうなるしかないでござるか……といさむ似の漢は思う
※……もしかしてこの	2人って……
段蔵たんぞう「そうだ……貴殿の兄上の剣腕は玄妙の域に達していると聞く……」
小太郎「……貴殿の兄上は風魔三大師範へ加えてもよいほどの実力の持ち主……だが、本人の意思を尊重し、
 さらなる高みを目指すため里から出し、修行の旅に出ることを許したのだ……」
*「……承知したでござる。拙者……必ずや兄者を連れてまいります……」
段蔵たんぞう、小太郎「頼んだぞ……」
*「御意」
バヒュアッ
そう言っていさむ似の漢はその場所を後にする……

#2
そう……今回の事件は……風魔 VS 雷魔……その2つの闇の勢力の抗争を綴ったものである……
・
・・
・・・
かくて……いさむ似の漢は天四斗あまよとへと足を運ぶ……
天四斗あまよと、Eighter本部
*「たのも〜〜〜」
ガチャッ
この時代に『たのも〜』なんていつの時代の人間だ!?などと思ってドアを開けると……いさむっぽい侍が
立っている
雨水おぼろ「なな……何!?」
これにはおぼろ、びっくり……
百鬼あろえ「はい、えっと……依頼の方でしょうか?」
*「兄者〜〜、兄者〜〜〜」
ズカズカッ
しかし、勝手に入っていくいさむ似の漢
あろえ「あ、ちょっと……」
梓與鷹よたか「すみません、失礼ですが……いさむさんの関係者か何か……でしょうか?」
と、ここで、與鷹よたかが聞いてみると……いさむ似の漢は答える
*「すまぬ、紹介が遅れたでござるな……いかにも、拙者はいさむの弟、某收それがし・おさむでござる」
おぼろ「はぁ……いさむの弟……」
一同(やっぱござる口調なんだ……)
某收それがし・おさむ「そんなことよりもだ、兄者はどこでござるか!?」
與鷹よたか「あ〜〜、いさむならちょっと依頼に出ていて……そろそろ帰ってくるころだと思うんだが……何かあった
 のですか?……私達でよろしければ、是非……」
おさむ「……うむ」
と、そこへ都合よく現れるいさむ
某敢それがし・いさむ「む!?どうしたでござるか!?おさむ……風魔の里での修行は……?」
一同「風魔!?」
あろえ「風魔ってあの……戦国時代に忍びでも武士でもない道を歩もうと決めた風魔!?」
與鷹よたか「……どんな知識なんだ!?」
あろえの豆知識に呆れる與鷹よたか……を余所に、おさむいさむは語る……
おさむ「……ま、それはいいとしてでござるな……」
いさむ「……うむ」
おさむ「実は、風魔三大師範として名高い二曲輪猪助にのくるわ・いすけ殿が謀反を起こしたのでござるよ」
いさむ「なんと!それは真でござるか!?」
おさむと同じ驚きをするいさむ……
おさむ「……残念ながら……本当のことで……ござるよ……」
與鷹よたか「……その二曲輪猪助にのくるわ・いすけ……ってのは!?」
おさむ「拙者と……兄者の忍術の師匠でござる……」
一同「忍術の……師匠!?」
……故に、おさむは先ほど風魔の里で驚いたのである……
いさむ「……して……拙者を呼んだと言う事は……」
おさむ「……おそらく……二曲輪猪助にのくるわ・いすけ殿を討て……とのことでござると思う」
いさむ「……二曲輪猪助にのくるわ・いすけ……殿……」
與鷹よたか「行って来いよ、いさむ……」
與鷹よたかの後押し……それに、いさむは決意する
いさむ「……かたじけないでござる……」
おさむ「では、兄者……」
いさむ「うむ」
タタッ
かくて、風魔 VS 雷魔……この2つの戦いの火蓋は……切って落とされる!!


続

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