Eighter -Extra Voyage-
72nder 〜天四斗(あまよと)に眠る黄金 A〜



#0
 佐々成政の黄金伝説……それは本能寺の変で信長亡き後、秀吉に反旗を翻したものの、ややあって失脚した成政
がいずれ再起を図るために残した軍資金のことである
※いや、途中端折るなよ……
 そして、今回はそんな成政の埋蔵金の謎に迫る……かもしれないエンコード
※エ『ンコ』ードじゃなくエ『ピソ』ードだから!

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
元人交喙(いすか)「さて、では、これより佐々成政の埋蔵金を探しに行くぞ!」
梓與鷹(よたか)「待て待て待て」
 いきなり何を言い出すんだ?と堪らず與鷹(よたか)が突っ込みを入れる。
交喙(いすか)「いや、ちょっと前に言っただろ」
與鷹(よたか)「……ま、まぁ、聞いたが……」
 そう、確かに、ちょっと前に、交喙(いすか)は何故か新宿で古物商から佐々成政の埋蔵金に纏わる情報を仕入れてきた。
 だが、その時、突如として化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)與鷹(よたか)を急襲。そのまま梶太郎(かぢだろう)交喙(いすか)の死合が始まったのだ。
 梶太郎(かぢだろう)との死合を終えて満足して帰っていってくれないかなぁ……なんて與鷹(よたか)は内心思っていたが、しかし、そ
んな考えは甘かったと言えよう。
交喙(いすか)「手駒も増えたしな」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「あ!?てめぇ、手駒ってのは俺のことかよ!?」
 ギロリと交喙(いすか)を睨みつける梶太郎(かぢだろう)交喙(いすか)「てめぇは俺に負けた!」
梶太郎(かぢだろう)「グッ……」
 負けたため、強くは言えない梶太郎(かぢだろう)
 更に追い打ちをかけるように敗者の分際で勝者の行く手を阻む出ないわ〜とか言い出す交喙(いすか)。
 お前はどこのカ〇ス先生だよ!
梶太郎(かぢだろう)「敗者は勝者に生殺与奪を握られる……それが双虎拳(そうこけん)の定め」
與鷹(よたか)「……」
 もう、なんなんだよ、双虎拳(そうこけん)って……って呆れ果てる與鷹(よたか)であった。
與鷹(よたか)「で、どうするんだ、交喙(いすか)?」
 ただ闇雲に探しても見つかるわけも無かろう。
 それに、こういっては何だが、佐々成政の埋蔵金を探しているのは交喙(いすか)だけではない。何度か同じ試みを行った
者がいたが、結果は言うまでもない。
 だから、そもそも佐々成政の埋蔵金なんてあるのかという疑問の声も上がっているのだ。
交喙(いすか)「フッ、なめるなよ、俺はそんじょそこいらのトレジャーハンターではない!」
※いや、今はそんなことどうでもいいから
交喙(いすか)「今までの奴らは大事なことを忘れている!」
一同「大事なこと!?」
 それは、一体何なのか!?

#2
交喙(いすか)「歌の謎を解かずして埋蔵金にはたどり着けん!」
與鷹(よたか)「あ〜〜」
梶太郎(かぢだろう)「歌だぁ!?ヘッ、まさか宝さがしなんてくだらねぇ、俺の歌を聞ッけ〜〜とか言い出すんじゃないだろう
な」
 何故に熱気バ〇ラの物まねでそんなことを叫ぶのか
與鷹(よたか)「いや、そういう歌じゃなくて……」
交喙(いすか)「朝日さし、闇夜に輝く鍬崎に、七つ結び七つ結び、闇夜切り裂き光り輝く」
梶太郎(かぢだろう)「あぁ!?なんだそりゃあ!?」
 突如謎の文句を歌いだし、梶太郎(かぢだろう)が首を傾げる
交喙(いすか)「この歌の謎を解けばおのずと佐々成政の埋蔵金にたどり着けるって寸法よ!」
與鷹(よたか)「うん?」
 この時、與鷹(よたか)は違和感を覚えた。
 確かに埋蔵金に纏わる歌が残っている。しかし、文言が違う。正しくは『朝日さす、夕日輝く鍬崎に、七つ結び
七つ結び、黄金いっぱい光り輝く』だったはずだ。
※ちなみに、余談だが『七つ結び七つ結び』とは『7×7』を意味する。つまり49だ。しかし、この数字が意味する
 ところはまだ、誰にも解明されていないのだ。
交喙(いすか)「いざ行かん鍬崎!」
梶太郎(かぢだろう)「おっしゃ、静岡だな!」
 右拳を左掌に叩きつけて梶太郎(かぢだろう)がトンデモないことを言いだす
交喙(いすか)「お前、馬鹿か!?埋蔵金は天四斗(あまよと)にあるんだぞ?」
 徳川の埋蔵金と勘違いしてるんじゃねぇか?佐々成政の埋蔵金だぞ!と力説する交喙(いすか)梶太郎(かぢだろう)「え?でも、さっき桑崎って……」
白拍子かんな「それは、確かに静岡にある地名ですが、『桑崎』と書いて『かざき』って読むんですよ?」
梶太郎(かぢだろう)「……」
 かんなに指摘されて物凄く赤っ恥な梶太郎(かぢだろう)であった。
 そして、今回一行が向かうのは鍬崎山。立山連峰にある標高2,090mの山のことだ。日本三百名山及び富山の百山
の一つとして有名だ。

 と、言うわけで一行は鍬崎山へと足を運ぶ。
交喙(いすか)「朝日さし、闇夜に輝く鍬崎……つまり、陽光を蓄えて夜に光るって意味だな」
與鷹(よたか)(本当かよ?)
 昼の光を集めて、夜に光り輝くとか、そんなことがあり得るのか?
 まぁ、ともかく、交喙(いすか)の気が済むようにしてやろうと與鷹(よたか)は考え、近くに放置されていた石に座り込んでみる。
 果たして、佐々成政の埋蔵金は見つかるのか!?


続

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