Eighter -Extra Voyage-
62nder 〜偉大なる剣の智慧(アルス・マグナ) B〜



#3
 劉造時(りゅうぞうじ)を狙う謎の刺客、牙影裏王(がえりお)。
 彼らの目的は一体何なのか!?
 アルスに食い止められ、逃げかえった刺客の一団はひとまず作戦会議を行っていた。
蒔切錘漸(まくぎり・すいぜん)「クソッ!」
 ドカンと壁に拳を叩きつけて錘漸(すいぜん)が叫ぶ
*「アレは何だ!?」
 なんだ……といわれても……
錘漸(すいぜん)「無名のボディーガードだったんじゃなかったのか?」
*「確かに、無名だった……」
 だが、無名だから弱いなんてことはなかった……ただ、それだけだのことだ。
錘漸(すいぜん)「クソッ!クソッ!クソッ!」
 このままでは我らの野望に支障をきたす……
 今更逃げるわけにはいかないのだ
*「では、こちらをお使いください……」
 そんな中、一人のメンバーがなにやらアンプルのようなものを差し出してくる。
一同「これは!?」
*「これは、さるイタリアンマフィアから譲り受けたブーステッドドラッグです」
一同「ブーステッドドラッグ?!」
 確かにアルスの力は我々の想像を超えていた……だが、まだ勝てる目は残っている!
 このドラッグを使えば奴らを圧倒出来る!
*「おい、お前、そんなものをどこから?」
 イタリアンマフィアってなんだよ?と疑いの声があちこちから上がる。
錘漸(すいぜん)「フン、いいじゃねぇか……」
一同「なっ!?」
 錘漸(すいぜん)の声に一同仰天
錘漸(すいぜん)「今更計画は止められねぇ……ならば、どんな手を使ってでもあのガキとボディーガードを殺すことを考える
のが先決だ!」
一同「イエス、ボス!」
錘漸(すいぜん)「作戦決行は明日!」

 一方、劉造時(りゅうぞうじ)家では……
ラージックーギミ「まずはなんとか凌げたな……」
劉造時壊人(りゅうぞうじ・かいと)「でも……」
 執事が一人、人質にされてしまった……
ロックスケルトン「奴らは必ずもう一度来る……」
 そして、最悪の場合は、決断を迫られるかもしれない……
ラージックーギミ「次は今以上の軍勢で襲ってくるかもしれんな……」
壊人(かいと)「そんな……」
ラージックーギミ、ロックスケルトン「だが、安心してくれ、我らアルス、必ずや貴方を守って見せよう!」
 膝を折り、祈りをささげる感じで二人は言う。
壊人(かいと)「う、うん……任せるよ……」

 かくて、運命の日は訪れる……
錘漸(すいぜん)「行くぞ、ヤロウども!準備はいいか?」
一同「オォ〜〜!」
 ズブシュッ
 叫ぶや否や、アンプルを首に宛がいドラッグを注入する一行。
錘漸(すいぜん)「ブチ殺せぇ〜〜!」
 ズドオンッ
 ブーステッドドラッグの力は凄まじかった……人知を超えたバケモノのような力……
 これならば、あるいは、アルスの連中を圧倒出来るかもしれない。

#4
*「うおおおっ!」
*「死ねコラぁ!」
ロックスケルトン「お前らが束になって……何!?」
 明らかに前よりも強力に、凶暴になっている刺客に、思わず気圧されるロックスケルトン
ロックスケルトン「こいつら……」
 ガキンッ
 ガガンガンッ
*「ハッハ〜〜!」
*「どうしたどうした、貴様の力はその程度か?」
ロックスケルトン「ぐっ……ぐぐっ……」
 徐々に圧されていくロックスケルトン
*「砕け散りゃあッ!」
ロックスケルトン「しまっ!?」
 そして、一瞬の隙をついて一人の刺客が壊人(かいと)に躍り出る
 ズドンッ
一同「な、何だと!?」
 だが、しかし、その兇刃が壊人(かいと)にたどり着くことはなかった……
 新たなるボディーガードの参上!彼が兇刃を阻んだのだ!
ラージックーギミ「トゥスマイルブルー……お前か……」
トゥスマイルブルー「御ь(ごとうしゅ)様の命で、馳せ参上した」
 ここで、アルスの連中について少し語ることにしよう……
 MH本編を見ていた人ならばお分かりだろうが、アルスの連中は刀剣男子(違ッ)である。
 例えばラージックーギミ……『ラージ』は『大きい』、『ックギミ』は『ギミック(カラクリ)』の業界用語(逆さ言葉)だ。カラクリの
逆さ言葉、それはすなわちクリカラ……よってラージックーギミとは大倶利伽羅
 例えばロックスケルトン……『ロック』は『岩』、『スケルトン』は骨とかの意味ではなく、『透けるとん』の
意味だ……つまりロックスケルトンとは岩融(いわとおし)
 そして、トゥスマイルブルー……『トゥ』は『〜へ』、『スマイル』は『にっかり』、『ブルー』は『青』……
故ににっかり青江
※まって!『トゥスマイルブルー』だと『にっかり青江』じゃなくて『にっかり青"へ"』じゃん!
*「たかが一人増えた程度、何するものぞ!」
トゥスマイルブルー「絶対死守ッ!」
 ガガガガッ
 二振り VS 大多数
 凶暴で強力な刺客の一団……ブーステッドドラッグを駆使して無理やり力を引き上げているのだが、弱点はある
 クスリが切れてしまえば、そこでお終いというわけだ。
*「ぜはぁ〜〜、ぜはぁ〜……」
錘漸(すいぜん)「馬鹿な……」
 そして、タイムリミットは過ぎた!
 あれほどイキっていた刺客の集団も、今は息も絶え絶えだ……
秦野始皇(はたの・しおう)「坊ちゃま!」
壊人(かいと)「ジィ!無事だったか!」
始皇(しおう)「死ねぇクソガキャァ!」
 ズガンガンガンガンガンガンッ
 感動の再会……をブチ壊す老執事、懐から取り出したリボルバーが火を噴く。
 一体、何故!?


続

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