Eighter -Grand Harmonise-
11ther 〜紅き闇と牡鴉モアの闇 C〜



#5
皎白の遮蔽ホワイトアウト牡鴉モアの隠れ蓑に過ぎなかった……牡鴉モアの力を利用するつもりが逆に牡鴉モアに手玉にとられた裕子は
牡鴉モアに体をのっとられ……しかし、裕子の最期の意地により、復活は不完全なものに……
牡鴉モアは再度黄泉帰ることを決意、とりあえず月天げってんを道連れにしようと考えるも、かんなには敵わず……と、
そんなとき、牡鴉モアの手に紅闇刃ルビーシェイドが渡る……
陰轟留牡鴉アンゴルモア「くたばった……か!?」
シュオオオオオッ
紅闇刃ルビーシェイドから紅い煙……
白拍子かれん「かんな!?」
牡鴉モアの一撃をまともに受け、瓦礫の中に埋もれてしまったかんな……
キィンッ
白拍子かんな「まだですよ……牡鴉モア、まだ、勝負はついてません」
ガカアアッ
ガラガラッ
蒼き閃光と共に……瓦礫の中から出てくるかんな
かれん「かんな!?」
無事だったの!?心配させて……とかれん
陰轟留牡鴉アンゴルモア「フフン……悪運だけは強いようだな……」
かれん「当然でしょ!かんなの運の左右に出るものはいいんだから!!」
かみ総介「右に出る者はいないが、左に出ても仕方がないぞ……」
サラリと冷静に突っ込む総介。それにかれんは赤面……
かんな(紅闇刃ルビーシェイド……未完成な状態だったのに牡鴉モアの邪悪な力によって完成してしまった……だが、牡鴉モアが
 不完全……故に技が半端……だからこそ、今たおしておかなければならない……)
持ち前の超運で全てを察知し、冷静に対策を練りあげようとするかんな……
陰轟留牡鴉アンゴルモア負轟獅咆刎ふごうしほうふん!」
ゴアッ
と、そこへ闇のオーラで具現化された獅子がかんなを襲う
かんな「鳳鸞舞刃ほうらんぶじん!」
ゴギャウッ
炎の鳥が舞い、獅子を相殺……これには牡鴉モア驚愕
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……相殺……だと!?」
陰轟留牡鴉アンゴルモア(何故だ……ヤツの力が……上がっているとでも言うのか!?……馬鹿な!?ありえん!!)
かんな「はああああ!!!鳳鸞舞刃ほうらんぶじん!」
ゴアアアアッ
牡鴉モアが戸惑っている、そんな隙を逃さず、もう一度炎の鳥を解き放つかんな
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ぬううん!負轟闇鸞臨ふごうあんらんりん!」
ゴギャウウンッ
しかし、闇のオーラで具現化させた鳳凰で応戦する牡鴉モア
かんな、陰轟留牡鴉アンゴルモア「はああああ!!!」
ガカアアアアッ
ゴグオオオアアアアアンッ
2つの技が弾け、大爆発が起こる

#6
かれん「くっ……なんて……威力なのよ!!」
山咲やまざき桜「……警部……」
総介「……ああ、そうだな……」
その衝撃に……かれんは驚きを隠せない……桜もかんなの身を案じ……総介も総介で……何かを想う
陰轟留牡鴉アンゴルモア「やりおるわ……」
かんな「……ていっ!」
ゴガッ
息つく暇もなく、一気に間合いを詰めて斬りかかるかんな
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ふん!だが、温いわッ!!」
ガギギギギンンッ
そしてそれを受ける牡鴉モア
桜(……これは……力が拮抗している!?)
総介(……そのようだな……)
桜……2人の力が実力伯仲である……と見抜く……
陰轟留牡鴉アンゴルモア「打つ手なしか!月天げってん!!!!」
かんな「……牡鴉モアこそ……私を凌駕することが出来ないんですね……」
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ふざけおってぇええ!!!」
ギギンギギギギンッ
鎬を削る激しい鍔迫り合いが繰り広げられて……
かんな、陰轟留牡鴉アンゴルモア「ハッ!」
ザザザザザッ
一気に距離を取る2人……
陰轟留牡鴉アンゴルモア「はあああ!!」
かんな「てえええい!!!」
ガギュイイイイイインッ
そして……互いに渾身の一撃を繰り出し、組み合う
ギリギリギリギリギリッ……
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ぬおおおおおおお!!!!」
ドオンッ
かんな「ぐ……ううう……」
ザザザザザッ
かんな、再び競り負ける
かれん「なっ!!?」
さっきまで圧し返していたのに……なんで!?……とかれんは再び驚愕
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……フフフフ……そろそろ限界のようだな……月天げってん!!!」
かんな「はぁ……はぁ……」
息が上がり、多少ふらつくかんな……
陰轟留牡鴉アンゴルモア「まぁ、無理もないな……貴様の器は神ではなく人間!そんなキサマごときに我が……」
ガクリッ
と、突如……話の途中でひざまず牡鴉モア
かんな「はぁ……はぁ……限界が近いのは……お互い様ですよ、牡鴉モア!」
かんなもまた、そう叫び、啖呵を切る
桜(警部……)
総介(うむ……分かっている……山咲やまざき……)
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……ならば、どちらが……先に限界になるか……」
ぐぐぐっ
立ち上がる陰轟留牡鴉アンゴルモア……
かんな「……」
チャキッ
気合を入れ直し、無言で碧聖刃シアンセイクレドを構えなおすかんな……炯々たる眼光は牡鴉モアを見つめる
陰轟留牡鴉アンゴルモア「フン……さきに限界を迎えるのは我……そういいたいか!?……よかろう……ならば、
 貴様の死をもってその信念を覆してやろう!」
ジキッ
牡鴉モア紅闇刃ルビーシェイドを構えなおす
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
互いに殺気を吊り上げていく……
かれん(……すさまじい殺気だわ……両者共々……勝負に出たわね……)
総介「……ふむ……」
……不気味な静寂が辺りを包む……
かんなVS牡鴉モア……両者の闘いは……ついに終幕を迎える……!?


続

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