Eighter -Extra Voyage-
61ster 〜七つの島のティキ B〜



#3
 江戸時代に活躍(?)した海賊が残した財宝を探して伊豆へ行こう!
 その前にいい加減な伊豆七島の地図について考えよう
梓與鷹(よたか)「この地図に描かれている伊豆七島は一見適当で子供の落書きのようにも見えるが……」
百鬼あろえ「え?違うんですか?」
元人交喙(いすか)「北斗七星を模しているのにはワケがあるってこった!」
 文献にあった言葉、『死を予兆する島、輝く時、扉は開かれる』……これは明らかに死兆星を意味する言葉だ
交喙(いすか)「つまり、この地図の死兆星の位置に麦原の七味の財宝が隠されてるってことだ!」
 北斗七星における死兆星とは、数え方が間違っていたらスマンが六番目の星の伴星だ。
 そして、この伊豆七島の六番目の島といえば、御蔵島(みくらじま)である。
あろえ「な、なんですってぇ〜〜?」
 ノリよく盛大に驚いて見せるあろえだった。
交喙(いすか)「おっしゃ〜〜、與鷹(よたか)、早速伊豆へ行こうぜ!」
 バシっと右拳を左手に叩きつけて交喙(いすか)が叫ぶ
與鷹(よたか)「マテマテ、話はそう簡単じゃない!」
あろえ「え?御蔵島(みくらじま)の近くの島を探せばいいんじゃないの?」
白拍子かんな「いいえ、違います」
 ふるふると首を振りながらかんなが答える
與鷹(よたか)「第一、そんな単純ならばとっくの昔に見つけらているだろ」
あろえ「あ、確かに……」
 今まで見つかっていないのならば、そこには理由がある!
與鷹(よたか)「つまり、財宝……かどうかは知らんが、麦原の七味が隠したモノは御蔵島(みくらじま)の近くにある隠された島にあるっ
てことだ」
あろえ「じゃ、江戸時代から今までに御蔵島(みくらじま)の近くで沈んで無くなってしまった島を探せばいいのね」
與鷹(よたか)「いや、おそらくはそれも違う!」
 隠された島とは、文字通り隠された島だ!……それは現代科学から隠されたということを意味する。
 つまり、衛星写真を用いても見えない場所に島はある。
 そして、それはオーパーツによって隠されていると考えるべきだろう。
 ここまで来ればもうお分かりだろう。今までさんざん乗り気じゃなかった與鷹(よたか)も、オーパーツが関与していると
分かれば気合を入れざるを得ない
※いや、まだ確定したわけじゃないけど……
交喙(いすか)「で、どうすんだ?」
與鷹(よたか)「悔しいがこのままではどうしようもない……」
與鷹(よたか)「をいをい」
 ここまで来て諦めるなんてワケにはいかないぜ!
 それは俺のトレジャーハンターとしての生き様が許せない!
かんな「隠された島を見つけるには鍵となるアイテムが必要ってことです」
交喙(いすか)「だったら、俺と一緒に伊豆へ行くぜ!」
與鷹(よたか)「おい、交喙(いすか)、お前人の話聞いてたか?」
 と、與鷹(よたか)が叫ぶも効く耳持たずで交喙(いすか)與鷹(よたか)を連れて伊豆へ……御蔵島(みくらじま)へと足を運ぶ。

#4
 伊豆七島、御蔵島(みくらじま)
交喙(いすか)與鷹(よたか)、紹介するぜ!こっちのジィさんが俺に麦原の七味の財宝に関する文献をくれたんだ」
與鷹(よたか)「は、はぁ……」
 その爺さんは名前を算次是太郎(ぜたろう)って言って猿出留太夫(るだゆう)の側近の末裔なのだという。
算次是太郎(ぜたろう)「なんじゃ、儂にまだ何か用か?」
交喙(いすか)「ジィさん、文献の他に伝わっているモンって何か何か?」
是太郎(ぜたろう)「文献の他……のう……ならば、もしやアレかのう……」
交喙(いすか)「なっ!?」
 あるのか!?だったら、早く!と興奮気味の交喙(いすか)をとりあえず與鷹(よたか)が宥めている間に是太郎(ぜたろう)は家の奥から何かを
もってやってくる
與鷹(よたか)「……」
 それは単二電池程の大きさの缶で、いわゆる七味唐辛子の容器だった。
 おい、クソジジィ、舐めるのもいい加減にしろよ!と交喙(いすか)が襲い掛かろうとした矢先、是太郎(ぜたろう)は容器の中から青
い宝石を取り出して二人に見せる。
與鷹(よたか)「爺さん、これは!?」
是太郎(ぜたろう)「うむ、栄者(えいじゃ)の青石と呼ばれておる」
與鷹(よたか)「エ〇ジャの……青石!?……赤じゃないのね……」
 俺は人間をやめるぞ!って叫ぶ爺さんを勝手に思い浮かべる與鷹(よたか)であった。
交喙(いすか)「ジィさん」
是太郎(ぜたろう)「駄目じゃ!」
 それもくれ!と厚かましく交喙(いすか)が言うよりも早く、だが、断る!と是太郎(ぜたろう)是太郎(ぜたろう)「こればっかりは誰にも譲れん!」
與鷹(よたか)「おじいさん、それがあれば麦原の七味が隠した何かを見つけることができるかもしれないんです」
是太郎(ぜたろう)「なん……じゃと!?」
 もともとこの爺さん、麦原の七味が隠した財宝などありゃあせんと思っていたクチだった。
 だからこそ、簡単に交喙(いすか)に文献を手渡した。
 だが、もしもそれが実在するならば……
與鷹(よたか)「おじいさんも……もしかして昔、麦原の七味が隠した何かを探そうとして、何も見つからなくて諦めたので
は?」
是太郎(ぜたろう)「あぁ、そうじゃが……」
交喙(いすか)「普通に探しただじゃあ見つからない……だが、それがあれば」
是太郎(ぜたろう)「……」
 栄者(えいじゃ)の青石を見つめながら黙り込む是太郎(ぜたろう)
是太郎(ぜたろう)「そこまでいうのならば、儂も連れて行け!」
 もし、本当に麦原の七味が隠した何かがあるというのならば、それを知りたい!

 と、言うわけで是太郎(ぜたろう)の爺さんも急遽探索に参加することとなった。
 海賊の末裔であるがゆえに、舟の扱いは慣れているのは幸いだ!

#5
 そして、三人は御蔵島(みくらじま)近海へ……
與鷹(よたか)「俺達の予想が正しければ……」
 カカッ
是太郎(ぜたろう)「な、なんじゃこれは!?」
 その時、突如栄者(えいじゃ)の青石が光り輝く
交喙(いすか)「思った通りだぜ!」
 栄者(えいじゃ)の青石の光が収まったときには、目の前には謎の島が出現していた。
 歴史の表舞台から隠された幻の島!
 麦原の七味がある日を境に忽然と姿を消した理由がこの島だ!
是太郎(ぜたろう)「な、なんじゃ、これは!?」
 更に、その島にはボロボロになった艦が一隻
與鷹(よたか)「どうやらアレが麦原の七味の旗艦って奴だな……」
是太郎(ぜたろう)「ま、まさか……あれほど探しても見つからなかったものが、こうもアッサリと……」
交喙(いすか)「ジィさん、感傷に浸るのは後だ!今は財宝探しが先だ!」
 いや、少しは感傷に浸らせてやれよ……って心の中で突っ込む與鷹(よたか)。

 その後、島を探索していると、一行はいかにも、な感じの宝箱を発見する。
是太郎(ぜたろう)「これが……儂が長年求めたモノ……か……」
交喙(いすか)「麦原の七味……一体どんな財宝を隠したんだろうな」
 ワクワクが止まらないぜ!って感じの交喙(いすか)。
 だが、しかし、箱を開けてみてびっくりする一行
與鷹(よたか)「これは……」
 そこには麦原の七味の海賊旗がひとつ、入っていただけだった……
一同「……」

與鷹(よたか)「ま、まぁ、アレだ……そもそも財宝が隠されているなんて一言も書かれていなかったわけだしな……」
 海賊狩りから逃れるために存在そのものを隠す……それがこの島だったのかもしれない。
 交喙(いすか)は意気消沈している様子だが、とりあえず、三人はこの島を後にするのであった。

 ちなみに、後日、この島がEighter管理下に置かれたというのは言うまでもない。


END

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