Eighter -Extra Voyage-
17ther 〜恐怖!凍子(とうこ)が来る B〜



#3
 絶対に解けるわけの無い暗号メールとともに現れたのは(あつし)の姉、凍子(とうこ)であった……そして、(あつし)の……終わりなき
悪夢が始まる……!?
枳凍子(からたち・とうこ)「さて……と」
 ガシイッ
 ぐぐぐっ
 営業スマイルを終えた凍子(とうこ)は再び(あつし)の頭を掴み、そのまま持ち上げる
枳篤(からたち・あつし)「うひぃ」
 ゴリッ
 更に拳銃を突き付ける凍子(とうこ)
凍子(とうこ)「で、さっきの話に戻るけど……」
(あつし)「いや、あの、アネキ……」
 切羽詰まった(あつし)……と、その時、あろえがのほほんと呟く
百鬼あろえ「う〜〜ん、その拳銃、見かけないタイプですね」
凍子(とうこ)「ん?これ……当然でしょ。私のカスタムメイドなんだからね。なんたって、でビューティーおなじみの44コ
ルト・パイソンと現在最強のリボルバー、S&W M500の技術を結集させて作らせたんだから……その名も9999(フォーナイン)コルト
パイソンって言うのよ!」
一同(どんな銃だ!?)
凍子(とうこ)「さぁて……話の続きといこうか……?」
 何事も無かったかのようにニッコリと笑って撃鉄(ハンマー)を起こす凍子(とうこ)
(あつし)「ちょ、待って……頼むから本当に待ってください。アネキ様!!」
あろえ(アネキに様をつけるってのもヘンな文法よね……)
※アネキ+様……姉貴様……確かにヘンな敬語だ……
凍子(とうこ)「何かな?」
(あつし)「え……えっと、こ、今回はどういったご用件で……?」
凍子(とうこ)「……そうそう、忘れるトコだった」
 そう言って凍子(とうこ)はぽいっと(あつし)を投げ捨てる
 ゴシャッ
(あつし)「ほげあ!?」
 ……ゴミ箱に頭を突っ込む(あつし)……ナイスインだ!
 ヅカヅカヅカ……
 そのまま與鷹(よたか)のもとに歩み寄り、凍子(とうこ)は本題に入る。
凍子(とうこ)「こっちに長距離弾道ライフルがあるって聞いたんだけど……」
梓與鷹(よたか)「は……はぁ?」
與鷹(よたか)(どっから聞きつけたんだ?)
 一般的には知れ渡っていないはずの情報を知っており……ビックリする與鷹(よたか)……
凍子(とうこ)「それ、頂戴!」
與鷹(よたか)「ムリ!」
與鷹(よたか)(大体、今は歴史の墓場でルシャが保管しているし……)
凍子(とうこ)「え〜〜、いいじゃん、ケチ!!」
 ……だが、どうしても欲しいらしく、譲らない凍子(とうこ)
一同(アンタにゃ9999(フォーナイン)コルトパイソンあるだろ!)
 一同が9999(フォーナイン)コルトパイソンがあるだろ……と心の中で思っていると、ゴミ箱にナイスインしていた(あつし)が復活し叫
びだす

#4
(あつし)「ってか、アネキ、アンタには9999(フォーナイン)コルトパイソンあるだろうが!!」
 ダガァンッ
(あつし)「うひあああ!!!すすす……すみませんッ!!アネキ様ッ」
 凍子(とうこ)(あつし)の方を見たかと思うと威嚇射撃を行い睨みつける
凍子(とうこ)「ああん!?もうこの銃の威力に飽きたんだよ!!」
與鷹(よたか)「どうでもいいがEighter本部(ここ)で射撃なんかしないでくれ!」
(あつし)「リーダー!俺のことはどうだっていいのかよ!」
與鷹(よたか)「……いや、その……な……?」
(あつし)「何が『な?』だよ!!」
 咄嗟に叫んでみたものの、実はあまり考えていなかった與鷹(よたか)……おそらく、あまり凍子(とうこ)と関わり合いたくないん
だろうな……
凍子(とうこ)「五月蠅いわ!ちったぁ黙っとけ!……もう一発、今度は頭か胸に喰らわすぞ!」
 チャカッ
 9999(フォーナイン)コルトパイソンを構える凍子(とうこ)
(あつし)「それって殺すってな意味だよな?」
凍子(とうこ)「ああん!?」
(あつし)「いえ、何でもありません!!」
 ババッ
 凍子(とうこ)に睨みつけられて、思わず両手を挙げて無条件降伏すつ(あつし)……力関係がよくわかった……

凍子(とうこ)「で、……話が反れたけど……その長距離弾道ライフル、頂戴よ」
與鷹(よたか)「だから、ムリだっての!」
あろえ「話が進まないッ!!」
凍子(とうこ)「ケチケチ!!」
與鷹(よたか)「アレは人間が扱える代物じゃないし、第一オーパーツで出来ているようなものだからな、こっちで管理しな
きゃならないんだよ」
凍子(とうこ)「……あっそ……じゃ、仕方ないなぁ……」
(あつし)(諦めてくれた……)
凍子(とうこ)「そんかわり住ませくれない?」
(あつし)「はい!?」
凍子(とうこ)「いやぁ、ちょっとねぇ、以前住んでたアパートを追い出されたんだよね……」
一同(理由がものすごく簡単そう……)
※拳銃乱射とか……
凍子(とうこ)「それくらいいいだろ?」
(あつし)「なっ!ダメだって!なぁ、リーダー、何か言ってやってくださいよ……」
 このとき、(あつし)は重大なミスを犯した……
與鷹(よたか)「……まぁ、何だ……家賃さえ払ってくれるなら別に……な?」
(あつし)「ちょ、リーダー!!」
白拍子かんな「……『出て行けと言え』ではなく『何か言ってやってください』といった(あつし)さんの負けですね」
(あつし)「うぉい!!……」
 ひょっこりと登場しては解説するかんな
(あつし)「いや、俺は絶対に反対だ!!アネキが住み着くなんてな……」
凍子(とうこ)「そっかぁ……あのことバラされてもいいんだね……?」
(あつし)「どうぞ、気が済むまでお住みください!!アネキ様」
 途端、土下座して叫ぶ(あつし)
一同(何だ?あのことって……)
凍子(とうこ)「じゃ、早速部屋に案内してもらうわ」
(あつし)「あああ、俺の平穏な日々がぁあああ!!!」
 ……(あつし)……お前何秘密握られているんだ!?……ってか……ここからが(あつし)の地獄なのである!


END

前の話へ 戻る 次の話へ