Eighter -Extra Voyage-
4ther 〜もう一人の剣鬼! B〜



#3
 ブシュウッ
陸堕威蔵(おかだ・いぞう)「あっはっはっはっはっはっは……」
冥時(みょうじ)萌「何がおかしい!?」
 両者……互いに斬りつけられたが……掠り傷程度のものである……
威蔵(いぞう)「流石……孤高の剣鬼……闇の世界で名が通っているだけはある……」
萌「……」
 孤高の剣鬼とは萌の通り名……魔道にいながら剣の高みを目指すもの……それが萌である……
※ちなみに、萎は非情の剣鬼として恐れられています。
 ぐりんっ
 と、ここで、威蔵(いぞう)K獅子斬馬(くろししざんば)を掲げてぐるぐると回す
威蔵(いぞう)「さぁて……続けるか……」
萌「愚問だな……」
 ダッ
 そのまま一足飛びにかかる萌
威蔵(いぞう)「おおっ!」
 ガガガガガガッ
 ギギインギンッ
 そして、そのまま激しい鍔迫り合いが繰り広げられる
冥時(みょうじ)萎(……流石、萌……前に出合った時よりも剣腕が上がっているわね……)
 一部始終を見守る萎だったのだが……
萎「……」
 突如目線を下におろす……と、いうか、正確には自分の胸を見つめてみる
萎(……なんであの娘は剣の腕と共に胸も育っているの!?)
 実は自分よりも豊胸な萌に萎はちょっとだけ嫉妬していたりしたのであった……
萎(妹なのに……)
※あれ!?妹をちょっと怨むような姉って……ちなみに、かれんとかんなとでは、当然姉のかれんの方が大きいら
 しいです。(何の情報だよ!?これ……)
萌、威蔵(いぞう)「はあっ!」
 ガギャインッ
 ズダンッ
 暫く打ち込みをしあい、再び距離を置く両雄
威蔵(いぞう)「……フ……フフフ……」
萌「何がおかしい!?」
威蔵(いぞう)「いやはや、こいつぁ敵わねぇや……孤高の剣鬼……今日のところはこれで終了だ!」
萌「ハッ!逃がすか!」
 ヴオムッ
 逃走……の威蔵(いぞう)を逃がすわけもなく萌は転移衝でトドメを……
 スカッ
萌「何っ!?」
威蔵(いぞう)「また、逢おうぜ!孤高の剣鬼……」
萌「……」
 だが、仕留めそこね、威蔵(いぞう)はいずこへと消え去った……
萌「……食えない野郎だ……」

#4
萎「ぐっ……」
萌「萎?」
 突如、萎の呻き声を聞いた萌は、そっちを振り向く……すると……
*「ふっふっふ……」
*「うふふふ……」
 そこには、いつの間にか漢と女が立っていた……
萎「萌……」
萌「萎……?」
 萎はよく見ると負傷している。深手ではないものの……萎は非情の剣鬼……さっきの威蔵(いぞう)位の腕前でないと傷を
つけることも難しい……
*「見つけたわ……剣鬼姉妹!!」
 女の方が啖呵を切る
萌「……何だ!貴様ら!?」
*「フッ……俺たちは……お前たちを憎むもの!!」
 漢の方が叫ぶ……
 ちなみに、この2人……漢の方を刀堂三尺(みせき)、女の方を刀堂秋水(あきみ)と言った。
萎「私は……お前に憎まれるような覚えは無いぞ……」
萌「無論、俺にもだ……」
※あ、萎の第一人称は萌の『俺』じゃなく、『私』なんですね……
 刀堂三尺(みせき)、刀堂秋水(あきみ)「全ては冥時(みょうじ)千之助に殺された我らが父の恨みを晴らすため!」
萎「父さんの!?」
萌「フンッ……だったらあの世で親父と死合って来い」
※現時点で、萌、萎の父親、千之助は存命ではありませぬ。……あれ!?萌と萎の父親の名前はなんだか少しまと
 もな名前だな……
秋水(あきみ)「そうはいかないわ……」
三尺(みせき)「ああ……まずは生きているお前らをブチ殺し……憂さを晴らす!!」
秋水(あきみ)「兄様……私たちの桜花抹(おうかまっとう)流……見せてあげましょう……」
三尺(みせき)「フッ……」
 ドドッ
 一速飛び込む兄妹……
萌「馬鹿が!」
 萌はそれを迎え撃つ……が
萎「命知らずにも程があるな……」
 ギャインッ
萌「な……んだと!?」
 突如萌の刀は斬り払われる。これには萎もびっくりだ
秋水(あきみ)「うふふ……兄様……おっしゃってあげて……」
三尺(みせき)「フッフッフッフ……俺たちは貴様の元屠歳殺(げんとさいさつ)流を封殺するために桜花抹(おうかまっとう)流を作り上げた!貴様の使う剣は
……すでにプロファイル済みなんだよ!!」
萌「……ほざけ!古来より続く殺人剣術が……そんなできて日も浅いような剣に遅れを取るわけがあるか!」
 ゴギュオアッ
 萌、再び襲い掛かる
三尺(みせき)「ハッ!おおお!!」
 ギギンギンギンッ
 だが、しかし……それは全て、(ことごと)く防がれ……徐々に圧されていく萌
萌「ぐ……ぬぅ……」
秋水(あきみ)「うふふ……四刀流といっても所詮擬似。実際には4本の刀を振るっているのは2本の腕に過ぎないのよ!!」
 ギャンギャンギャンッ
 秋水(あきみ)も萎を激しく責める
萎(くっ……このままでは……マズイ……ぞ!?)
萌「はっ!」
 ババッ
 距離をとる萌
萌「……プロファイリングしただと……よかろう……ならば、見せてみろ!斬空破(ざんくうは)!」
 ドドドドオッ
 4本の刀から繰り出される剣閃が三尺(みせき)に飛ぶ
三尺(みせき)「いいだろう……空圧重絶(くうあつじゅうぜつ)」
 ドオオオオンッ
萌「ぬぅ!?」
 刀によって巻き起こされた風圧によって剣閃が相殺される
萌「ハッ!絶氷突槍(ぜっひょうとっそう)!」
 バキバキバキバキバキッ
 地面からせり出した氷の槍が三尺(みせき)を狙う……が……
三尺(みせき)「それには……焔気閃絶(えんきせんぜつ)」
 ボジュオアアッ
 炎の剣閃が飛び、氷の槍を溶かしていく
萌「ならば……転移……」
三尺(みせき)「はっ!封絶回刺(ふうぜつかいし)」
 ズムッ
 シィ〜〜〜ン
萌「な……んだと!?」
 刀を地面に突き刺しただけの三尺(みせき)……しかし、それで、空間転移が出来なくなった萌……果たして、一体、彼ら
は何をしたのか!?


続

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