Eighter -Extra Voyage-
73rder 〜皎影(かげ)邪闇(やみ)の柳生 B〜



#3
柳生衞琉(えいる)「尾張柳生……だと!?」
 その言葉で失いかけた意識を取り戻す。
柳生七吟(なぎん)「なんだ、まだ生きていたか……影の柳生も存外しぶといな」
 もはや衞琉(えいる)を自分より格下と捕え小馬鹿にした笑いさえ出す七吟(なぎん)。
 だが、七吟(なぎん)衞琉(えいる)を侮りすぎた。衞琉(えいる)にとって兵子とは倒すべき敵ではあるが、しかし、戦友とでもいうべきな
のか……何かしらの絆がある。
 それは縁というものなんだろうか……
衞琉(えいる)「アンタのその間違った……もはや剣術ですらないソレはもう通用しないわッ!見せてあげる。柳生新陰流…
…その神髄を!」
七吟(なぎん)「負け惜しみをぉおッ!ならば、受けよ……阡漆佰参式(せんななひゃくさんしき)・シャインスパーク!」
 ドズグオオアアアアッ
 全身を光に包んでそのまま突撃する七吟(なぎん)
七吟(なぎん)「おおるぁああッ!」
 ゴカアアアアッ
 そして、衞琉(えいる)に激突する寸前で纏ったエネルギーのみをぶつけ、自身は後退
衞琉(えいる)「甘いっ!!」
 ズオオオオオオオンッ
 しかし、衞琉(えいる)は優雅にそれを回避すると、同時に、その場所が爆発、炎上する
七吟(なぎん)「な……にぃ!?」
 流石にこれには驚きを隠せない七吟(なぎん)
七吟(なぎん)「フン、運よく回避できたか……それとも……閃いたのか!?……ハッ。だが、どっちにせよ、まぐれは二度
も続かんッ!」
衞琉(えいる)「だったら試してみな」
 ビシイッと蜘蛛切(くもきり)を突き付けて衞琉(えいる)が叫ぶ
七吟(なぎん)「ほざけぇッ!阡漆佰丗式(せんななひゃくさんじゅうしき)・ストナーサンシャイン!」
 ズゴゴキャアアアアッ
 緑色とオレンジ色の光を放つエネルギー体を衞琉(えいる)めがけて打ち出す
衞琉(えいる)「無駄だ!斬釘截鉄(ざんていせってつ)!」
 ドズゴオアアアアッ
七吟(なぎん)「な……何とぉ!!?」
 だが、そのエネルギー体は気を纏わせた蜘蛛切(くもきり)によって両断される
衞琉(えいる)「おおおっ!燕飛廻(えんびえ)!」
 ギャガイインッ
七吟(なぎん)「ふおっ!?」
 そして、そのまま一足飛びにかかり、まるで舞い踊るかのようなステップで四回斬りかかる
 ザガガガガガッ
七吟(なぎん)「くっ……」
 しかし、七吟(なぎん)もまた、潜ってきた修羅場は少なくはない。なんとか凶刃を回避すると距離を置いて対峙する。
七吟(なぎん)(おのれ、くたばり損ないの癖にッ)
 そして、いら立ちを隠せずにいた。

#4
七吟(なぎん)「なめるな、影の柳生の小娘がッ!」
 こういう時は衞琉(えいる)を挑発するに限ると、再び軽口を叩く七吟(なぎん)衞琉(えいる)「私が影の柳生ならば、貴様は偽の柳生だな」
七吟(なぎん)「な、なんだとぉッ!?」
 挑発するつもりが逆に挑発され、思わず我を忘れてしまう七吟(なぎん)七吟(なぎん)「許せん!貴様だけは許せん!我が鍛え上げてきた究極の柳生新陰流アークをこともあろうに偽の柳生などと
……かくなる上は貴様に女として生まれてきたことを後悔させてやる!」
 それはレイプしてやるって意味と同義である。なんとも巫山戯(ふざけ)た野郎だ。
七吟(なぎん)「うおおおおッ!見せてやるぞ!この俺が柳生新陰流アークを極めた証をッ!」
 ズゴゴゴゴゴッ
 裂帛の気合と同時に七吟(なぎん)の幻影が五人生み出される。
七吟(なぎん)「これがッ!」
七吟(なぎん)「究極のッ!」
七吟(なぎん)「一人六役ッ!」
七吟(なぎん)「六人の力を一つにまとめてッ!」
七吟(なぎん)「死なばもろともッ!」
七吟(なぎん)「食らえッ!」
七吟(なぎん)一同「阡捌佰超式(せんはっぴゃくちょうしき)ッ・ファイナルゲッタートマホォオオ〜〜〜クッ!」
 ズオアアアアアアッ
 緑色の氣で具現化させた巨大な斧で一気に打ち下ろす七吟(なぎん)衞琉(えいる)斬魔無限位(ざんまむげんい)!」
 しかし、衞琉(えいる)は慌てず騒がず、今、自分ができる最大限のことを行うのみだ。
 迫りくる巨大な斧に対して一歩も怖じず、その太刀筋を完璧に受け流しカウンターの斬撃を叩き込む衞琉(えいる)。
 ドンッ

 そして、交錯し、そのまま着地した両雄……
 ぐらりっ……
 片方はそのまま(くずお)れる
七吟(なぎん)「ゴパアッ!?ば……バカなッ?!我が柳生新陰流アークが!?……なっ、何故だ!?」
 ……大地にひれ伏したのは、間違った進化を遂げた七吟(なぎん)の方であった……
 五人の幻影は掻き消され、七吟(なぎん)蜘蛛切(くもきり)の直撃を受けていた。衞琉(えいる)は全てを見切り、的確に、確実に、そして完
璧に七吟(なぎん)に一撃を食らわせていたのだ。
 これが柳生新陰流。これが江戸柳生後継者の真の力だ!
衞琉(えいる)「思い知ったか?偽の柳生!」
 ズビシッと蜘蛛切(くもきり)を突き付けて衞琉(えいる)が宣言する。
七吟(なぎん)「グッ……ぬぐぐぐ……ぐぬぬ……」
 どこからどう見ても、七吟(なぎん)の完全敗北であった。

#5
七吟(なぎん)「くそぅ……やはり、次元〇結システムやゲッ〇ー炉心、Nジャ〇ーキャンセラーなしに柳生新陰流アークが
完成したと豪語したのは早計だったか……」
 悔し気に語る七吟(なぎん)だが、いや、お前人間だからね、次元連〇システムならいざ知らず、ゲッター〇心とかNジャ
マー〇ャンセラーとか仕込めるわけがないから。
※ってか、次元連結〇ステムも女性にしか組み込めないのでは!?
七吟(なぎん)「今は負けを認めてやろう……だが、次は、次合う時こそ光と影の柳生……貴様らを潰す!」
 それはどこからどう見ても負け犬の遠吠えというヤツだった。
衞琉(えいる)「だったら、ここで引導を渡してやるか……」
 チキリと蜘蛛切(くもきり)を構えて、静かなる殺気とともに七吟(なぎん)に迫る衞琉(えいる)七吟(なぎん)「き、今日のところはこれまでにしといてやろう……さ〜〜〜らばだ〜〜〜ッ」
 脱兎のごとく逃げ出す七吟(なぎん)。なんとも情けない姿であった。
衞琉(えいる)「……」
 偽の柳生、もはや彼が光と影の柳生にかなうことはないだろうが、もしかしたら更に邪道な方法で間違った進化
を遂げて戻ってくるかもしれない……知らんけど
 まだ柳生新陰流を巡る因縁は終わっていない……かもしれない。知らんけど
※いや、どんな終わり方だよ!


END

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