Eighter -Extra Voyage-
5ther 〜彦斎(げんさい)の正統後継者 B〜



#3
河上天蔵「ぬ……ぬぅう……」
 ぐいっ
屍桜斬馬(しおうざんば)を構えなおす天蔵。
河上沢斗(たくと)「さて、次はどうくるの?!薙ぎ払い?打ち下ろし?」
 対して、余裕な表情で挑発する沢斗(たくと)
天蔵「おのれぇ!ヘラヘラヘラヘラと!!」
沢斗(たくと)「いや〜〜こればっかりはどうしようもない。……きっと名前のせいだと思うんだよね……うん」
※ちなみに沢斗(たくと)の名前の元ネタは元地方艦隊の馬鹿指令、現皇国の英雄です。(そんなんで分かるかいッ!)
天蔵「яM(とうせん)薙弐(ていじ)」
 ギュルルルウンッ
 回転しながら2度横に薙ぎ払う
沢斗(たくと)「無駄だよ……無駄無駄……」
 ギギンッ
 だが、その2連撃は簡単に斬り払われる
 バウッ
天蔵「ぬかせぇ!明殺(みょうさつ)者ぁ!!」
 ダダッ
 すぐさま回転を止め、屍桜斬馬(しおうざんば)を上段に構えたまま突撃する天蔵
沢斗(たくと)「次は打ち下ろしか……」
天蔵「うおおお!!!!」
 ブウンッ
 ぼ〜〜っと考えている沢斗(たくと)の脳天に天蔵の兇刃が迫る
天蔵「余裕こいてんじゃねぇ!バカがぁ!!死にさらせぇ!!!」
沢斗(たくと)流水舞(るすいむ)」
 ザザザザンッ
 流れる水のように優雅に4回斬撃を放つ沢斗(たくと)……
天蔵「ハッ!……それが……」
 バラバラバラッ
天蔵「なっ……何!?」
 何事も無かったかのように思え……実際は屍桜斬馬(しおうざんば)が無残にも斬り刻まれる
天蔵「ば……馬鹿……なっ!?」
 柄だけとなった屍桜斬馬(しおうざんば)を手に、戦意喪失する天蔵
沢斗(たくと)「うむぅ……本人も切り刻んだ……と思ったんだけど……得物だけだったみたいだねぇ」
 魔物じみた笑みを浮かべる沢斗(たくと)
天蔵(こっ……コイツ……遊んでやがるのか……!?)
 初めてぞっとする天蔵……気付いてしまった……自分の力では……コイツには敵わない……と……
 じりじりっ……
 そして、そのまま後退しだすが……時、既に遅し……
沢斗(たくと)「じゃあ、そろそろ次の依頼も入ってるんで……終わりにしようね……虚刃舞(きょじんまい)!」
 ズドバシュアアアアッ
 四方八方からの刃の嵐……
天蔵「ご……ばぴゅあ!!」
 ……河上天蔵……明殺(みょうさつ)者・沢斗(たくと)の前に散る……
沢斗(たくと)「さ、明殺(みょうさつ)完了……」
 ぴらっ
 そして、沢斗(たくと)はいつもの如く、明殺(みょうさつ)が完了した証拠として、現場に名詞を残して堂々と去っていく……

#4
 天四斗(あまよと)、某所
沢斗(たくと)「う〜〜む」
 明殺(みょうさつ)者は1人……何やら考え込む
沢斗(たくと)「……はぁ、考えても埒が明かないよね……」
 何か思うことがあるのか……明殺(みょうさつ)者はある場所へ……
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
沢斗(たくと)「やぁ、みんな、元気にしてた!?」
一同「……は……はぁ……まぁ……」
 突如訪れた明殺(みょうさつ)者に、一同は、誰!?この人……と首をかしげる
白拍子かんな「……明殺(みょうさつ)者さんが……何の用ですか!?」
一同「なっ!?明殺(みょうさつ)者!?」
 ババッ
 かんなだけがいち早く、彼の正体を超運で察知し、皆に知らせ……咄嗟に身構える一同
沢斗(たくと)「待ってよ……今日は明殺(みょうさつ)に来たわけじゃないんだよ……大体、明殺(みょうさつ)なら、事前に予告状を送るでしょ」
百鬼あろえ「……そ……それは……」
沢斗(たくと)「今回は……依頼に来たんだよ……」
一同「依頼ぃ!?」

あろえ「……で、自分の直径の先祖が誰であるか調べてほしいってわけ!?!?」
沢斗(たくと)「うん。そうそう」
 どうも、先日の天蔵との一件で自分が本当に直系の子孫なのか自信が無くなってきちゃった模様。
梓與鷹(よたか)「……まぁ、確かに、ウチの情報網を駆使すればいち早く、正確に情報を入手できますが……」
※オーパーツCP、アトランティスがあるからね……
かんな「……で、明殺(みょうさつ)者……河上沢斗(たくと)さん……」
沢斗(たくと)「うん、何かな?」
かんな「もし、あなたの先祖が……幕末四大人斬りが1人、河上彦斎(げんさい)では無かったら……一体……どうするつもり
ですか?」
沢斗(たくと)「う〜〜ん……そうだねぇ……」
 と、そのまま沢斗(たくと)は考え込む
一同「……」
 そして、そのまま沈黙が続き……
沢斗(たくと)「そういえば、何も考えてなかったよ……いや、どうしようか……」
あろえ「あのね……」
 考えた末に答えがそれかい!とあろえはずっこける
沢斗(たくと)「まぁ、それはその時、考えるとして……実際どうなの?運の女神……」
かんな「……もう、既に分かっているんじゃないですか!?」
一同「え!?」
 かんなは超運で全てを理解している……あとは……それがtrueかfalseか……
かんな「あなたは……河上彦斎(げんさい)の正当な末裔ですよ……」
沢斗(たくと)「あ、やっぱり……」
 颯爽と真実を告げるかんな……そして、それに納得している沢斗(たくと)沢斗(たくと)「じゃ、河上天蔵って人がいたんだけど……その人は……?」
 ついでに聞いてみる沢斗(たくと)。
かんな「ん〜〜、分家の人間……みたいですね……」
 また、アトランティスで検索して結果を見せる
沢斗(たくと)「なるほど、すっきり。……いや、ありがとうね」
 と、言い残し、沢斗(たくと)は去っていこうとする
あろえ「ちょ、ちょっと……依頼に来たなら依頼料は!?」
沢斗(たくと)「そうだった……じゃ、これをどうぞ……」
 と、彼が差し出したるは……
あろえ「……明殺(みょうさつ)依頼無料券!?」
 しかも、手書きだった……
沢斗(たくと)「うん。明殺(みょうさつ)依頼のときに使ってね。依頼料がタダになるよ……あ、でも、キャンセル料は発生するから……
よく考えて使ってね……」
一同「ンなもんいりません!!」
沢斗(たくと)「ええ〜〜!?」

 なにはともあれ……今日もどこかで沢斗(たくと)明殺(みょうさつ)を行う……


END

前の話へ 戻る 次の話へ