Eighter -Extra Voyage-
61ster 〜七つの島のティキ A〜



#0
 海賊、それは海の上で略奪を繰り返す悪党……とは一概には言えないらしい。海の漢のことも海賊なんて言うこ
ともあったりなかったりするが、そもそも、その場合、海"賊"じゃなく海"族"って呼ぶのでは!?
 さておき、今日はそんな海賊にまつわるエスパーダ
※エ『スパ』ー『ダ』じゃなくエ『ピソ』ー『ド』だから!……破面(アラ〇カル)の最高峰の10人かよ!!……ってか『エ』と
 『ー』しかあってねぇし!

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
元人交喙(いすか)「いよぉ、與鷹(よたか)!」
梓與鷹(よたか)「どうした、いきなり……」
 ある日の出来事、突如交喙(いすか)與鷹(よたか)の元を訪れる。
交喙(いすか)「俺と一緒に伊豆へ行こうぜぇ〜」
 俺と一緒に地獄に行こうぜ〜ってなノリでそんなことを言い出す交喙(いすか)。お前はどこの死神だよ!
與鷹(よたか)「なんでまた伊豆……」
交喙(いすか)「フッ、それはもちろん、トレジャーハンティングよ!」
 ドヤ顔で叫ぶ交喙(いすか)であった。
一同「……」
 この交喙(いすか)なる人物はトレジャーハンティングを生業としているオカしな人物だ。今の世の中、そんな職業で食っ
ていけるとは思えないのだが、普段一体どんな生活をしているのだろうか?
※なお、彼の父親もまた名うてのトレジャーハンターだったという。親子そろって馬鹿ばっか……
交喙(いすか)「さて、猿出留太夫(るだゆう)って知ってるか?」
與鷹(よたか)「いや、知らんけど……」
 じゃ、そこからか……と交喙(いすか)は語る
交喙(いすか)「猿出留太夫(るだゆう)ってのは江戸時代に七つの島をまたにかけて大暴れした海賊、麦原の七味の首領の名前だ」
百鬼あろえ「七つの……島ぁ!?……七つの海じゃなくて?」
 いきなりだが、素朴で最もな疑問を投げかけるあろえ。
※ってか海賊の名前が『麦原の七味』って……
交喙(いすか)「いいから黙って聞いてろ」
あろえ「あ、はい、すいません……」
 麦原の七味は伊豆七島、つまりは伊豆大島・利島(としま)新島(にいじま)神津島(こうづしま)三宅島(みやけじま)御蔵島(みくらじま)・八丈島の近辺で海賊行為を
行っていたから七つの島をまたにかけた海賊などと呼ばれていたという。
 まぁ、江戸時代に七つの海をまたにかけた海賊なんて言われてもピンとこないから、伊豆七島ってのは納得でき
る話なのかもしれない。
交喙(いすか)「そして先日、俺はそんな麦原の七味が隠した財宝の文献ってのを手に入れたわけよ」
 ババ〜ンと巻物を與鷹(よたか)に見せる交喙(いすか)。
一同「……」
 随分と胡散臭い話になってきたなぁ……なんて思う一行であった。
交喙(いすか)「この文献によると、『死を予兆する島、輝く時、扉は開かれる』って書いてある……」
與鷹(よたか)「物騒だな、おい……」
 ますます胡散臭い……って思う一行なのであった。

#2
交喙(いすか)「文献だけじゃなく、地図もあってだな……」
 と、巻物を更に広げていくと、そこには伊豆七島の地図が描かれていた。
あろえ「江戸時代の測量技術って適当すぎない?」
 だが、そこに描かれていた伊豆七島はなんというか、適当だった。
 何が適当かと言うと、まず島全部が同じ大きさで、次に並びが怪訝(おか)しかった。
 ここまでくると交喙(いすか)が騙されて偽物をつかまされたのではないかと疑ってしまうほどだ……
與鷹(よたか)「いや、あのな、交喙(いすか)……いくら江戸時代の測量技術が今より劣っていたとしてもだ、この地図はおか……し
……い……」
 地図を凝視して固まる與鷹(よたか)交喙(いすか)「おい、與鷹(よたか)、どうした?」
與鷹(よたか)(さっきは適当って言ったが、これは……)
 よく見ると伊豆七島は北斗七星を模しているかのように描かれていた。
 だとすれば、これは子供が人を騙すために適当に作られた偽物ではない!意図的に北斗七星を模して造られた代
物だ!
與鷹(よたか)「と、すると……」
 後押しするように……ではないが、かんながささっと調べてくれたおかげで確かに江戸時代に麦原の七味なる海
賊が伊豆七島で猛威を振るっていたのは事実が発覚している。
白拍子かんな「ただ、略奪を繰り返す通常の海賊とは違ったようですね……」
與鷹(よたか)「なるほど、単なる悪党だったというわけではなかったと、言うわけか……」
 だが、ただ、海賊と言うだけで麦原の七味は討伐されることとなった。
かんな「しかし、麦原の七味が討伐されることはついぞありませんでした……」
與鷹(よたか)「それは……」
かんな「いいえ、ある日を境に麦原の七味は忽然と姿を消したようです……」
 ふるふると首を振りながら話を続けるかんな。
交喙(いすか)「つまり、逃げ延びた麦原の七味の隠し財宝が今でも伊豆七島のどこかに眠ってるってことだ!」
與鷹(よたか)「いや、そんな楽観的な話でもないと思うんだが……」
 さておき、ひとまず話を戻そう……

與鷹(よたか)「この伊豆七島の地図だが……」
あろえ「やっぱ適当すぎるでしょ……伊能忠敬にでも頼んで書いてもらえばよかったのに……」
與鷹(よたか)「いや、そんなことじゃなくてだな……」
かんな「北斗七星を模しているのは理由があるということです」
一同「え!?」
與鷹(よたか)「ああ、お前もさっき言っただろ……文献に書いてある言葉!」
交喙(いすか)「……はっ!?まさか!?」
 『死を予兆する島、輝く時、扉は開かれる』そして『北斗七星を模した地図』……これらが意味するコトとは…
…?!
※もうお気づきの人もいるかもしれない……

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