Eighter -Grand Harmonise-
2nder 〜秘伝書はかく語る A〜



#0
それは……ある日の夢から始まった……
いさむを呼ぶ謎の声……その声の主は……そして、何を使えようとしているのか!?

#1
天四斗あまよとそれがし家
*「……さ……む……」
いさむが寝ていると……どこからか声が聞こえる……
*「……さむ……いさむ……」
それは……間違いなく、いさむを呼ぶ声……
某敢それがし・いさむ「……何……で……ござるか!?」
眼を開けると……そこは……何も無い空間……自分の家で、眠っていたはずなのに……といさむ……咄嗟
に身構えるも……明星幻爪みょうじょうげんそうが無いことに気が付く
いさむ「こ……ここは……どこでござる……か!?」
*「いさむよ……」
いさむ「……その声はっ!!?……剣聖丈太郎殿でござるか!」
バッ
振り返るとそこには今は亡き師匠……丈太郎の姿がありき……
いさむ「し、師匠……」
※『美しゅうございます』とかいって号泣したり、『泣くでない馬鹿弟子が!』などとかいうやりとりは発生
 いたしません。あしからず。(なぜにG○ン!?)
剣聖丈太郎「……再会の喜びに浸っている暇は無い」
師匠に再び逢えた事で灌漑にふけっていると、丈太郎は言い放つ……
いさむ「申し訳ないでござる」
いさむは、すぐさま表情を切り替える。
丈太郎「……今日お前に逢ったのは……他でも無い……秘伝書のことだ……」
いさむ「師匠。この某敢それがし・いさむ、見事秘伝書を奪い返したでござるよ」
スッ
ふところから秘伝書を取り出すいさむ
明星幻爪みょうじょうげんそうは手元になくて、秘伝書は手元にあるんですね……この空間……一体!?
丈太郎「……うむ」
いさむ「……して、師匠……これが……何か!?」
丈太郎「……お前に……全てを伝えるときが来たようだ……」
いさむ「???……どういう意味でござるか!?」
いさむが怪訝に思っていると……丈太郎は更に続ける……
丈太郎「中身は……読んだか?」
いさむ「中身……でござるか!?……であらば、読み申した」
丈太郎「……戯けが……儂が言って居るのは真実を見たかということだ」
いさむ「真実……でござるか!?」
あの、文字以外に……何が眠っているというのか!?……いさむは考え込む
丈太郎「そうだ……真実だ……そして、その真実を知ったとき……お前は一段と剣の道を進むこととなる
 であろう……」
いさむ「拙者の……剣の道……」
ぐにゃり……
と、そのとき……空間が歪む
いさむ「師匠……!?」
丈太郎「フフ……どうやら……時間の様だな……」
そして、急速に丈太郎の姿は消えていく……
いさむ「時間……?時間とは何でござる!?」
丈太郎「……さらばだ……お前が真実に到達できる事を願っているぞ……」
フオッと消え行く丈太郎

#2
いさむ「師匠!師匠!待ってくだされ!師匠!!」
ガバッ
と、そこで、目が覚め、布団から起き上がるいさむ
いさむ「……夢……でござったか……いやしかし、それにしては現実的な夢でござった……」
手元にある明星幻爪みょうじょうげんそうと……床の間に飾ってある秘伝書を見つめ、物思いに耽るいさむ
いさむ「師匠……」
ザ〜〜〜〜〜
外は……雨……激しい雨音が聞こえる……
いさむ「……雨……でござるか……」
今日は雨か……などと考えていると……水滴が額に……
ポツポツ……
いさむ「うん!?」
部屋の中なのに雨……そのわけは……
いさむ「なっ雨漏り!?……ぬかったでござるよ!!」
・
・・
・・・
すぐさまバケツを大量に持ってくるいさむ(大量って……どんな雨漏りだ!?)
※Q:いさむってどこに住んでいるの!?
 A:現代建築物に住んでいないってのは確かです。(そういうのを嫌う性癖の持ち主ですからね)
だが……その雨漏りのお陰でいさむに悲劇が……
いさむ「こ……これはああ!!!」
床の間にも雨漏れが発生しており、見事に秘伝書が濡れてしまっていた……
いさむ「くっ……某敢それがし・いさむ、一生の不覚……」
すぐさま乾かそうと開いてみると……
いさむ「……む!?」
濡れてぐちゃぐちゃになっているかと思いきや……雨により別なものが浮かび上がっていた……
いさむ「これは……何でござるか!?」
そこに描かれていたものは……剣聖剣術道場の間取りと……ナゾの地下室の入り口の在り処……
いさむ「……これが……真実……いや、ここにこそ……真実があるとでも言うのでござるか!?」
……早速いさむは雨の降りしきる中……かつて剣を学んだ道場を訪れるのであった……
・
・・
・・・
天四斗あまよと、剣聖剣術道場
いさむ「……やはり、ここは変わらないでござるな……師匠が死んでからも……」
※ちなみに、現在誰もいないこの道場は……與鷹よたかの計らいで買い取って保存してあったりします。
いさむ「……師匠……」
早速秘伝書にあった通り地下室への入り口の上に立つ
いさむ「……この下……ここに……何が眠っていると言うでござるか!?」
ガッ
地下室への入り口を開ける……
いさむ「……師匠……参るでござる……」
梯子を降りるいさむ……
はたして……地下にあるのは……地獄のようなものか……それとも別の何かか……


続

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