Eighter -Grand Harmonise-
2nder 〜秘伝書はかく語る B〜



#3
ある日いさむが見た夢……そこに師匠たる剣聖丈太郎出現す……丈太郎のアドバイスを受け、いさむは己の剣の道に
更なる磨きをかけるため、師匠の道場を訪れる……
天四斗あまよと、剣聖剣術道場・外
*「地下室……か……なるほどな……なかなか面白い場所ではないか……」
いさむが道場に入って行ったあと、それを外のとある場所で謎の漢が見ていた……
*「それにしてもだ……この現代の世にござる口調の侍が残っていようとはな……」
この男……一体……何者!?
そして、話はいさむの視点へと戻る
・
・・
・・・
天四斗あまよと、剣聖剣術道場・地下
梯子を降りたいさむ……そこは……異様な空間であった……
某敢それがし・いさむ「……ここは!?」
そこは……一面が漆黒の壁で造られた不思議な空間……いや、祭壇
いさむ「……これは……まるで、歴史の墓場の……」
確かに、現実世界にもヒッソリとその存在を秘匿されつつも歴史の墓場の遺産が隠されていることを知っている
いさむは……あまり驚いてはいないとはいえ……流石に師匠の剣術道場の地下にこんなものがあるだなどと
知る由もない……やはり、驚きは隠せないのである
いさむ「……あれは……カオス……プレート……でござるか!?」
祭壇の中央の台座に安置されているは1枚のカオスプレート
いさむ「……これが……師匠の言う……真実……でござるか……?」
つかつか……
すっ
カオスプレートまで歩み寄り、そして、カオスプレートに手を伸ばす……と……
いさむ「ぬ……ぐう……こ……これは……!?」
ビシビシビシビシッ
体中に衝撃が走る
いさむ「ぐ……ぐうう……な……何でござるか……こ……れは!?」
ヒュオアッ
いさむ「ぬ……ぐ!?」
と同時に……巨大な鳥の影がいさむを掠める……
いさむ(なっ!?……あの……鳥は……)
・
・・
・・・
フオアアッ……
暫くいさむの全身を衝撃が駆け抜け……そして、唐突に衝撃は治まる……
いさむ「……くっ……今のは……一体……!?あの……鳥の影は……何だったで……ござるか!?」
困惑しているいさむ……そんな中、再び声が聞こえる……
*(いさむ……お前は……今、真実を得たのだ……)
いさむ「……師匠!?」
頭の中に響く声……それは間違いなく、剣聖丈太郎のもの……
剣聖上太郎(……理屈じゃなく……直感で分かったであろう……みたび明鏡止水流が……月陽歳刑つきかげさいぎょう流を模して
 作られた流派であるということを……)
確かに、いさむは……カオスプレートに触れたことで全てを理解した……

#4
いさむ「……た、確かに……そうでござった……では……なぜ……このようなことを!?」
丈太郎(それは……月陽歳刑つきかげさいぎょう流は……人間が扱うには強大すぎるからだ……)
いさむ「……強大すぎる!?」
もともと……月陽歳刑つきかげさいぎょう流は神の使う流派……その最高峰4つにあたる1つ……故に人間には重すぎるのだ
……と丈太郎は続ける……
丈太郎(……過ぎたる力は時に己をも滅ぼす……)
いさむ「……確かに……それはそうでござる……」
丈太郎(だから、私は万人が使えるように威力を調節したのだ……)
いさむ「……では……なぜ、今になって拙者に……これを!?」
そして、今……その流派は。いさむに伝えられる……
丈太郎(お前なら……この力をも正しく使えると思ったからだ……)
いさむ「拙者が……この力を……正しく!?」
丈太郎(そうだ……お前のコレまでの闘い……全て見届けさせてもらった……それを踏まえた上での
 結論だ……)
いさむ「拙者の……」
今までの拙者の剣の道を……師匠はずっと見ていてくれたでござるか……といさむは感激す
丈太郎(さぁ、行け、己の剣の道を極める為に……儂がお前に教えるべくことはこれで全て終わった……)
いさむ「師匠……待ってください、もう少し……お話を!」
丈太郎(甘えるな!!)
いさむ「ぐっ……」
シュパアアアッ
丈太郎の最後の叫び……その轟く声と共に……丈太郎は消え……更に同じくカオスプレートも消え失せる
……まるで、最初からそこには何もなかったかの如く……
いさむ「……師匠……」
ガタンッ
拙者、これからも剣の道を進むでござる……師匠はそれを見ていてくだされ……と思ったその矢先……
突如物音が……
いさむ「誰でござる!?」
バッ
振り向くと……そこには1人の男が立っていた……
*「……ここは特異な空間だな……なるほど……このような場所が隠されていたとは……何かあると
 踏んでいたが……まさかこのようなものがな……」
いさむ「……質問に答えるでござるよ……」
*「……質問……か」
スラリッ
抜刀する男
*「いいだろう……答えてやろう……ただし……生き残れたらの話だがな……」
*、いさむ「ハッ!」
ドガキンッ
一足飛びにかかる2人、そして組み合う
いさむ(この男……エモノは小太刀……いや、忍者刀……忍びの手のものでござるか!?)
*(現代の侍の力……見せてもらおう……)
ギギンッ
捌いては距離を取る
*「……」
いさむ「出来る……」
突如乱入した男……この男の正体とは一体……!?


続

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