Eighter -Grand Harmonise-
16ther 〜木刀は真剣よりも B〜
#3
天四斗で起きている連続通り魔殺人事件……犯人のエモノはなんと木刀だった!?
……しかし、木刀で人を叩き殺すとはなんという膂力(の持ち主だろうか……
上(総介(……桜からの連絡はまだか……)
只今絶賛解析中……の桜(正しくはかんなだけど……)の連絡を今か今かと待つ総介……
欺盛凍炉(「上(警部……下がってください!!と、言うか……発砲許可を!」
総介「……フン、よかろう……」
珍しく許可する総介……時間稼ぎのためか……
凍炉(「構え!!」
ジャカカカッ
一同「おおう!」
凍炉(「てぇえええ!!!!」
ダガガガガガガァンッ
*「ハッ!無駄だあ!!!」
ガガガガガガガガッ
凍炉(「なっ!?バカな……銃弾を木刀で叩き落としただとお!?」
全ての銃弾を叩き落とされ……あいた口が塞がらない欺盛(警部……
*「しゃああ!!!死ねえあああ!!」
ゴアッ
そのまま一足飛びにかかる漢
総介「フン……蒼王の刃(の錆にしてやる」
ギンッ
凍炉(「……なっ!?あの木刀……真剣を……受けた!?」
警官「バカな……なぜ斬れないんだ!?」
木刀で総介の一撃を受けることができるなどと思わなかった一行は唖然……しかし、総介はそんなに驚いては
居ない様子だ……
*「ほぉう……やるじゃねえか!!」
総介(……木刀に……オーラ……やはり、このオーラが真剣、銃弾……その他全てを弾いているのか
……)
冷静に分析する総介であった……
・
・・
・・・
一方その頃……その頃
天四斗(、Eighter本部
白拍子かんな「はい、出ました」
総介から送られてきた画像をもとに解析の結果が終了……アトランティスの画面には1人の漢の情報が出て
いる……
#4
梓與鷹(「刃金鐵郎(……1ヶ月前、剣道の試合において竹刀で後輩を一刀両断したことから殺人に目覚める」
山咲(桜「現在……愛刀、黒檀で出来た割鉄牙(を手に通り魔殺人を行っている……」
與鷹(「うん?……彼はエモノに自らの邪悪なオーラを纏わせ、さながら真剣のような斬撃を繰り出しており
よって木刀で一刀両断を可能に……」
一連の事件の真相を知った與鷹(ら一行……桜はすぐさまその情報を総介に伝えるべく連絡を取る
桜「警部、聞こえますか、警部……」
ギンッ
ギギンッ
しかし、そのころ、総介は戦いに集中していた
天四斗(、某所
刃金鐵郎(「ぬおああああ!!!」
ブオンッ
総介「ちいっ……」
ザザザッ
鐵郎(の猛攻に……距離を取る総介
桜「聞こえますか?警部?」
総介「何だ?どうした!?」
と、そこへ桜からの通信が入る……ナイスなタイミングだ……
桜「その漢の名前は刃金鐵郎(」
総介「刃金(……鐵郎(……」
桜「はい」
総介「で、オーラを纏わせた木刀で何でも叩き割るってことだな……」
桜「警部……なぜそれを!?」
まさか、既にそれを知っているとは……と桜……しかし、総介は当然のように語る
総介「闘えば分かる事だ!」
桜「ッ!!!!警部!!!」
総介「心配するな……私は負けん……」
桜「……はい。警部」
と、そんなやりとりも終え、総介は通信を切り、再び鐵郎(と対峙する
・
・・
・・・
総介「……さて、刃金鐵郎(……そろそろ神妙にお縄につくころだぜ……」
鐵郎(「ハッ!この俺の木刀を受けても叩き割れねぇなんざいい刀らしいが、貴様に俺を逮捕することは不可能
だ!」
総介「……そいつはどうかな?」
ジリジリジリジリッ
距離を保つ両者
鐵郎(「はあああああ!!!」
ゴアッ
一気に間合いを詰めて横に薙ぎ払いにかかる鐵郎(
総介「ぬん!蒼星刃(!」
ドッ
蒼き剣閃が鐵郎(に走る
鐵郎(「ぬ……おおお!?」
バギャンッ
蒼き剣閃を叩き割ってそのまま総介へ
一同「け……警部」
総介「ぬうん!!」
バギンッ
鐵郎(「なっ!?」
だが、次の瞬間……割鉄牙(が斬り裂かれる
総介「……同じ土俵に上がれば木より鉄の方が強い……神妙に縛につけ!」
鐵郎(「ち……ちいいい……俺の割鉄牙(をおおお!!」
折られた割鉄牙(を見ながら、忌々しげに鐵郎(が叫ぶ……
凍炉(「未だ!総員、かかれぇ!!」
ビュゴアアアッ
警官隊が一気に襲いかかろうとした矢先、背後に飛び退る鐵郎(
鐵郎(「フ……今回はここまでだ!!だがな……次に逢うときは貴様を叩き割る!!!覚えておくがいい!!
フハハハハハ!!!」
総介「何を戯言を言う……」
凍炉(「上(警部、追いましょう」
総介「よせ!木刀が無いとは言え、オーラが無くなったわけじゃない。返り討ちに遭うのが関の山だ……」
凍炉(「しかし……それでは……」
総介「今回はこれ以上の深追いは許さん……」
一同「いいいぃい……イエッサァ!!」
総介(……刃金鐵郎(……貴様はいつの日か必ず逮捕してやる……)
……こうして……連続通り魔殺人事件は幕を閉じた……だが……鐵郎(は逃走……そして……
後に……鐵郎(は……凶悪な刺客となって帰ってくる事は、このとき、誰も知るよしも無かった……
END
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