Eighter -Extra Voyage-
16ther 〜狐と狸の殺し合い C〜
#5
誠吾が作りし、究極の一振り……狸王(……しかし、全てを切り裂く研ぎ澄まされた一本と銘打たれてもあろえの
持つ虹雷牙(には敵わず……誠吾は次の標的を虹雷牙(へと移し……ここに、あろえと誠吾との死合が始まった……
ジリジリ……
百鬼あろえ「……」
館森誠吾「……」
微妙に間合いを詰めつつも、絶妙に距離を置く2人
兵士(くっ……・)
それを固唾をのんで見守る猛る炎の騎士団(
兵士(我らも……あろえ様に加勢した方がいいのでは!?)
兵士(いや、あろえ様はそれを望んでいない……)
兵士(……ここは、グっと我慢するんだ……)
ここで、話は少し前に戻ります……
白拍子かんな「あろえさん……聞こえます?」
あろえ「うん!?かんな……?」
誠吾を追っかけていた時、契約の指輪であろえにも通信が届く
かんな「誠吾さんの額につけている鉢金……アレが諳憶の憑帯(です」
あろえ「……なるほど、狙うとすればそこなわけね」
かんな「はい」
※ちなみに、漢が館森誠吾であるとか……憑依しているのは鏑重衛門影征(とかという情報も既にあろえに届いた後
の話です。
……そして、話は戻り……
鏑重衛門影征((次も、また、同じ手だとして……フン……だが、いける……所詮は眼晦まし……ただ眩いだけに過
ぎん……)
誠吾「……行くぞ!」
あろえ「はっ!」
ダッ
先手必勝……一足飛びにかかる両者……重衛門(には勝算があった……たとえ、先ほどの眼晦ましがあったとして
……こちらはそれよりも早く相手に到達することが出来る……つまり……最早この死合……既に必殺の間合いに達
している……
ガクッ
誠吾「なっ!!?」
だが、突如頽(れる誠吾……
あろえ「やああっ!」
ダムッ
ガキュインッ
その間に、あろえは間合いを浸食し、まずは狸王(を叩き折る
重衛門((ぐっ!!?)
回避行動に移ろうとするも、体が思ったように動かない……
あろえ「これで……終わりよッ!」
バスッ
重衛門((バ……馬鹿なぁッ!!?)
あろえに諳憶の憑帯(を破壊される……さしもの重衛門(も、魂を定着させていた諳憶の憑帯(が無ければ現世にとど
まることが出来ない……
※ちなみに、突然誠吾が頽(れたのは……相手の邪悪な氣を祓う噪天(にて、重衛門(の力が打ち消されたからです
#6
あろえ「……ふぅ……これで……終わったかしらね……」
ふおっ
重衛門(の気配も完全に消え失せる……
誠吾「……ぐ……ぐおおぉおおあがぁがあああ!!!?」
あろえ「なななっ!?何よ!?」
その時、突然誠吾が苦しみだす。のたうちまわる誠吾
あろえ「え!?ええ!?……わわ……私のせいなの!?」
おろおろするあろえ……見守っていた猛る炎の騎士団(も動揺し、ざわめき……と、そこへ與鷹(登場
梓與鷹(「……いや、大丈夫……あれはただの全身筋肉痛だ……」
あろえ「は……へ!?」
当然である……武道の達人ですらないただの鍛冶、誠吾があんな常人離れしたスピードを繰り出せるはずがない
……全ては重衛門(が無理やり引き出した結果に過ぎない……
速い話が、体を酷使しすぎた結果……なのである。
天四斗(、某病院
誠吾「はっ!?」
ガバッ
気が付くと、誠吾はベッドの上だった……
誠吾「あだだだだっ!!?」
上(総介「フン、無理して体を酷使するからだ……最も、酷使させされた……と言った方が正しいがな……」
誠吾「うおっ!?あ……アンタは!?」
病室に総介が堂々と居すわっており、思わずびっくりする誠吾
山咲(桜「全国津々浦々……巡り巡って日本刀を盗み……そして、破壊した……」
誠吾「……あ、あれは……」
総介「まぁ、それはこの際どうでもいい……肝心なのは……どこで諳憶の憑帯(を手に入れたか……ということだ…
…」
誠吾「へ!?……あ……あれは……」
実家の蔵を整理していた時に見つけたものだ……と誠吾は語る……
総介「フン……なるほどな……」
その後、2、3質問を行うと、総介は病院を去っていく
誠吾「……あ……あれ!?俺……逮捕……されないの!?」
……誠吾が退院すると同時に、逮捕され、今度は刑務所に……ってなことになったりするのですが、それは別の
話です。
天四斗(、Eighter本部
総介「館森誠吾……アレは……太刀守……つまり、古くから日本刀を守る一族だった……ってわけだな……」
與鷹(「ははぁ……」
そして、後日談……みたいな感じで総介は與鷹(に語る
雨水朧(「あ、ひょっとして、次の標的が狐王(……ってメッセージをくれたのって……」
総介「……ほぅ?そんなタレコミがあったとはな……」
朧(「あれ?!」
あろえ(……もしや……)
総介、桜の情報ではないとすると……一体誰が……!?そして……あろえはその人物に心当たりがあるのか!?
……ともかく、今回は一旦これで終了です。
END
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