Eighter -Grand Harmonise-
3rder 〜世にも奇妙な遺言 B〜



#3
過住かすみ家で行われている呪いめいた遺産相続……遺すところあと1人……果たして彼には一体何が残された
のか……
ビ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一同「何だ?!この音……」
突如、映画が始まる直前になるブザーみたいなものが屋敷に響き渡る……りずえがどこからともなく、ブザー
を取り出し鳴らしているのだ……
柿菜りずえ「え〜〜、大変長らくお待たせしました。本日の主な皿……もといメインディッシュ」
※待て待て……『主な皿』って……『メインディッシュ』を直訳すんなや!
一同が固唾をのんで見守る中……りずえは、遺言状に書かれている謎の遺言を読み上げる……
りずえ「え〜〜っと……あの〜〜〜……『孫の攻太郎こうたろうには儂の能力と経験を授ける』……!?」
一同「……」
なんだ!?これ!?……とりずえ……一同が沈黙しているのも、こんなもの、どうしようってんだ!?と
思っているからだろう……などと思っていると……当の本人が叫ぶ
過住攻太郎かすみ・こうたろう「爺さんの……能力と経験んん!?」
りずえ「はい……遺言状には確かにそう書かれております」
攻太郎こうたろう「面白ぇ!その能力と経験とやら……貰ってやろうじゃねえか!!」
すっくと立ち上がる攻太郎こうたろう……それを見た親族連中は苦虫を噛み潰したかのような顔で攻太郎こうたろうを睨む
一同(ちぃ……やはりかッ!……)
りずえ(え!?……な……何!?……ひょっとして、みんな、このわけのわからない遺産が欲しかった
 ってわけ!?)
攻太郎こうたろう「で、どうすればいいんだ!?」
りずえ「はっ!?……では、こちらまで来てください」
攻太郎こうたろう「うん!?」
とりあえず、今は目の前の事を終わらせる……りずえは攻太郎こうたろうを自分の元に呼び寄せる
りずえ「……えっと……これ……ですね……」
ゴトッ
トランクを机の上に置くりずえ
攻太郎こうたろう「????何だ……?この中に能力と経験が詰まっているとでも?」
りずえ「とにかく、お納めください」
攻太郎こうたろう「……」
ガチャッ
トランクの中に入っていたのは……1つの武器……
一同「アレは……親父の愛用していた兵器!……その名も……ソードピークトマホーク!」
ソードピークトマホークを見て、一同はざわつく……りずえもりずえでこれがそんなに価値のあるものなの!?
とキョトン顔……
※ちなみに、ソードピークトマホークとは剣+斧+鉾というムリのある兵器……ハルバードとどう違うんだ!?

#4
攻太郎こうたろう「……へぇ……これが爺さんがねぇ……」
ソードピークトマホークを手に取る攻太郎こうたろう……しかし、経験と能力って……何だ!?と攻太郎こうたろうは思ったことを
口にする……
攻太郎こうたろう「は、いいとしてだ……」
ビシイッ
攻太郎こうたろう「うおぐ!?」
だが、次の瞬間……体に電撃が走り……そして、衝撃が走る
攻太郎こうたろう「ぐ……がっ……こ……これ……はあああ!!!?ぐああああああああ!!!!」
りずえ「なな……何!?何が……おきているの!?」
過住かすみ大志郎「……親父の能力と経験が攻太郎こうたろうに受け継がれているだけさ……」
りずえ「能力と……経験!?」
りずえ(そんなこと……ありえるわけがない!)
シュウウッ
しばらくすると攻太郎こうたろうの意識は戻る
攻太郎こうたろう「……くはぁ……こ……これが……爺さんの能力と……経験……か!?」
・
・・
・・・
りずえ「……はい、これにて遺産分配はお終いです。では、私はこれにて……」
全てを終えたので……立ち上がるりずえ……早々にこんな場所……出ていきたい……と思っていると
……大志郎が叫びだす
大志郎「ちょっと待てや!」
過住かすみ水面「気に入らないねぇ」
過住壱號鬼かすみ・いちごうき「こんなふざけたこと、許されるか!」
過住弐號鬼かすみ・にごうき「俺は認めんぞ!!」
過住参號鬼かすみ・さんごうき「ああ!!」
一同、攻太郎こうたろうのもとへ……
攻太郎こうたろう「な……何!?」
一同「攻太郎こうたろう!貴様にその力はもてあます……とっとと相続放棄して俺によこせ!」
攻太郎こうたろう「は!?何を!?」
りずえ「ちょ、待ってください。遺産相続は遺言書にしたがって受け取ってもらわないと……」
大志郎「うるさいわ!」
ドガンッ
弾き飛ばす
りずえ「え……な……りっ!?」
ガクリッ
りずえ、死亡……
大志郎「さぁ、邪魔者は消えた!!」
一同「とっとと譲れ!!」
攻太郎こうたろう「ふざけんな!んなことできるわけねえだろ!」
一同「だったら、死ね!!!そして遺言状に遺産を俺に残すと書けぇえ!!!」
※んな無茶苦茶な!
キィンッ
と、そのとき……攻太郎こうたろうが光につつまれる
一同「いかん……覚醒する……!?」
攻太郎こうたろう「……どいつもこいつも浅ましいことこの上ない……てめえら全員死んで爺さんに詫びてこいッ!!
 龍咬舞刃りゅうこうぶじん」
光の龍が舞い、一同全員を斬り滅ぼす
一同「ごああああ!!?」
ボシュアアアアアアッ
……攻太郎こうたろう以外の一族は……光の龍に飲まれてみな消滅……
・
・・
・・・
攻太郎こうたろう「……はっ!?……な……何だ!?……今の……技……いや……そんなことはこの際
 どうでもいい……爺さん……アンタ一体……」
1人、屋敷で生き残った攻太郎こうたろうは……そんなことを想う……
……ともかくとして、攻太郎こうたろうの伝説は……今、ここに始まった……!?
※一族みな死亡ってことは、結局攻太郎こうたろうが全財産を相続することになるんだよね……


END

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