Eighter -Extra Voyage-
12ther 〜(おろち)(みずち)複製(コピー)の子 B〜



#3
 高村蠍雄(かつお)……(みずち)のクローンを用いて(みずち)を襲うってな事件が起きたが……これはその事件の事後処理を描いたもの
……高村家地下研究所に足を踏み入れた(みずち)(おろち)(そう)の3人は、そこで起動した(みずち)のクローン軍団と死合うことに…
…だが、この(みずち)クローン軍団、学習して戦術パターンを増やしていくものらしく……
斎藤(そう)「そこかっ!!天狼翔翰(てんろうかかん)!」
 ゴガシャアアッ
 突如、何かを発見した(そう)はジャンプと共に天狼碎牙(てんろうさいが)を繰り出し、天井を貫く
安村(みずち)「お姉さん……何を!?」
安村(おろち)「ボっとするな!(みずち)、来るぞ!!」
 ぼやぼやするな!と(おろち)が怒声を浴びせる
(みずち)「このおっ!回伏勢(かいしせい)!」
 ザバスッ
 迫る(みずち)クローンに斬り上げと斬り下げをセットで行う(みずち)……と、今回は得物だけ破壊できた……
(みずち)「あれ……!?」
(おろち)「……そうか……」
 (そう)が先ほど天井を破壊したのは……このため……地下研究所の天井に、(みずち)クローン全てを統括し、情報を
 仕入れる眼があったのだ……
(そう)「これで、眼は潰した……行くぞ!!」
(みずち)「うん」
(おろち)「おおおお!!」
 ガギンッ
 ズドオオンッ
 ゴドオオンッ
 そして、眼を潰され、情報入手の手段を失った(みずち)クローンは最早、3人の敵ではなかった……

(みずち)「はぁ……はぁ……」
(おろち)「まだいるの!!?」
(そう)「おかしい……最初に入った頃はこんなにいなかったはず!?」
 明らかに、最初に見かけた人数以上を屠っている3人……
 ヴオオオオオオ〜〜ンッ
(みずち)「み、見て……」
 ゴボゴボゴボッ
(そう)「な……んだと!!?」
 (みずち)の指さす方向……その先では驚異的なスピードで培養器の1つから(みずち)クローンが作られていく……
(おろち)「気に食わないんだよッ!!走牙勢(そうがせい)!」
 ズオッ
*「……」
 ガギイインッ
 突進して刺突を放つもクローンに防がれる。
(みずち)「お姉さん……これは……?」
 (おろち)が1人特攻したその時、(みずち)はどこからともなく、レポートを手にし、(そう)のもとへやってくる。
(そう)「……外観複写器(アピアランス・コピー)……?」
 写真データ元に三次元プロッタの応用で意思を持たないホワイトドールを作り上げる装置……このホワイト
ドールに行動パターンを記録すれば即席で人型兵器が作成可能
 とある
(みずち)「……ひっど〜〜い、(おろち)は……人形なんかじゃないよ!!」
※ときに、お2人さん……レポートもいいけど、(おろち)1人にクローンを任せるのはやめようね……
(そう)「……(みずち)、お前は(おろち)のサポートで培養器を破壊しろ!私は行動パターンの大本を破壊する!」
(みずち)「はぁい……行くよ〜〜、(おろち)〜〜♪」
(おろち)「遅いんだよ!今更!!」
 ゴギャインッ
 ギイインッ
 とか愚痴を零しつつも……やっぱりクローンなので息はピッタリ……

#4
(そう)「私の邪魔をするな!」
 ズバッ
 バスッ
 並み居るクローンを斬り飛ばし、稼動しているメインコンピュータに向かう(そう)
(そう)「おおおお!天狼飛杭(てんろうひこう)」
 ゴギャウウウッ
 メインコンピュータを前に一足飛びにかかる(そう)……
(みずち)(おろち)「はあああ!!平刃勢!」
 ズバズバシュアアアッ
 1度に一、八、十の字に外観複写器(アピアランス・コピー)を斬り裂いてバラバラにする2人と……
 ズガムウッ
 天狼碎牙(てんろうさいが)を繰り出すと共に刀を飛ばしてメインコンピュータに直撃させる(そう)
*「!!!?」
 バヂイッ
 双方を一気に破壊されたせいか、(みずち)クローン軍団の動きが止まる
(みずち)「……私の気配が止まった……」
(おろち)「……終わった……か……」
(そう)(……機械が止まり、(みずち)クローンも止まった……でも、(おろち)は動いている……やっぱり、あなたはホワイトドール
なんかじゃないわ……)
(おろち)「テンオブ……?」
(そう)「ん?」
 (おろち)、メインコンピュータについていたロゴを読む
(そう)(戦術パターンは……テンオブの提供なのか……)
(みずち)「ねぇねぇ……こんなの見つけたよ……」
 (みずち)、研究日誌を持ってくる
(おろち)「下らん……捨て置け……」
(そう)「貸しなさい……」
(みずち)「はい」
 (そう)、研究日誌を読む……
 『……神の気まぐれか、偶然か……私は作ってしまった……行動パターンがなければ動くことの出来ないホワイ
トドールなんかじゃなく……真の人間を……この個体は、(おろち)と命名する……フフフ……(みずち)……見ていろ……貴様は
我が最高傑作、(おろち)が殺す!!!』
 そう書きつづられていた……
(そう)「……」
(みずち)「……これって……どういうこと?」
(おろち)「知るか……」
 やはり、(おろち)は単なるホワイトドールなんかではなく、偶然に出来た人の形を持つ兵器……いや、人に創られた人
間だったのだ……
(そう)「……帰るぞ、2人とも……帰りは蕎麦だ……」
(みずち)「わぁい」
(おろち)「……フン」
 そして……3人は去っていく
(そう)さん……いつも蕎麦なんでしょうか!?……育ち盛りの2人の子供に偏食させることはよくないと思うのです
 が……
 しかし……何故(おろち)だけ真なる人間として出来上がったのかは……不明である。
 また、『テンオブ』という会社も……後に立ちはだかる存在となるのだが、今はまだ別の話である


END

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