Eighter -Extra Voyage-
53rder 〜過去のプレアデス A〜
#0
與鷹の兄、昴(……彼も與鷹(と同じく無類のオーパーツマニアであり……そして、妻と子供を持つ立派な(育児放
棄した)パパである。
※おいおい……
今回はそんな、昴(と鰆(の出会いと別れ……じゃなく、結婚までを綴ったエルコプテ
※エ『ルコプテ』じゃなく、エ『ピソード』……木星帝国が開発したみょうちくりんなMA!?
#1
……今より15年前……
既にこのころからオーパーツマニアとして奇人変人扱いとなっていた昴(は……周りからも浮いた存在であった…
…まぁ、本人はそんなことちっとも気にしてなかったのですが……
天四斗(、天四斗(北高校
そこは昴(らが通っていた高校であり、三人のマドンナが居ることで有名だった……
生徒「アンタ達、そこをどきなさいよ!」
生徒「そうよ、渓陰細魚(様の通行の邪魔じゃないの!」
一同「……」
まるでモーゼが海を割るかのように道が開かれ、そこを悠々と歩いていく一人の女子生徒……彼女こそが天四斗(
北高三大マドンナの一人、渓陰細魚(……力により数多の男子、女子生徒をひれ伏せさせた魔性のドンのような女…
…略して《魔ド女(》である。
生徒「……って、そこのアナタ……あなたもさっさとどきなさいよ!」
*「……フヒッ」
そんな彼女の覇道を阻むが如く一人の女子生徒がぼけっと突っ立っているのだが……彼女はなんというか、眼の
焦点があってない、なにかヤバいクスリでもキめてるんじゃないかってな感じの女子生徒……
何を隠そう、彼女も天四斗(北高三大マドンナの一人で邦樹石斑魚(。……何から何まで全てが狂っていることから
《MAD女(》と呼ばれているのだ。
そして、ここまでくればまぁ、大体わかるかと思いますが、安村鰆(もまた、天四斗(北高三大マドンナの一人であ
る。
彼女には……いつもぼ〜っと窓の外を眺めていることから深窓の令嬢……《窓女(》と呼ばれている
のだった
※いや、鰆(以外のマドンナが酷過ぎる件……
なお、そんな鰆(を陰ながら……というか、表だって守っているのが鷹舗(ちえりである。
梓昴(「……よし!行くか!」
生徒「おいおい、行くってどこにだよ?」
生徒「聞いてやるな……またオーパーツだよ」
生徒「あ〜、例の悪い病気って奴か……」
昴(「いや、違う、俺は告白に行く!」
一同「な、何だってぇ〜〜!?」
昴(の発言に一同驚愕
三度の飯よりもオーパーツが好きなあの男に一体何が?これは、まさか天変地異の前触れかと叫びだす生徒も出
てくる始末である
昴(「大げさな……」
#2
生徒「ってか、誰に告白しに行くんだよ?」
昴(「フッ、安村鰆(だ!」
一同「お前馬鹿だろう」
すぐさま一喝ってか、一笑される昴(
生徒「彼女は天四斗(北高三大マドンナの一人にして全校生徒の憧れ」
まぁ、他の二人は憧れじゃなく、畏怖だけど……
そもそも、なんで鰆(だけ毛色が違うのか……まぁ、そんなことを考え出すとキリがないのでここは一旦置いとい
て……
昴(「馬鹿とは何か!」
生徒「貴様も知らないわけじゃないだろう!安村さんに告白に行った者は全て失敗に終わっている……」
昴(「ああ、知っている……」
それは彼女の眼鏡にかなう男子生徒がいないから彼女が交際を断っている……ということではない。
いつも彼女と一緒に寄り添う、まるで恋人の様なガーディアン、鷹舗(ちえりが鰆(に告白する不逞な輩をその前に
物理的に排除しているためだ。
だが、それでも、昴(は行くのだ
生徒一同「幸運を祈る!」
ズビシィっと敬礼する生徒一行。
この敗北が分かり切った戦地へあえて赴くという昴(に敬意を表しているのだ……
※ってか、昴(って浮いてるんじゃなかったっけ?なんか溶け込んでいるような気がするけど……
そして、屋上……
昴(「安村さん!」
安村鰆(「……」
しかし、彼女はぼ〜っと窓の外を眺めている
※屋上に窓なんてないので『窓の外』というのは比喩表現ですけど……
昴(「今度の創立記念日……豪華客船セフィロト號で二人でホエールウォッチングに行かないか?」
鷹舗(ちえり「にゃっはははははははは〜〜〜」
そして、鰆(が返事をするよりも前に、ちえりが昴(の前に立ちふさがる
ってか、お前は一体どこからやってきたんだ?
昴(「……出たな!」
ちえり「そうだよ!私がちぇりりんだよ!」
鰆(に手を出そうなんて不逞な輩は私が潰す!と宣言
ちえり「……しかし、あんな大声で愛を叫ぶとは……少しだけ見直したよ……」
しみじみ語るちえり。
……ちなみに、『創立記念日』というのは『この学校(の始まりの日』の意味で、『豪華客船セフィロト號』とは
言うまでもなく『生命の樹』の意味で、『二人でホエールウォッチング』とは『鯨達の声の遠い残響、二人で』と
いう意味である……
よって昴(は一万年と二千年前から愛してる、八千年過ぎた頃からもっと恋しくなった、一億と二千年後も愛して
るという意味を込めた一世一代の告白を行ったのだった
※いや、アニソンをベースに告白する昴(も昴(だけど、そんなのを瞬時に理解できるちえりもちえりで只者じゃない
よ……何なの?この二人?
昴(「そうかい、だったら、ついでにそこをどいてくれないか」
ちえり「にゃはは〜、それは無理!」
昴(「ならば、押し通るのみ!」
ちえり「かかって来ぉ〜い!!」
かくて、ここに鰆(へ告白する権利を賭けた白熱の死合が始まった!
続
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