Eighter -Chaos Desorder-
61ster 〜鵺帛主ヤヌスは舞い降り C〜



#5
紅の墓標にて行われているかんな VS 陰轟留牡鴉アンゴルモア……かんなの発する羅神綺無らじんきむ流四大奥義も牡鴉モアには通じず、
万事休す……!!?はたして……
白拍子かんな「……」
ズズズズズッ
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……」
ゴゴゴゴゴッ
白拍子かれん「くっ……」
ジリジリジリジリッ
かんなと牡鴉モア……両者構えから技の発動に移ろうとしない……
その、重すぎる空気に、かれんは圧し潰されそうになる……
かれん(すさまじく長く感じるわ……時間が……)
ビシッ
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……負轟獅咆刎ふごうしほうふん」
ドゴギャウアアアアアッ
緊迫した空気が張り詰め……そして、弾ける……再び牡鴉モアが先手を取り……闇のオーラで具現化させた
巨大な獅子をかんなに襲わせる
かれん「かんな!?」
かんな「龍鳳麟龜りゅうほうりんき!!」
カッ
ゴアアアアアアアッ
陰轟留牡鴉アンゴルモア「何ぃ!?」
このピンチをどう切り抜けるのか!?とかれんが思っていると、かんなは光の龍、火の鳥、かめ、麒麟……の4つ
を一気に解き放つ。
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ご……あああ!?」
かめ牡鴉モアの動きを封じ、麒麟の地割れに飲み込まれ、火の鳥によって炎に包まれ、光の龍によって斬り裂かれ
……しかし、まだ終わらない……
かんな「はああああ!!!」
ドムッ
更に、かんなの一刀が極まる
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ご……が……はああああ!!!?」
カカアアッ
ズドッグオオオオオオオオオオオオオンッ
かれん「くっ……」
そして、その衝撃により、巻き起こる大爆発……視界が一気に暗転する……
・
・・
・・・
かれん「こ……今度こそ!?」
かんな「……はぁ……はぁ……はぁ……」
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ぐ……ぐぐう……」
しかし、それを受けてもなお、牡鴉モアは生きていた……かんなも、牡鴉モアひざまずいてはいるが……かんなの方は
最早、限界……
かれん「な……なんてこと!?……4つを同時に食らっても……ダメなの!?」
最早限界を超える寸前のかんなを見て、かれんは絶望するしかなかった……

#6
陰轟留牡鴉アンゴルモア「フ……フフフ……勝負あったな……月天げってん!!」
グオアッ……
ビタアアッ
かんなにトドメを刺さんと刀を振り上げる牡鴉モア……だが、突如動きが止まる
かれん「え!?」
一体……何が!?……とかれんが眼をぱちくりさせていると……牡鴉モアの背後に気配が……
*「……見つけましたよ、牡鴉モア」
突如現れ・・牡鴉モアを押さえ込む女……
陰轟留牡鴉アンゴルモアE因洋ビーナ……貴様……」
ギリギリギリッ
それは……陰轟留牡鴉アンゴルモアに対を成す存在……聖天王……E因洋ビーナ……
牡鴉モアを優しく包み込み……そして決して放さず束縛する……
E因洋ビーナ「さぁ、月天げってん……今こそここに鵺帛主ヤヌスの均衡を築くのです」
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……ぬ……ぬぬ……させん……させんぞッ!!」
かんな「はあああ!!!!」
ドズウウウッ
気合で立ち上がったかんなは……そのまま一気に駆けつけてE因洋ビーナ牡鴉モア、両者の体を貫く
陰轟留牡鴉アンゴルモア「おごああああ!!!?」
E因洋ビーナ「これで……」
ゴカアアアアアッ
碧聖刃シアンセイクレドが輝きだし……E因洋ビーナ牡鴉モアを包み込む。
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……月天げってんんん!!!……いや忘れるな……人間の小娘よ……人類が存在……する限りッ
 ……我は……不滅ナリィイイイイイ!!!!!」
カッ
かれん「くっ!?」
光が弾け……そして、治まったころには……最早そこにE因洋ビーナ牡鴉モアの姿は無かった……
かんな「……はぁ……はぁ……」
かれん「お……終わった……の!?」
グオオオオオオッ
かれん「な……な!?」
そして、次の瞬間……天が割れ、光が降り注ぐ……
*「よくやりました……月天げってん……」
かれん「……こ、今度は……何!?」
パアアアアッ
声とともに、2振りの刀を携えた女が降りてくる……その声の主は……鵺帛主ヤヌス……この、鵺帛主ヤヌス世界の
創造神にして、世界の均衡を保つ神である……
かんな「……あなたが……」
鵺帛主ヤヌス「……我こそ……鵺帛主ヤヌス……この、鵺帛主ヤヌス世界の創造神である……」
かれん「あなたが……」
鵺帛主ヤヌス「……陰轟留牡鴉アンゴルモアE因洋ビーナを神柱に……我はここへ存在し……そして、我がここに存在すること
 で……世界は均衡を取り戻した……」
かれん「ってことは……終わった……んだ!!」
と、かれんは1人ぬか喜び……以前、人間がいる限り、鵺帛主ヤヌスの均衡はいずれ崩されるってな話を聞かなかった
のか……

#7
鵺帛主ヤヌス「ですが、まだ終わってはいません」
かれん「……へ!?」
かんな「……神柱として捧げられたE因洋ビーナ牡鴉モアは……まだ、世界に存在している……のですね?」
鵺帛主ヤヌス「……」
人間がいる限り、いずれ鵺帛主ヤヌスの均衡は崩される……と言うことを知っているかんなは、別の心配ごとを
鵺帛主ヤヌスに話す。
鵺帛主ヤヌス「その通り。獄天王、聖天王は……神柱となりつつも、世界に存在できます……」
そして……世界に存在すると言うことは……再び牙をくことがある……と言うことである……
かれん「じゃ……じゃあ……」
私達のやってきたことは無駄だったの!?とかれん……しかし、そんなことはなく、鵺帛主ヤヌスは告げる
鵺帛主ヤヌス「ですが、当分バランスが崩れることは無いでしょう……後は徐々に世界が回復するのを待つだけです
 ……」
・
・・
・・・
フオアアアアッ
その後、会話も終わり……かんなとかれんが光に包まれる
鵺帛主ヤヌス「お疲れ様でした……現実世界に戻してあげましょう……」
かんな「まって……リーダーとあろえさんとおぼろさんが邪王窟に……」
鵺帛主ヤヌス「心配要りません、全員戻してあげます……」
かんな「ありがとう……ございます……」
鵺帛主ヤヌス「お礼を言うのは……こちらです……」
あなたは世界を救った英雄なのですよ……と鵺帛主ヤヌス……かくて、鵺帛主ヤヌスは、一行を現実世界へと戻して消ゆ
ヴオムッ
・
・・
・・・
天四斗あまよと、Eighter本部
梓與鷹よたか「これで、世界の崩壊は防がれた……か……」
かれん「……でも、もう二度と起きないってことはないらしいわよ……」
與鷹よたか「……ああ、分かってる……」
※ちなみにEighter本部に戻った後、かんなは力の使いすぎか何かでその後3日間寝続けることに……
……鵺帛主ヤヌスの均衡は築かれた……だが、この均衡は……一時のものだけなのか!?
……E因洋ビーナ陰轟留牡鴉アンゴルモアもまだ、世界に存在している今……油断は命取りであるが……今は、世界の均衡
を祝福しよう……


第一部・FIN

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